星野源、33万人動員5大ドームツアーで見せた「POP VIRUS」の世界

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星野源の5大ドームツアー「星野源 DOME TOUR 2019『POP VIRUS』」が、昨日3月10日に福岡・福岡 ヤフオク! ドームにてファイナルを迎えた。

星野源(撮影:岸田哲平)

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「Week End」を歌う星野源。(撮影:岸田哲平)

「Week End」を歌う星野源。(撮影:岸田哲平)[拡大]

2月2日の大阪・京セラドーム大阪公演を皮切りにスタートした「星野源 DOME TOUR 2019『POP VIRUS』」は、星野にとって初の5大ドームツアー。チケットは全会場即日完売し、全8公演で33万人を動員した。ツアーファイナルの福岡 ヤフオク! ドーム公演には3万5000人が来場し、さまざまなアイデアが盛り込まれた約3時間にわたるステージを楽しんだ。

開演時刻になり、1人でセンターステージに現れた星野は最小限の照明の中でギターを爪弾きながら、1stシングル「くだらないの中に」の収録曲「歌を歌うときは」を歌い始める。2曲目「Pop Virus」からは、バンマスの長岡亮介(G / ペトロールズ)を筆頭に、石橋英子(Key, Marimba)、河村“カースケ”智康(Dr)、ハマ・オカモト(B / OKAMOTO'S)、櫻田泰啓(Piano, Key)、武嶋聡(Sax, Flute)、村上基(Trumpet / 在日ファンク)、東條あづさ(Trombone)、岡村美央(Violin)、伊能修(Violin)、菊池幹代(Viola)、村中俊之(Cello)、そしてMPCプレイヤーのSTUTSからなるバンドが合流。徐々にサウンドは華やかになり、巨大なビジョンに星野の姿が大写しになると、3万5000人の大歓声が湧き上がる。星野が「みんな、歌おう!」と呼びかけると、観客は手拍子をしながら星野と一緒に「ラララ」と歌った。

「桜の森」を歌う星野源。(撮影:岸田哲平)

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バンドが鳴らす轟音から始まった「地獄でなぜ悪い」では星野が「こんばんは! 星野源でーす!」「ひさしぶり、福岡ー!」とファンと会えた喜びを爆発させる。躍動感のあるバンドサウンドに乗って星野はステージを跳ね回るように歌い、バンドメンバーと向き合ってパフォーマンスしたり、肩を抱いたりと仲のよさを見せた。芳醇なホーンサウンドが彩る「Get a Feel」ではハマと長岡がジリジリと歩み寄って星野を挟み、2人の距離に思わず星野は「今日は近い!」と声を上げた。「桜の森」では星野のギタープレイも冴え渡り、ハマと向き合って熱演を繰り広げるシーンも。ミニマルなビートの上でカルテットの優雅なフレーズとエレピサウンドが絡み合う「肌」では、星野の艶っぽい歌声がドームいっぱいに響いた。

「Pair Dancer」のパフォーマンスの様子。(撮影:楢﨑真也)

「Pair Dancer」のパフォーマンスの様子。(撮影:楢﨑真也)[拡大]

STUTSが繰り出すトラップ風のビートが印象的な「Pair Dancer」では、「恋」の振付も担当した演出振付家MIKIKO率いるELEVENPLAYのメンバーが“ペアダンサー”となって踊り、楽曲の世界観を表現。星野とバンドメンバーのコーラスで掛け合うミドルチューン「Present」で会場を感動的な空気で包み込んだあと、星野は福岡の思い出を語る。星野はSAKEROCK時代に博多百年蔵という酒造で初めて福岡でのライブを行ったこと、ソロとしてはライブハウス・BEAT STATIONで200人の観客を前に行ったライブが初めてだったことを明かし「今回、即日完売で3万5000人。本当に感慨深い。すごいよね」としみじみ述べた。

「ドラえもん」を歌う星野源。(撮影:楢﨑真也)

「ドラえもん」を歌う星野源。(撮影:楢﨑真也)[拡大]

星野が“星P”として出演するNTTドコモのCMシリーズ「星プロ」のCMソング「サピエンス」では、ダンサーのパフォーマンスが華やかにステージを彩る。星野の「助けて! ドラえもーん!」の声から始まった「ドラえもん」では、ダンサーを引き連れた星野がセンターステージまで移動し、ドラえもん愛あふれるあのメロディを観客と共に歌った。恒例の星野と縁の深い“一流ミュージシャン”からのコメント動画のコーナーでは、BARBEE BOYSに扮した椿鬼奴とレイザーラモンRG、井上陽水に扮した神無月、赤えんぴつ(バナナマン)からのビデオメッセージが紹介され、会場が笑いに包まれた。

コメント動画の上映が終わると、スポットライトがふいにアリーナ後方のカメラが設置されたブースを照らす。なんとそこにはカメラクルーに扮した星野の姿が。「客席の中で歌ってみたい」という思いがあったという星野は、その場にマイクを1本立て、2010年発売の1stソロアルバム「ばかのうた」の収録曲「ばらばら」を弾き語りで披露した。星野がセカンドステージに移動する間、先にスタンバイしたSTUTSが星野の楽曲をサンプリングして作ったトラックを流しながらMPCをプレイ。星野とバンドメンバーがそこに合流し、セカンドステージでのパフォーマンスが始まった。

星野、石橋、長岡、カースケ、ハマ、櫻田、STUTSは中央に向き合って、リズム楽器の“バトル”が白熱する「KIDS」でライブを再開。「プリン」では間奏部分でハマを中心にフリートークを展開し、星野はステージ上に寝転んだり、メンバーの即興演奏でカラオケを披露したりと、自由なステージでアットホームな空気を作り上げた。バンドセットで「くせのうた」を届けて、セカンドステージでのパフォーマンスは終了。再び“一流ミュージシャン”からのコメント動画が上映され、ビヨンセに扮した渡辺直美、マンガ喫茶でバイト中の雅マモル(宮野真守)とウソノ晴臣(ハマ・オカモト)が星野へエールを送った。

