首だけの鳥が「Solitude HOTEL」の世界へ招待、ブクガの人見記念講堂ワンマン

Maison book girlのワンマンライブ「Solitude HOTEL 7F」が昨日4月14日に東京・昭和女子大学人見記念講堂で開催された。

ニューシングル「SOUP」の発売を記念し、3月からワンマンツアー「Maison book girl tour 2019 spring」を実施してきたブクガ。「Solitude HOTEL 7F」はこのツアーのファイナル公演として行われた。

美しいピアノのSEが流れるとステージ上に赤い布が4本天井から吊り下げられていき、それに合わせてメンバーもステージに登場。まずはシングル「SOUP」の収録曲「長い夜が明けて」が披露された。ところが終盤に入ると、ブレイクの部分でそのまま曲が終了。赤い布は撤去され、ステージ後方に“首だけの鳥”の姿が投影された。この“首だけの鳥”はライブ中幾度か登場し、「首の無い鳥」「小さな部屋に閉じ込められた少女」「夢」「鯨」など、これまでブクガが発表してきた作品や楽曲のテーマを連想させる物語を語ることで、ワンマンをミステリアスに演出した。

「長い夜が明けて」以降、ブクガは真っ赤な平原の映像をバックに踊った「狭い物語」、多数の照明がステージをきらびやかに彩られた「karma」など、さまざまな舞台演出を駆使したパフォーマンスを展開した。それまでは曲が終わっても、ほとんど拍手がないほど会場は緊張感に包まれていたが、「snow irony」で矢川葵がコール＆レスポンスを催促すると、フロアからは熱い歓声が飛び交うようになった。ライブ中盤は「bath room」「cloudy irony」といった活動初期から中期の楽曲が立て続けに用意される中、「言選り」ではメンバーの姿をリアルタイムで正面から撮った映像と、過去のライブ映像をミックスしてステージ後方に上映。続く「おかえりさよなら」もリアルタイムの映像が使用していると思いきや、曲の最後でメンバーが振り返ると、映像に映る自分と対面。楽曲のタイトルに合わせ、自分に向かって手を振る、というパフォーマンスを見せた。

ライブも終盤に入り、「夢」では各メンバーがそれぞれ異なる過去衣装に着替えて登場。この楽曲が後半に差し掛かると、1階席が大量のスモークで覆われていった。しばらくしてステージが見えるようになると、そこにはメンバーはおらず、4本の赤い布が再び吊るされていた。メンバーが舞台に戻り、本編最後の楽曲「鯨工場」に入ると、ステージを大きくはみ出すようにマーブリングの様子が映し出される。このマーブリングでは真っ赤な水が使われ、ステージ上の赤い布がまるで水滴のように見える演出が施された。

アンコールの冒頭を飾ったポエトリーリーディング「まんげつのよるに」では、水中をイメージさせるマーベリングが投影され、4人が読み聞かせる物語を幻想的に表現。途中コショージメグミが1人になると、彼女は声を振り絞ってシャウトし、その場に座り込む。その後矢川、井上唯、和田輪がステージに復帰すると、3人はコショージの隣に座ってリーディングを行った。最後の「長い夜が明けて」は1回目では歌わなかった、ラストのパートまでフルサイズで披露。ステージは照明トラスが床付近まで降ろされ、背景には青画面に「入力ソース：映像信号が入力されていません」という映像が映し出されていた。そして4人はパフォーマンスを終えると、淡々とした様子でステージをあとにした。

ブクガは本公演内で、7月末にニューシングル「そして宇宙の宿り」（仮）をリリースすることを発表。併せて6月からライブツアー「Maison book girl LIVE HOUSE TOUR 2019」を行うこともアナウンスした。ツアーのチケットは4月26日12:00からイープラスで販売がスタートする。