FANTASTICS初ホールツアー横浜で終幕、中尾翔太への思いを音楽と演劇で表現

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FANTASTICS from EXILE TRIBEの全国ホールツアー「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」のファイナル公演が、昨日11月21日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで行われた。

FANTASTICS from EXILE TRIBE

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このツアーはFANTASTICSにとって初のホールツアーで、全国12都市17公演で合計4万3000人を動員。演劇パートの“DRAMA”とライブパートの“SOUND”の2部構成で、FANTASTICSならではの新しいエンタテインメントの形をファンに届けた。

演劇パートは初のホールツアーに挑むFANTASTICSが、ある出来事をきっかけに「ファンに本当に伝えたいこと、見せたいもの」に気付いていくというストーリー。ライブの幕開け直前に会場中の時間が止まり、驚く8人の前に“時の神”と名乗る人物から「君たちが本当に伝えたいことを見つけるために時間を1時間止めた」という手紙が届く。最初は本心を隠していた8人だったが、やがて心を開いてそれぞれがこのツアーでやりたいこと、ファンに披露したいことをアピールしていった。

佐藤大樹は「『ジャージー・ボーイズ』みたいなコーラスグループをやりたい」と話し、それを実現すべく蝶ネクタイ姿の8人が華麗なハーモニーを響かせる。八木勇征は自慢の肉体美をアピールし、木村慧人は“キラキラ映画”さながらの胸キュンな決め台詞でファンを沸かせた。堀夏喜は「ファンが写真撮影できる時間を設けたい」と提案。澤本夏輝は得意の料理を取り入れたダンスで楽しませた。

瀬口黎弥はラップでメンバー紹介を行い、中島颯太はアコースティックギターの弾き語りでイルカの名曲「なごり雪」をしっとりと聴かせる。今年7月に右足を骨折した世界は、そのときのレントゲン写真を使ったTシャツをファンにあげたいと発案して「それはいらないでしょう!」と全員に反対されていた。

客席からの笑いや歓声の絶えないパフォーマンスが続いたあと、堀はふと「あの人のことに触れなくていいのかな」と、昨年7月に亡くなったメンバー・中尾翔太について話し始める。このツアーでは中尾のことに触れないと決めていたが、ライブが始まる瞬間に「これでいいのか」と疑問に思ったと堀が明かすと、瀬口もその思いに賛同。メンバー9人全員でファンの前でパフォーマンスしたことが一度もなかったと悔しそうに振り返った。堀の「翔太くんがいなくなったことを認めるのが怖かったのかもしれない」という言葉にほかのメンバーもうなずくと、佐藤は「最後の曲を変えよう。わざと外してたあの曲に」と、中尾への思いを表現すべくセットリストの変更を申し出た。

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時折涙を浮かべながらもそれぞれの役を演じ切り、思いをセリフに乗せて伝えた8人の姿に、客席中からすすり泣きの声が起こる。そんな中で改めてライブのオープニング映像が流れ、後半のライブパートへと突入した。衣装を改めた8人は12月4日リリースのニューシングル「Time Camera」をさわやかにパフォーマンス。「WHAT A WONDER」では瀬口のキレのあるラップと、パフォーマー6人のソロダンスで場内を熱狂させた。

「Can't Give You Up」の情熱的なボーカルとダンスでファンを魅了したあとはバラードナンバーを連続で披露。「ターミナル」「Believe in Love」といった楽曲でFANTASTICSのまた異なる一面をアピールした。八木と中島のボーカルのみで届けられたDEEPのカバー曲「空」では、2人の軌跡を「VOCAL BATTLE AUDITION 5」から現在まで追った映像が流れる。歌い終えた中島は「オーディションの課題曲でもあったので、すごく感慨深い曲です」、八木は「初心に帰る映像でした」と、それぞれの思いを述べた。

EXILE「あなたへ」「Each Other's Way~旅の途中~」をカバーしたあとは「Every Moment」へ。8人は肩を組み合ったり抱き合ったりとはしゃぎながらステージを行き来していた。ポップな振り付けが印象的な新曲「Tarte Tatin」に続いては、本編最後の曲「Flying Fish」。ここではドラマパートで堀が提案した写真撮影タイムが実現したり、世界のレントゲン写真Tシャツが実際にファンにプレゼントされたりと、前半とクロスオーバーした演出でファンを大喜びさせた。

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アンコールの冒頭ではパフォーマー6人がストリートパフォーマンス風の寸劇を披露。大きなバケツを叩くパーカッションプレイを息もぴったりに繰り広げた。「Tumbling Dice」での圧巻のダンスが終わると、8人は改めてこの日集まったファンへ感謝を語った。世界は「皆さんに本心をさらけ出して、このツアーで深い部分を見せることができました」、佐藤は「皆さんの期待を裏切らないように突っ走っていきたい」と語る。八木は「1人ひとりの思いを形にしてドラマパートに入れました」と制作過程を振り返り、中島は「皆さんがつらいとき、がんばりたいとき力になれるようにステージに立ち続けたい。僕たち9人はこの思いをもっと届けていく使命があります」と力強く語った。

ラストナンバーは中尾への思いを込めた「Turn Back Time」。観客が腕に付けた自動制御型ライトがピンク色に染められ、堀は中尾がデザインしたキャラクター・ファン太郎のぬいぐるみを手に笑顔を見せる。最後はピンク色のテープが場内に勢いよく発射され、ツアーファイナルを華々しく彩った。

FANTASTICSは2020年2月12日に初のフルアルバム「FANTASTIC 9」をリリース。春からは初の全国アリーナツアーを開催する。

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「FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE」2019年11月21日 パシフィコ横浜 国立大ホール セットリスト

01. Time camera
02. OVER DRIVE
03. WHAT A WONDER
04. Can't Give You Up
05. ターミナル
06. Believe in Love
07. Dear Destiny
08. 空
09. あなたへ
10. Each Other's Way ~旅の途中~
11. Every moment
12. Tarte Tatin
13. Flying Fish
<アンコール>
14. Dance Track
15. Tumbling Dice
16. Turn Back Time

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音楽ナタリー @natalie_mu

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