「恋」を歌う星野源。(撮影:岸田哲平)

「恋」を歌う星野源。(撮影:岸田哲平)[拡大]

メインステージに戻った星野は、石橋の奏でるマリンバと長岡のパワフルなギターのサウンドが印象的な「化物」で勢いよくライブ後半戦をスタートさせる。星野、ダンサー、3万5000人が“恋ダンス”を踊った「恋」、シンガロングとクラップで会場に一体感が生まれた「SUN」が終わると、星野はアルバム「POP VIRUS」の中で大事な楽曲だという「アイデア」について語る。「一昨年の暮れ頃に作り始めてですね、すべてを録音できたのが初夏ぐらいだったと思います。そのときの自分の気持ち……うれしいこと、本当にクソみたいだなと思うこと、悲しいこと……そういうものを全部音楽にしたいという気持ちがあった。ここ日本で生まれ育って東京にいる自分が、世界のどこに持っていっても恥ずかしくないような自分の音楽を作りたいと思って、今までやったことがないことにチャレンジしたのが『アイデア』でした」と話し、その「アイデア」が大きな反響を集めたことで、自信を持って「POP VIRUS」の制作に取り掛かることができたと明かした。

そんな思いが詰まった「アイデア」では、弾き語り部分になると星野が1人センターステージへと移動。弾き語り部分を歌い終えたあとは、セグウェイでメインステージに戻って行き、再び歌い始めると銀テープがステージから発射された。続く「Week End」では星野が花道を歩いてシンガロングを煽り、イヤモニを外して観客たちの声を聞きながらうれしそうに踊る。星野流のアンコールの説明がされたあと、本編ラストナンバーとして届けられたのは「Family Song」。温かな歌声を届けた星野は深くお辞儀をして、ステージを下りた。

「Hello Song」を歌う星野源。(撮影:岸田哲平)

「Hello Song」を歌う星野源。(撮影:岸田哲平)[拡大]

「星野源のオールナイトニッポン」でおなじみの放送作家の寺坂直毅(途中からCV:山寺宏一)は曲振りで、ステージに登場したのは星野扮する“ニセ明”。2014年の日本武道館でのワンマンライブ以降、単独公演のアンコール1曲目として恒例となっているニセのステージだが、今回はハマ扮する“ウソノ晴臣”も参戦することに。ニセがウソノを引き連れセンターステージで「君は薔薇より美しい」を歌っていると、なんとメインステージに星野がダンサーを引き連れて登場し、会場がどよめく。星野はそのまま「君は薔薇より美しい」を歌い、まさかの事態にうろたえるニセとウソノと合流すると、3人でポーズを決めた。ウソノは「こんなにたくさん人が集まって本当に感動的な景色だと思うよ。皆さん今後も星野源くんをよろしくお願いします!」とメッセージを送り、バイトがあるため帰宅。センターステージで星野はニセと2人でトークを展開。ニセの正体は三浦大知のライブなどでダンサーを務めるShingo Okamotoで、声はSTUTSがMPCを駆使して出していたことが判明した。ニセが星野に「いいツアーだったね」と声をかけると、星野は「いいツアーだったんですよ。お客さんと心の距離がすごく近くて」とうれしそうに話す。終わりのない2人のおしゃべりにしびれを切らした寺坂(CV:山寺宏一)はバンドメンバーとELEVENPLAYを紹介。その間、ニセと星野はステージ上で丸テーブルを囲んでトランプのスピードで遊んでいた。

メンバー紹介が終わったあと、星野は「時よ」を披露。ニセとシンメトリーになってダンスを踊ると、会場から大歓声が湧き上がった。ニセを見送ると星野は「初めて福岡にきたときはこういう景色が見れるとは思っていませんでした。いい景色なんですよ。知り合いからも『ドームは大変だよ』『遠いよ』『寂しいよ』とか言われたんですけど、どのドームでも寂しかったことはまったくなくて。どこも温かくて、みんなの距離が近い本当に素晴らしいドームライブだったと思います」とドームツアーを振り返る。そして寺坂の口上から「Hello Song」を披露し、曲中で星野は「ありがとう! 毎日は本当につらいけど、また会うときは笑顔で会いましょう! ありがとう! 星野源でした」とファンへメッセージを送った。ダンサー陣やスタッフ陣を改めて紹介したあと、星野はBGMとして流れていた「Pop Virus」をそのまま歌い、「星野源 DOME TOUR 2019『POP VIRUS』、おしまーい!」とパフォーマンスを締めくくる。最後にステージから記念撮影をして、200人以上いるというスタッフ、来場者に感謝の言葉をかけた星野は「星野源でした! ありがとう! また会いましょう!」と再会を誓い、自身初のドームツアーの幕を下ろした。

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星野源「星野源 DOME TOUR 2019『POP VIRUS』」2019年3月10日 福岡 ヤフオク! ドーム セットリスト

01. 歌を歌うときは
02. Pop Virus
03. 地獄でなぜ悪い
04. Get a Feel
05. 桜の森
06. 肌
07. Pair Dancer
08. Present
09. サピエンス
10. ドラえもん
11. ばらばら
STUTS SHOW~
12. KIDS
13. プリン
14. くせのうた
15. 化物
16. 恋
17. SUN
18. アイデア
19. Week End
20. Family Song
<アンコール>
21. 君は薔薇より美しい
22. 時よ
23. Hello Song

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