フレデリック、満員COASTで遊び尽くした「フレデリズム」ツアー初日

フレデリックのライブツアーシリーズ「FREDERHYTHM TOUR 2019-2020」の幕開けを飾る単独公演「FREDERHYTHM TOUR 2019～夜にロックを聴いてしまったら編～」が、昨日4月13日に東京・新木場STUDIO COASTで行われた。

2ndフルアルバム「フレデリズム2」を携え、来年2月24日開催の神奈川・横浜アリーナ公演まで全5シーズンに分けてツアーを展開するフレデリック。ロングツアーのキックオフ公演となった昨日のライブは、メンバー4人の気合いがほとばしる一夜となった。

開演時刻を迎え、ゆっくりとステージを覆っていた幕が開くと、ツアーロゴを描いた巨大なバックドロップが観客の目の前に現れる。軽妙なビートのSEに合わせてクラップが起きる中で登場したメンバーは、レーザー光線を使ったド派手な演出を交えた「LIGHT」でいきなり満員のフロアのテンションを引き上げた。間奏で三原健司（Vo, G）は、ソロ回しを誘導しながら三原康司（B, Vo）、赤頭隆児（G）、高橋武（Dr）を順番に紹介。さらに客席をしっかり見渡し、手を挙げ熱狂するオーディエンスに向かってひとつ頷いてみせた。

序盤のブロックで4人は「リリリピート」「TOGENKYO」「スキライズム」というダンスチューンを、曲のイメージに合わせた艶やかなライティングと共にシームレスに披露。一気にフロアの熱気を高めたところで、今度はステージだけでなくフロア全体をスモークで覆う演出を交え「うわさのケムリの女の子」という懐かしい1曲をパフォーマンスした。その後も彼らは最新作の楽曲を生でプレイするだけでなく、過去の楽曲にアレンジを施し新鮮な形でオーディエンスに届けていく。また中盤では「FAB!!～Frederic Acoustic Band～」のコーナーも設け、「シンセンス」「かなしいうれしい」という「フレデリズム2」からの楽曲をアコースティックアレンジで丁寧に奏でた。

健司の「まだまだ遊ぼうぜ」という煽りを口火に、ライブは後半戦に突入。ファンクテイストのサウンドに乗せて健司が挑発的にラップをする「まちがいさがしの国」から、4人は「オワラセナイト」「オドループ」というキラーチューンを叩き込み、会場を狂騒状態へと導く。さらに「『フレデリズム2』を体感しませんか？」と健司が呼びかけ、今度はダンサブルな「逃避行」、ギターロック的なアプローチを聴かせる「エンドレスメーデー」と最新曲を堂々と奏でた。4人の盤石の演奏と、楽曲の世界観を十二分に引き立てる演出の数々からは、しっかりとリハーサルを重ねこの日のに臨んでいることを伺わせた。息をつかせぬ間もなく、本編は「飄々とエモーション」でクライマックスへ。スケール感に満ちたバンドサウンドがオーディエンスの合唱と融合し、強力な一体感が会場を包み込んだ。

アンコールを飾ったのは、ライブのサブタイトルにもなっている「夜にロックを聴いてしまったら」と、観客との再会を誓うような「ハローグッバイ」の2曲。2時間弱のパフォーマンスを終えた4人は充足した表情を浮かべながら深々と一礼をすると、「また会いましょう」という言葉を残してロングツアーの初日を終えた。