Salyuと小林がオーケストラコンサートを行うのは2016年6月以来およそ3年ぶり。今回2人は栗田博文の指揮のもと神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共にコンサートを進行した。
「to U」をオーケストラアレンジしたインストゥルメンタルナンバー「Overture to U」で場内が厳かなムードに包まれたのち、Salyuと小林が登場し、ライブは「VALON-1」で幕開け。ピアノとオーケストラのきらびやかな演奏に乗せ、Salyuは生命力あふれる力強い歌声を場内に響かせる。さらに小林が刻むピアノが盛り上げた「be there」、Salyuがドレスを握りしめてエモーショナルに歌い上げた「name」、優しい歌声が印象的なLily Chou-Chou名義の「エロティック」など、Salyuと小林はさまざまな表情を見せながら観客を楽曲の世界へと誘った。「アラベスク」を歌い終えると、Salyuは「ここからは小林武史さんのピアノ協奏曲の世界をお楽しみください」と言い残し、ステージを去る。そして小林はオーケストラと共に「『円奏の彼方』の第4楽章」「Theme of YEN TOWN」の2曲を情感たっぷりに演奏した。
休憩時間を挟み、第2部の冒頭に届けられたのはラヴェルのピアノ曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」。通常はピアノが奏でるメロディを、Salyuが深みのあるハミングでなぞり観客を驚かせた。2部は「再生」「風に乗る船」といった明るい楽曲が並び、Salyuは通常よりもゆったりしたテンポにアレンジされた豊潤なアンサンブルに乗せて、たおやかな歌声を響かせた。ひと呼吸置くとSalyuは「この大きなサウンドの空間をオーケストラとピアノの音色と歌で築かせていただくことができ、本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と満ち足りた表情で述べ、壮大な「コルテオ ~行列~」で華やかなフィナーレへ。最後にSalyuのアカペラから始まる「to U」が届けられ、場内は柔らかな空気で満たされた。
アンコールではSalyuがラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」をボーカルアレンジしたことなどを例に挙げながら、3度目となる今回のクラシックコンサートについて「初めての試みにも挑戦することができました」「新しいクラシックスライブを作ることができて楽しかったです」と振り返る。そして少しリラックスした様子でオーケストラの演奏に身を委ねながら「THE RAIN」を歌唱したのち、「自分の音楽人生において節目になるような1日になりました。また明日から新しい気持ちで精進していきます」と決意を語り、「Lighthouse」で自身3度目となるオーケストラコンサートの幕を下ろした。
billboard classics Salyu with小林武史 premium symphonic concert 2019 -Valentine's Special-
2019年2月16日 Bunkamuraオーチャードホール セットリスト
01. Overture to U
02. VALON-1
03. プラットホーム
04. be there
05. name
06. エロティック
07. アラベスク
08. 「円奏の彼方」の第4楽章
09. Theme of YEN TOWN
10. ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
11. 再生
12. landmark
13. 風に乗る船
14. コルテオ ~行列~
15. to U
<アンコール>
16. THE RAIN
17. Lighthouse
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めんぼう @menboulover
【ライブレポート】Salyu、小林武史&オーケストラとの3度目の共演は「音楽人生の節目に」 - 音楽ナタリー https://t.co/2HbFehhQWg