前川清とハマケン&長岡亮介コラボ!エゴはリベンジ!福岡「CIRCLE」1日目

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5月18、19日に福岡・海の中道海浜公園 野外劇場でライブイベント「CIRCLE '19」が開催された。ここでは18日公演の様子をレポートする。

「CIRCLE'19」5月18日公演のEGO-WRAPPIN'のライブの様子。

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開場時の「CIRCLE '19」の様子。

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福岡の5月の恒例イベントとして定着した「CIRCLE」も、2012年の再開以降、8年連続の開催に。回を重ねるごとに出演アーティストも増えており、今回は2日間で計28組のアーティストたちが集結。それぞれがCIRCLE STAGE、KOAGARI STAGE、DJブースのKAKU-UCHI Annexという3つのステージにわかれ、各々の個性が光るパフォーマンスを繰り広げた。雨の予報となった18日の天候はときおり小雨に見舞われるも大崩れはなく、来場者たちはお酒やフードに舌鼓を打ちながら、音楽漬けの1日を満喫していた。

ZOMBIE-CHANG

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ZAZEN BOYS

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D.A.N.

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KOAGARI STAGEのトップバッターは「CIRCLE」初登場のZOMBIE-CHANG。サポートのリズム隊を率いた彼女はシンセ、サンプラー、ギターを使い分けながら、「GOODBYE MY LOVE AND TURN AROUND」「レモネード」「I CANʼT GET TO SLEEP」など計8曲をパフォーマンスし、ポップでキュートな自身の世界観を魅力たっぷりに伝えていった。また「おはようございます!」「 朝からみんな元気ですね!」と笑顔を振りまくMCでもオーディエンスのテンションを高め、イベントのスタートをさわやかに彩った。CIRCLE STAGEの一番手はZAZEN BOYS。フロントマンの向井秀徳(Vo, G)はこれまで、向井秀徳アコースティック&エレクトリックやKIMONOSなどで出演してイベントを盛り上げてきたが、ZAZEN BOYSとしての出演は初めて。バンドは「Himitsu Girl's Top Secret」「Weekend」など、厳つい演奏と息ぴったりのアレンジが魅力の楽曲を次々と繰り出していく。一方で、「天気が濁っているのは私の心が濁っているからではありません」と向井節の効いたMCで笑いを誘うなど、短い時間の中にバンドの魅力を濃密に詰め込んでいた。2回目の「CIRCLE」出演となったD.A.N.は、「Chance」「SSWB」など人気曲を中心に全5曲のセットリストを展開。ひんやりとした質感のサウンドによるオリジナリティの高い世界観を表現して、オーディエンスの体をゆったりと揺らしていた。

ペトロールズ

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Buffalo Daughter

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ハナレグミのライブの様子。

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2015年から連続出演中のペトロールズは、「止まれ見よ」を演奏しながらの“音合わせ”ののち、長岡亮介(G, Vo)が「やりますよー」とユルく呼びかけて本格的にライブをスタートさせた。本編では「闖入者」「表現」「KA・MO・NE」など人気曲を次々プレイ。彼らの魅力の数々を、計9曲に凝縮した。KOAGARI STAGEに機材をずらりと並べたBuffalo Daughterは、大野由美子(B, Vo, Electronics)、シュガー吉永(G, Vo, TB-303)、山本ムーグ(Turntable, Vo)というオリジナルメンバーに、松下敦(Dr)と奥村健(Perc, Computer, etc)を加えた5人編成で登場。分厚いロックサウンドに山本がシャウトを轟かせる「Mutating」、テクノトラックに大野と吉永が美しい歌声を重ねる「Gravity」などで、独自性の高いミクスチャー感を示していった。最後は代表曲「Pshychic a go-go」をプレイして、場内にカオティックな雰囲気を生成。含蓄を感じさせるパフォーマンスと幅広い音楽性を見せつけた。こちらも常連であるハナレグミは、永積崇、伊藤大地(Dr / グッドラックヘイワサンフジンズほか)、伊賀航(B)、YOSSY(Key, Cho / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)、石井マサユキ(G / TICA)という最近おなじみのバンドでライブに臨んだ。彼らは序盤から「My California」「ブルーベリーガム」で優しく音を重ね、午後の野外にぴったりの雰囲気を作り上げていった。またこの日は、高野寛「hibiki」やORIGINAL LOVE「接吻 Kiss」、トッド・ラングレン「Hello it's me」とカバー曲も大充実。選曲とアレンジの妙で福岡の音楽ファンを唸らせた。最後は「家族の風景」「サヨナラCOLOR」を観客と大合唱し、イベント常連としての凄みすら感じさてステージをあとにした。

在日ファンク

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左から、長岡亮介(ペトロールズ)、浜野謙太(在日ファンク)、前川清。

