「求め続けていたものはみんなだった」flumpool、ファンに支えられ再始動ツアーに幕

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flumpoolの全国ツアー「Command Shift Z」が10月4日の東京・NHKホール公演をもってファイナルを迎えた。

flumpool「Command Shift Z」東京・NHKホール公演の様子。(撮影:ヤオタケシ)

flumpool「Command Shift Z」東京・NHKホール公演の様子。(撮影:ヤオタケシ)

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山村隆太(Vo, G)が歌唱時機能性発声障害の治療に専念することを受けて、2017年12月より約1年間活動を休止し、今年1月に再始動したflumpool。「Command Shift Z」は彼らの再始動後初の全国ツアーとして計24公演が開催された。

山村隆太(Vo)(撮影:ヤオタケシ)

山村隆太(Vo)(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

待ち焦がれたファンの期待に満ちた空気が漂う中、ライブは定刻の18:30ぴったりに開幕。水に沈んでいくノートパソコンが紗幕に映し出され、その画面にツアータイトルである「Command Shift Z」のマークが浮かび上がる。そんな演出を経てオープニングナンバーとして届けられたのは、阪井一生(G)のギターを合図に始まる「FREE YOUR MIND」。山村の伸びやかな歌声が響いた瞬間に紗幕が落ち、観客は大きな歓声で4人とサポートメンバーの磯貝サイモン(Key, Cho)と吉田翔平(Violin)を迎えた。自然と大きなクラップが起きる中で始まった「しおり」では、山村が「会いたかったぜ! ただいま」と笑顔でシャウトし、ツアーファイナルを迎えられる喜びを爆発させた。「花になれ」の演奏中には阪井、尼川元気(B)、小倉誠司(Dr)の3人が顔を見合わせ丁寧に音を重ね、その様子をオーディエンスは温かい眼差しで見守った。

阪井一生(G)(撮影:ヤオタケシ)

阪井一生(G)(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

尼川元気(B)(撮影:ヤオタケシ)

尼川元気(B)(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

山村は「ただいま! 帰ってきましたflumpoolです」と改めて挨拶し、「今日はツアーファイナルでみんなも気合いが入ってるね」とうれしそうに満員の客席を見回す。そして、大事な日には毎回雨が降るというジンクスがあったにも関わらず、この日は晴天に恵まれたことに触れ笑みを浮かべた。桜色の照明が柔らかな空気を演出する「DILEMMA」で始まったブロックでは、歌詞をスクリーンに映し出しながら楽曲を披露していく。4人はシリアスなトーンの楽曲を届ける一方で、ひとたびトークに入るとあっと言う間に関西人らしいノリに。吉田がflumpoolのために手紙を書いてきたと読み上げ始めるも、なぜか内容は自分のゴルフのスコアについてだったり、小倉がツアーを振り返ると言いながら「ねこ検定」を受けると宣言したり、ユーモアにあふれたやりとりで会場に笑いを巻き起こした。山村は「ファイナルの緊張感からか変な方向に……」とフォローを入れ、約1年の休養期間の葛藤と、再び4人で音楽をしたいと決意にするに至った経緯を語った。その後、4人がプレイしたのは「解放区」。タイトル通り解放感にあふれたロックチューンで会場を揺らした。中盤戦でひときわ出色だったのは、ダークでエッジの効いたサウンドと歌詞がリリース当時話題となった「夜は眠れるかい?」。尼川と小倉が刻むタイトなビートに乗せて、山村は挑発的に歌い上げ、攻撃的な一面でオーディエンスを魅了した。

再始動後初のシングル曲である「HELP」を歌う前に、山村は声が出なくなってしまったとき、周りに助ける求める大切さを実感したと述懐。「『助けて』とポロっと言った一言が、多くの人を連れてきてくれた。そこで1人じゃないと思えて、あきらめずにここまで来れました」と明かした。そんな言葉を経て始まった「HELP」では、観客の合唱がステージ上の4人を後押しするように響き渡った。さらに4人は再始動を印象付けるように「reboot ~あきらめない詩~」を高らかに奏でた。

小倉誠司(Dr)(撮影:ヤオタケシ)

小倉誠司(Dr)(撮影:ヤオタケシ)[拡大]

その後披露された「Blue Apple & Red Banana」では阪井によるエッジーなギターのカッティングが炸裂し、「World beats」では観客が一斉にタオルを回し風を巻き起こす。初期のナンバーである「星に願いを」を経て、山村は先日デビュー11周年を迎えたことを報告。紆余曲折がある中でファンが待っていてくれることが支えになったと述べ、「この11年間、求め続けていたものはきっとみんなの存在だったんだと思います」と客席をまっすぐに見据えて口にした。そして始まったのは山村による弾き語りにバンドサウンドが加わっていく「どんな未来にも愛はある」。活動休止期間があったからこそ真に迫ってくる歌詞を山村は伸びやかに歌い、阪井、尼川、小倉は互いに視線を交わしながらその歌声を支えた。

盛大なアンコールに応えて再び登場したメンバーは、人との絆を歌った「つながり」と、長年ライブの定番曲として愛され続けている「君に届け」をパフォーマンス。最後にバンドの地元である大阪の大阪城ホールで年末に単独公演を行うことや、来年ニューアルバムをリリースすることを報告し、長く温かな拍手に見送られて名残惜しそうにステージをあとにした。

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flumpool「Command Shift Z」2019年10月4日 NHKホール セットリスト

01. FREE YOUR MIND
02. しおり
03. 花になれ
04. DILEMMA
05. Sprechchor
06. 東京哀歌
07. 空の旅路
08. 解放区
09. HOPE
10. 夜は眠れるかい?
11. Over the rain ~ひかりの橋~
12. HELP
13. reboot ~あきらめない詩~
14. Blue Apple & Red Banana
15. World beats
16. 星に願いを
17. どんな未来にも愛はある
<アンコール>
18. つながり
19. 君に届け

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のりすけ @norisuke0007

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