シドたまアリ公演に3万2000人「本当に幸せなバンド」

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7月31日、シドがさいたまスーパーアリーナでワンマンライブ「SID Summer Festa 2010~SAITAMA SUPER LIVE~」を開催した。

ステージ総製作費は約2億円。途中の3D映像はアメリカで制作されるなど「SUPER LIVE」の名にふさわしい豪華ステージとなった。

ステージ総製作費は約2億円。途中の3D映像はアメリカで制作されるなど「SUPER LIVE」の名にふさわしい豪華ステージとなった。

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ライブ当日の朝は「そわそわして1時間も早く準備が終わっちゃったんで、ずっとケータイの掃除をしてました(笑)」と語ったマオ。

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故郷に錦を飾る凱旋ライブを大成功させたShinjiは「埼玉に生まれてよかったー!」と絶叫。

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「今日はライブハウスと変わらないぐらいの勢いでやってるんで、よろしくお願いします」と力強く語った明希。それに対し横からShinjiが「カッコいいなあ。これいただいちゃおう(笑)」とつぶやく場面も。

「今日はライブハウスと変わらないぐらいの勢いでやってるんで、よろしくお願いします」と力強く語った明希。それに対し横からShinjiが「カッコいいなあ。これいただいちゃおう(笑)」とつぶやく場面も。

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ライブ終演後、ステージに座り込んだゆうやは「昨日リハーサルしたんだけど、本当に俺たちがここで演るのか? って実感がなかったんだよね」と、大舞台を終えた安どの気持ちをファンにしみじみと語った。

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さいたまスーパーアリーナスタジアムモードでのコンサート開催はシドが12組目で、メジャーデビューから2年目での開催は史上最速。

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このライブは3万2000人を収容するスタジアムモードで行われ、チケットは一般発売日に即日ソールドアウト。会場には開演のはるか前から多数のファンが集い、グッズ売り場や入場口に長い列を作った。

開演時刻をしばらく過ぎ、場内が暗転すると英語のアナウンスとともに縦20メートル、横75メートルの巨大スクリーンにヘリコプターのシルエットが映し出される。あたかもヘリに乗って登場したかのような演出でメンバー4人が現れると、3万2000人のファンから大歓声が沸き起こる。1曲目は6月にリリースされた最新シングル「レイン」。マオ(Vo)の透明感のあるボーカルが場内に響き渡り、明希(B)はアグレッシブなプレイで熱量を上げていく。

マオが「行けるかさいたま!」とオーディエンスを煽り、「歌姫」「妄想日記」とアッパーなナンバーを連続して披露。マオと明希、Shinji(G)はステージ両翼の花道を歩き、サイドスタンドのファンを喜ばせる。最初のMCではマオが会場を見渡し「しかし広いなぁ……」としみじみ語り、「僕たちライブハウスツアーを春にやったんですけど、どこもキャパが300人とか400人ぐらいで24カ所、そのあとの3万2000人でしょ? すごいギャップだよね、ギャップ萌えだね(笑)」と笑わせた。

「ここからは“四季シリーズ”で、それぞれの季節の歌をお送りします。まずは夏の曲を」と紹介して始まったのはもちろん「夏恋」。軽快なリズムと疾走感が「サマーフェスタ」のタイトルにふさわしい雰囲気を作り上げる。続いてはShinjiのアコースティックギターのイントロで大歓声が沸き起こった、秋の歌「モノクロのキス」。「2℃目の彼女」では冬の冷たさを思わせる緻密なアンサンブルとマオの伸びやかな声を響かせ、「嘘」では明希とゆうや(Dr)が丁寧に力強いグルーヴを生み出していく。バンドとしての豊かな表現力を存分にアピールするパートとなった。

中盤には蛍光ラインを引いた衣装をまとったダンサーが登場し、真っ暗なステージでダンスを披露。さらに巨大スクリーンにはダイナミックな3D映像が映し出され、オーディエンスを驚かせる。衣装を改めたメンバー4人がステージに再び現れ、後半戦1曲目は「刺と猫」。リズム隊の奏でる色気を湛えたビート、マオの若干ハスキーな声、Shinjiのギターが絡み合い、観客を酔わせる。「マスカラ」「ホソイコエ」と、じっくりと聴かせるナンバーが続いた後「日傘」のイントロが始まるが、ここでトラブルが発生してライブが一時中断。すかさずShinjiが「はいはい、ライブにトラブルはつきものですよ!」と観客に話しかけてなごませる。地元・埼玉県での大舞台となったShinjiは「昨日は実家に泊まったんですけど、隣にすごくきれいな林がありましてね。ゆうべはいつまでも蛍を追いかけてました(笑)。僕はよくうさんくさいうさんくさいって言われますけど、そんなことないんですよ」とMC。ここでマオから「その靴もうさんくさいよね……」と突っ込まれ、「なんだよ! 助けてあげたのに!」とShinjiが返し、場内は笑い声に包まれた。

