近年、海外での再評価が進む細野。そんな状況の中で実施された初めてのニューヨーク公演のチケットは即日完売で、さらに前日には同会場で追加公演が組まれるなど、現地での期待感の高まりは十分と言えるものに。当日は開場と同時にスタンディングのフロアを埋めていく20~30代の若い観客の姿は現地の熱を感じさせるもので、日本人の姿は見たところわずか。開演20分前には、フロアにはもう立錐の余地もないほどの盛況となった。
ショーン・レノンによるDJパフォーマンスのあと、まずバンドメンバーがステージに上がると、ライブは「Si Tu Vois Ma Mere」で幕開け。バンドメンバーたちの高らかな口笛の音に乗って細野が現れるとGramercy Theatreは大きく沸き、続く「Tutti Frutti」の跳ねるビートが会場を揺さぶる。GIBSONのニック・ルーカスモデルを爪弾く細野の歌声は、いつにも増してに艶っぽく響いていた。細野は会場に「Hosono!」の掛け声が飛ぶ中、英語のMCで「Sorry, About the rain」と言って街に降り出したいきなりの雨を詫び、オーディエンスの笑いを誘う。その後「緊急地震速報、緊急地震速報」という警告音を唐突にiPhoneで響かせてから、緊迫感あふれる「Radio Activity」の演奏に移る。また最新アルバム「HOCHONO HOUSE」に収録された新アレンジの「薔薇と野獣」が始まった瞬間には、ひときわ盛大な歓声が上がった。現地のオーディエンスは、「住所不定無職低収入」「CHOO CHOO ガタゴト」といった「HOCHONO HOUSE」収録曲に対する反応もビビッドで、この日の観客が伝説的な日本人アーティストであると同時に、現在進行形の優れたミュージシャンとして、細野を捉えていることを感じさせていた。
メンバー紹介を経てのライブの後半は、“トロピカル3部作”の「Roochoo Gumbo」「北京ダック」「香港Blues」を皮切りに、カントリー、ブギウギの軽快な楽曲でオーディエンスを歓喜に包んでいく。中でも欧米ではっぴいえんどの「風をあつめて」と並び高い人気を誇る「Sports Men」は、盛大な、割れんばかりの拍手で迎えられた。演奏中、観客たちは両手を広げ、何度も手のひらを打って喜びを表現。さらに「Cow Cow Boogie」へのリアクションも同じような熱気を帯びていた。そして「Ain't Nobody Here But Us Chickens」「Pom Pom 蒸気」「Body Snatchers」「The House Of Blue Lights」と畳みかけるラストは飛沫を上げるようなスリリングな演奏で、会場に最高潮の興奮をもたらした。
アンコールでは、再びステージに登場した細野が「ゲスト、
細野晴臣「Haruomi Hosono Gramercy Theatre」5月29日 アメリカ・ニューヨーク Gramercy Theatre セットリスト
01. Si Tu Vois Ma Mere
02. Tutti Frutti
03. Down The Road A Piece
04. Back Bay Shuffle
05. Radio Activity
06. 薔薇と野獣
07. 住所不定無職低収入
08. CHOO CHOO ガタゴト
09. Angel On My Shoulder
10. I'm A Fool To Care
11. Roochoo Gumbo
12. 北京ダック
13. 香港Blues
14. Sports Men
15. Cow Cow Boogie
16. Ain't Nobody Here But Us Chickens
17. Pom Pom 蒸気
18. Body Snatchers
19. The House Of Blue Lights
<アンコール>
20. 相合傘
21. ABSOLUTE EGO DANCE
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