カメラマンを夢見る主人公・祐介役の岡山は、映画単独初主演。会場で主演の役目として自ら観客の反応を伺い「新鮮! いつもは主役の横にいる立場だから」とうれしそうな表情を浮かべる。また山中は封切りについて「本当に実現したんだなと。しかもこんなにたくさん観客が集まっているじゃないか!」と声を上げた。
山中は作中で演技にも挑戦しており「本人役だし、ほとんどのことが現実に何百回も言ったことのあるセリフなので、芝居をした感覚はなかった。やりやすいように誘導してもらいました」と感想を語る。そして祐介を怒鳴る演技について「普段はあそこまで怒りません。ネチネチと追い込むタイプです」とジョークで笑わせたが、これにオクイ監督は「怒る指示はしたけれど、俺の想像のはるか上が来たので驚いた」と反応。岡山も「もう怖すぎて覚えていません……」と怯え、山中は「この映画はそこが主軸じゃないですから! そこまで掘り下げる必要ありますか!?」と2人のリアクションに慌てていた。
また作中にはGLAYやストレイテナーといったアーティストたちが友情出演している。山中は「直接会って出演をお願いしたり、メールで連絡したり。みんな二つ返事で引き受けてくれました。特にGLAYのTERUくんは丁寧に長い文章を送ったら、すぐに『やったー! 銀幕デビュー!』と軽めの返信が来て驚いた」と述懐。TERUの出演シーンについてオクイ監督が「すごくカッコよかったし、TERUさんは生で何度も歌ってくれて本当に感動しました」と振り返ると、山中は「会場に来てエキストラのお客さんを見て『これは歌わなきゃ』と急きょ歌ってくれた」と舞台裏を明かした。
the pillowsの魅力について、岡山は「歌詞のパワー」を挙げ「撮影が終わった今も曲を聴いているけれど、映画公開を迎えて改めてカッコいいバンドだと思います」とリスペクトを表明。制作期間中は“the pillows浸け”だったというオクイ監督は「過去のインタビューでさわおくんが『興味のない相手とキャッチボールをすると、その人は受け取ってくれない。地に足が付いていないとむやみに投げてしまって勝手に傷付く』というようなことを言っていて、その言葉が撮影中にずっと心にありました。そして自分もその思いで映画を作りました」と打ち明けた。
最後に山中は「自分の強みは鈍感力。映画を作りたい!という無謀なことも鈍感力があったからこそ、怖いもの知らずで決断することができた」と振り返り「こんなにちゃんとした映画になるとは思っておらず、スタッフ、キャスト皆さんの力があったからこそできた。この鈍感力を持って、10月17日の横浜アリーナに立ちたい」と思いを語る。そして岡山は「自分の人生にとって一度しかない初主演という機会がこの作品であったことをうれしく思います。the pillowsの30周年アニバーサリーイヤープロジェクトとして作られた映画で、皆さんにとっても何かの節目のときに見返したくなるような映画になってくれたらうれしいです」と、作品のさらなる広がりに期待を込めた。
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