「じゃ、次の曲……はもうバレてるもんね(笑)」というマオの言葉でライブは再開。ゆうやが鳴らすスネアの連打がシリアスな雰囲気を作り上げ、壮大な世界を展開する。ラストではマオがステージに倒れこみながら熱唱し、観客を圧倒した。続いてはメンバーそれぞれがファンに向けて挨拶。ゆうやは「今日のライブはツアーじゃなくて1日しかないので、1曲1曲をツアーそれぞれのライブだと思ってやります!」と宣言。マオから「わかりづらいけどカッコいいこと言ってるよ!?(笑)」とフォローされていた。続く明希は客席を見渡し「僕より年上の人も年下の人もたくさんいて、本当に幸せなロックバンドですよね」とうれしそうに語った。

ここでマオがわざとShinjiを無視し「えー今日はこの3人で最後までやっていきますので……」と話し、Shinjiが「そういうこと言うの?俺帰ってもいいのかな?(笑)」と返す一幕もありつつ、ライブはいよいよ本編ラストパートに。「cut」のイントロではカラフルなテープが宙を舞い、「dummy」では明希の軽快なベースラインがオーディエンスの身体を揺らす。「ラスト行けるか、さいたま!」とマオが叫び、本編最後の曲「眩暈」が始まる。ステージ上にはオレンジの火柱が上がり、3万2000人がメンバー4人と一体になって腕を振り上げる。熱狂的な盛り上がりの中、本編が締めくくられた。

鳴り止まないアンコールの声の後、巨大スクリーンに映し出されたのは恒例「金曜シンジショー」の文字。大歓声と拍手に迎えられてせり上がりで登場したShinjiは地元の地名「南越」が入ったTシャツ姿だ。「ここは埼玉で最高の場所じゃないですか。うれしくなっちゃって昨日は寝れなかったんです。寝れなかったので新曲を作っちゃいました。聴いてください、『僕と金利と手数料』」。そしてアコギを抱えて、おなじみの哀愁漂うメロディとともに無名時代に背負った借金にまつわる辛い思い出を語り始める。赤裸々なエピソードの数々にオーディエンスからは笑い声とどよめきが半々に起こるが、最後の「借金を返すために生きていた僕に、バンドのために生きることを教えてくれたのがシドでした」という言葉には大きな拍手が響いた。

続いてゆうや、明希、マオがステージに再登場。明希は上半身裸で、マオは星柄の浴衣で現れ、女性ファンからは黄色い歓声が上がる。マオは「どう? 似合う?(笑)」とくるりと1回転し、アンコールに突入。会場中を涼やかな空気に染める「ミルク」、ジャジーなアレンジの初期の名曲「ノイロヲゼパアティー」と、アンコールとは思えない勢いで次々と演奏していく。「循環」では歌詞にあわせてオーディエンスがくるくると回り、「one way」では一斉にヘッドバンギングして一体感もピークを迎える。「sleep」ではマオの壮大な歌声、そしてShinji、明希、ゆうやの美しい音色が会場を包みこんだ。

そのままステージには紗幕が下り、ファンに向けた重大告知が映し出される。9月29日にニューシングル「cosmetic」をリリースし、12月11日に東京ドームでライブを行うことが発表されると、場内には悲鳴混じりの歓声が響き渡った。紗幕が上がり、興奮冷めやらぬ3万2000人に向けて最後の曲「微熱」が贈られる。4人の思いを代弁するように丁寧に「ありがとう」と歌うマオ。客席には涙ぐむファンの姿も多数見受けられた。

ライブ終了後にはメンバー4人が花道へ飛び出し、会場の隅々に向けて挨拶。名残惜しそうにいつまでも手を振り、メンバー同士で抱き合うその表情にはバンド史上最大規模のライブを大成功させた充実感、そしてさらなる大舞台に向かう決意が満ちていた。

(撮影:渡部 伸 / 今元秀明)

SID Summer Festa 2010~SAITAMA SUPER LIVE~
2010年7月31日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

01. レイン
02. 歌姫
03. 妄想日記
04. 夏恋
05. モノクロのキス
06. 2℃目の彼女
07. 嘘
08. 刺と猫
09. マスカラ
10. ホソイコエ
11. 日傘
12. cut
13. dummy
14. プロポーズ
15. 眩暈

EN-01. 金曜シンジショー「僕と金利と手数料」
EN-02. ミルク
EN-03. ノイロヲゼパアティー
EN-04. Dear Tokyo
EN-05. 循環
EN-06. one way
EN-07. sleep
EN-08. 微熱

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音楽ナタリー @natalie_mu

シドたまアリ公演に3万2000人「本当に幸せなバンド」 http://natalie.mu/music/news/35590

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