山中さわお(
このツアーには7月3日にリリースされたレーベルコンピ「Radiolaria」に参加しているthe pillows、
トップバッターのTHE BOHEMIANSは、グラマラスな雰囲気でありながら力強いステージングで、陽気なロックンロールを次々と披露。ギターソロを弾くビートりょう(G)に寄り添いながら「ここで騒がないでいつ騒ぐの?」と観客に問いかけたりと、平田ぱんだ(Vo)は常にフロアを煽り続け、会場に一体感を生み出していく。平田は「俺がDELICIOUS LABELに最初に関わったのは2001年。レーベルコンピ(「LIFE IS DELICIOUS」)が欲しくてなけなしの金で買ったのが最初です。気付いたら俺もDELICIOUS LABELの一員。なんてこった!」と言って、このステージに立った感慨にひたった。そして最新コンピ「Radiolaria」で自分たちの楽曲「おぉ!スザンナ」をyoko(noodles)が歌っていることに触れ、「あっちのほうがいいという説が流れてるが、俺のもけっこういいぞ?」と言って同曲を披露。続けて「Radiolaria」に提供した新曲「クリエイション&アクション」を熱唱した。さらに彼らは最後に、平田にとってレーベルとの出会いの曲である、2001年のコンピ「LIFE IS DELICIOUS」に収録されていたthe pillowsの「No Substance」をカバー。平田は観客の肩に膝立ちをして熱唱し、会場を熱気で満たして次へとバトンをつないだ。
2番手のシュリスペイロフは、サイケデリックでストレンジな雰囲気の「行灯行列」「檸檬」をローファイ風味のサウンドで奏で、会場の空気を一変させた。宮本英一(Vo, G)はかつてDELICIOUS LABELに所属する際に、札幌から東京に出てくるように山中から促されたことを振り返りながら、「東京が怖くてねえ。渋谷に行ったらラッパーがフリースタイルバトルを申し込んできそうだし、新宿に行ったら黒い車に連れ去られそうだし」と苦笑。彼のどことなく自虐的なゆるいトークで、会場に笑いが起きていた。コンピ「Radiolaria」に提供したバラード「クリストファー」のパフォーマンスを経て、彼らは「ルール」「なんで不安で」を演奏。さらにラストに「ガール」を披露し、観客は美しいバンドサウンドと宮本の優しい歌声にじっと聴き入っていた。
続いて登場したのは、DELICIOUS LABEL所属アーティスト第1号であり、その意味で最もDELICIOUS LABELらしいバンドとも言えるnoodles。彼女たちは1曲目「She, her」のギターの音を鳴らした瞬間から強い存在感を放ち、一気にオーディエンスを自分たちの世界観に引き込んだ。その後も彼女たちは、荒々しいギターサウンドとタイトなリズムで「We Are noodles From Sentimental」「Breakaway」などを披露。yoko(Vo, G)はオーディエンスに向けて「DELICIOUS LABELにいた20年間めっちゃ楽しかったのは、お客さんのおかげだと思ってます。よくライブが終わったあとにみんな『よかったです! 元気になれました!』とかメッセージをくれるけど、その言葉はそのまま返したくて。いつもライブ会場でみんなの顔を見て私たちも明日からがんばろうって気になっています」と感謝の言葉を贈り、「そんな気持ちを残したいと思ってこの曲を作りました」と言って「Radiolaria」に提供した軽快なナンバー「I'll be a sensitive band tomorrow」を楽しそうに歌った。
そして「Ready Steady Go!」でthe pillowsのライブが始まると、会場の興奮は一気に最高潮に。さらに畳み掛けるように「プロポーズ」を演奏し、オーディエンスを圧倒した。山中は「どのバンドも面白いだろう? Mr.ChildrenとかGLAYとかと接してるとthe pillowsってすごくオルタナティブだなって思うけど、DELICIOUS LABELの中にいると俺たちすげえメジャーっぽい」と言って笑った。ライブ中盤には山中がコンピ「Radiolaria」について「みんながカッコいい曲や感動的な曲を収録している中、俺たちだけなんの価値もないくだらない曲を入れてしまった」と苦笑。「こんな曲よりやるべき曲があるので、今日で歌うのは最後だ」と断言して、コンピ収録曲「マシュマロ&ピーナッツ」をハンドマイクで艶かしく歌った。終盤は「サードアイ」「ハイブリッドレインボウ」と人気曲を連発。「Locomotion, more! more!」ではフロアから盛大なシンガロングが沸き上がった。
ここでメンバーはステージから去り、客電もついて終演を告げるBGMが流れ始めたが、アンコールの声が止まず、メンバーは再びステージに登場。山中が「じゃあ、DELICIOUS LABELの仲間たちに」とつぶやいて、バンドは「Funny Bunny」を奏で始めた。サビのパートでは山中がマイクから離れて歌い、会場中が大合唱に。さらにとどめを刺さんばかりの勢いで「No Surrender」を演奏し、大盛り上がりの中でDELICIOUS LABELの20周年イベントは終幕した。
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「DELICIOUS LABEL 20th Anniversary "DELICIOUS BUMP SHOW!!"」2019年7月12日 CLUB CITTA' セットリスト
THE BOHEMIANS
01. THE ROBELETS
02. 太陽ロールバンド
03. GIRLS(ボーイズ)
04. おぉ!スザンナ
05. クリエイション&アクション
06. ダーティーリバティーベイビープリーズ
07. No Substance
シュリスペイロフ
01. 行灯行列
02. 檸檬
03. クリストファー
04. ルール
05. なんで不安で
06. ガール
noodles
01. She, her
02. EBONY
03. Ruby ground
04. Buggy loop
05. We Are
06. Breakaway
07. I'll be a sensitive band tomorrow
08. Ingrid said
09. 965
the pillows
01. Ready Steady Go!
02. プロポーズ
03. バビロン天使の詩
04. ぼくは かけら
05. マシュマロ&ピーナッツ
06. パーフェクト・アイディア
07. サードアイ
08. ハイブリッドレインボウ
09. Locomotion, more! more!
<アンコール>
10. Funny Bunny
11. No Surrender
リンク
- DELICIOUS LABEL
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タッくん @room294
【ライブレポート】ピロウズ、noodles、シュリス、ボヘミアンズがレーベル20周年を祝した白熱の一夜(写真10枚) - 音楽ナタリー https://t.co/PmSTSn4PeK