「Rakuten Optimism 2019」は、「5G時代を、先取りしよう。」をテーマに7月31日から8月3日まで行われているビジネスカンファレンス。2日は「5G × 医療、スポーツ&エンタテインメント」を中心としたトークセッションが展開され、YOSHIKIはエンタテインメント界で活躍する人物として招かれ、これからの時代のコンテンツのあり方について三木谷氏と意見を交わした。
YOSHIKIデザインの楽天カードが紹介されたあと、YOSHIKIと三木谷氏は昨今の音楽業界についてのトークを展開していく。YOSHIKIはアメリカ・ロサンゼルスを拠点にしてアジア、ヨーロッパを回っているが、日本の音楽業界を「特殊だ」と表現。1989年にX JAPANがメジャーデビューして30周年を迎えるが、デビュー当時はちょうどアナログ盤からCD盤に移行している時期だったことを振り返りつつ、「そして今、アメリカではCDという単語すら聞かなくなりました」と海外の音楽事情について説明した。また日本と主にアメリカを比較し、「日本では頭の良い方々がCDにまつわるいろいろなシステムを作り上げましたけど、いい意味でも悪い意味でも日本を孤立させてしまった。もはや音楽をCDとして売っているわけじゃないですから。世界は完全にストリーミングにシフトしていて、そのギャップに僕は危機を感じています」と述べた。三木谷社長が「もともとCDとレコードは音楽業界になかったものだ」と過去にYOSHIKIが発言したことを引き合いに出すと、YOSHIKIは「僕はクラシックファンですが、クラシックの時代はもちろんCDもなかったわけで。極端に言えば著作権という発想もこの数十年の間にできたものです。何百年という歴史から考えると、LP、CD、ストリーミングの変遷を取っても目まぐるしい変化が音楽業界に起こっていると思います」と意見を述べた。
5GについてYOSHIKIは「僕はロサンゼルスと日本のスタジオをつないでレコーディングをやっています。X JAPANのメンバーは僕以外が全員日本に住んでいるのですが、4Gで中継すると1秒くらいのレイテンシーがあるんです。5Gの時代になったらその遅延が0.001とか0.0001秒とかになって。そのくらいの遅延はMIDIを使っても出てしまうレベルのものなので、極端な話、僕がロスにいて、Toshlが東京にいて、SUGIZOがロンドンにいても同時にセッションできてしまいますね」と自身の音楽制作の環境に置き換えて説明。続けてYOSHIKIは「話が少し戻りますけど、もう日本の業界を変えなければいけないと思っています」と述べ、三木谷氏が「得意の“ぶっ壊す”?」と合いの手を打つ。YOSHIKIは少し笑いながらも話を続け、「これから2年くらい先には『CDで音楽を聴いていたの?』という時代になるかもしれない。5Gがあればお医者さんが遠隔操作で手術できてしまうくらいですし」と通信技術の進化が音楽の流通形態に与える影響について説明した。
三木谷氏が「ストリーミングが海外から遅れて日本で定着しだしたのは今年くらいでしょうか。日本の音楽業界の責任も大きいと思いますよ」と正直な感想を語る、それに同意を示したYOSHIKI。「日本の音楽シーンはその中だけで成り立ってしまうものなんです。ミュージシャンが生活できる。国によってはそれを輸出しないと食べていけない。K-POPも世界で旋風を巻き起こしていますが、ロサンゼルスにいてもすごいなあと思います」と音楽業界に対する見解を述べる。「4Gから5Gに変わる瞬間に日本の音楽業界も変化する必要はあると思います。秘策があります。今日このあと“簡単な重大発表”の第1弾があるんですけど(笑)。第2、3、4弾と発表していく中で今の時代がこういうふうに動いているということに関連して行われます」と内容を濁してコメント。三木谷氏が「もうちょっとヒントないんですか」と問い詰めると、YOSHIKIは笑顔を見せて「まあ、要するにこの業界を僕がぶっ壊します。アメリカに住んでもう25年にもなるので、そこから見た日本のいいところも悪いところも含めて、革命を起こせたら」と期待を煽った。具体的な内容については今夜以降に順次発表される予定だ。
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- Rakuten Optimism 2019 | 楽天株式会社
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