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toe

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在日ファンクは、KOAGARI STAGEにあふれんばかりの観客を集めてライブをスタート。そろいのスーツでスタイリッシュに決めるおなじみのスタイルで、一体感のある演奏を展開していった。浜野謙太(Vo)のダンスやマイクパフォーマンスはこの日も切れ味が鋭く、多くのオーディエンスの体を揺らしていた。「CIRCLE」初日のラインナップの中でひときわの注目を集めたのは、ロックフェス初登場となった前川清。彼は鈴木正人(B / LITTLE CREATURES)、高田漣(G)、坂田学(Dr)、松本圭司(Key)、渡邊恭一(Sax)という強力なミュージシャンをバックバンドに従えてステージに登場すると、いきなり代表曲「長崎は今日も雨だった」を披露して観客を驚かせた。「フェスに出れるなんて夢のよう」と語る前川は、糸井重里と坂本龍一が作った「雪列車」や、糸井作詞による新曲「初恋 Love in fall.」、若い頃に佐世保の米軍基地でよく耳にしていたというエルヴィス・プレスリー「Blue Suede Shoes」やレイ・チャールズ「Unchain My Heart」のカバーなどを披露して、シンガーとしての幅の広さを知らせていく。「Unchain My Heart」の演奏時には、コーラス隊としてペトロールズの長岡亮介と在日ファンクの浜野謙太をステージに招き入れ、この日限りのコラボレーションを展開。大いに観客を喜ばせていた。また、これまでのキャリアで磨き上げられた話芸も秀逸で、バンドメンバー紹介の際には「メンバーの皆さまを紹介したいと思っている訳ですけども……ここにカンペが用意されておりまして。と言いますのも、私、お会いしたのが2回目でありまして、名前をほとんど覚えてございません(笑)」、ハマケンとの絡みでは「すごい人気があるんですね」「いやあ、昔はテレビがあって、そこから人気が出たりしていたんです。今はもう時代が違って。いきなり人気が出たりするんですか?」と質問してハマケンを困惑させるなど、前川が話すたびに場内には爆笑が湧き上がっていた。そしてラストは「東京砂漠」「そして、神戸」という大ヒット曲の2本立てに。持ち前の歌唱力を存分に見せつけたのち、「明日からまた、70、80(歳)のおじいさんやおばあさんと仕事です。でも、それもまた夢であります」と話して、初のロックフェス出演を大成功で終わらせた。「CIRCLE」初登場のtoeは、バンドの魅力であるエモーショナルなパフォーマンスをしっかりと表現。序盤から最後まで、繊細に音を紡ぐ弦楽器隊のアンサンブルと、柏倉隆史(Dr)の迫力あるドラミングで観客を圧倒した。なお夕暮れの時間帯に披露された代表曲「グッドバイ」は、この日のKOAGARI STAGEのハイライトと言えそうな名演で魅せ、同ステージのトリの役目をしっかりと果たしていた。

EGO-WRAPPIN'

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EGO-WRAPPIN'のライブの様子。

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EGO-WRAPPIN'

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CIRCLE STAGEの初日のトリを務めたのは、中納良恵(Vo)の声帯炎により、不本意ながらも昨年「CIRCLE」の連続出演記録が途絶えたEGO-WRAPPIN'。細野晴臣と並んで“「CIRCLE」の顔”と言える存在の彼らにとってリベンジマッチは、5月22日に9thアルバム「Dream Baby Dream」の発売を控える絶好のタイミングとなった。この日は、中納、森雅樹(G)に加え、山口とも(Dr)、icchie(Tp / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)、武嶋聡(Sax, Fl)、滝本尚史(Tb)、トウヤマタケオ(Key)、清水恒輔(B / mama! milk)というバンドメンバーに。「Dream Baby Dream」の制作にも深く関わった面々が参加した、新鮮なメンバー編成でのパフォーマンスとアレンジも大きな見所となった。

KOAGARI STAGEでtoeの演奏が終わると、会場中からCIRCLE STAGEにどんどん人が流れていき、エゴのライブ直前にはステージ前は身動きが取れないほどに観客がびっしりと詰めかけた。その中に登場したバンドが1曲目にオーディエンスに届けたのは、ドラマチックなバラードナンバー「Fine Bitter」。エゴのライブでおなじみの工事灯がステージ中央でぼんやりと光を発する中、中納の歌声が夕暮れ時の野外に響きわたり、1曲目からすでに感動的な雰囲気が生み出されていった。またMCでは、客席から「待ってたよー!」と声をかけられ中納が照れる場面も。さらに中納は「今日も最後まで、愛の大渋滞ですよ、これ。愛の大混雑」「そんな愛で、みんなをいっぱい包んだろかなと思っています」と話し、野外フェス映えのする人気曲「a love song」をプレイ。この日を象徴するような時間を作り出していた。

またこの日のセットリストは1曲目以降、アグレッシブなナンバーが次々と投下されるものに。中盤に「a love song」「色彩のブルース」が続いてクールダウンできるブロックも設けられたものの、その後は「Nervous Breakdown」「サイコアナルシス」が連続で演奏されるなど、“野外のエゴの真骨頂”とでも言わんばかりの畳みかける内容で、オーディエンスのテンションを最高潮に導いていく。本編最後には、「Dream Baby Dream」に収録される「CAPTURE」をいち早く披露したのち、ラストに「くちばしにチェリー」を演奏して爆発的な盛り上がりを作り出した。さらに客席の熱が冷めやらぬままに始まったアンコールでは、「Dream Baby Dream」から「裸足の果実」が演奏されたほか、「サニーサイドメロディー」をバンドアレンジでプレイ。「CIRCLE」初日のラストをピースフルな雰囲気で包み上げ、大きな拍手とたくさんの笑顔に見送られながら、ステージをあとにしていた。

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写真提供:CIRCLE

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東京事変・長岡亮介情報@浮雲ch @UKIGMOch

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