MIYAVIがSKY-HIと熱い“対戦”、変わらぬ思い誓った名古屋の夜

MIYAVIが昨日12月19日に愛知・DIAMOND HALLで東名阪ツアー「SAMURAI SESSIONS vol.3 Release Tour "Before Worlds Collide"」の最終公演を実施した。

今回のツアーはMIYAVIが最新アルバム「SAMURAI SESSIONS vol.3 - Worlds Collide -」を携えて行ったもの。2012年、2017年にリリースされ話題を呼んだ“対戦型コラボレーションアルバム”第3弾となる本作には、俳優のサミュエル・L・ジャクソン、ダックワース、ボック・ネロ、ヌーズ、ショーン・ボウ 、ベティー・フー、アール・エー・シー、ミッキー・エッコ、ガラント、ユナといった海外勢との楽曲、KREVA、三浦大知、AK-69、シシド・カフカ、加藤ミリヤの国内アーティストとのコラボナンバー、1998年に急逝したhide（X JAPAN、hide with Spread Beaver、zilch）の代表曲「ピンク スパイダー」のリミックスバージョンも収められている。

開演時刻を迎えると、ステージとフロアを隔てる紗幕にMIYAVIのシルエットが。サミュエルが彼の名を叫ぶ「Worlds Collide（Intro）」の曲中で紗幕が落ちると、MIYAVIがステージに姿を現す。続く「Rain Dance」で彼はシャウトをしたり、お立ち台の上で体をのけぞらせてギターを弾いたりと、早くもアグレッシブなパフォーマンスを展開。ダンサブルな「Flashback」、スリリングなギターサウンドが刺激的な「In Crowd（Remix）」でオーディエンスのジャンプを誘ったあと、「Our Love」ではアコースティックギターをメインに切なさのにじむフレーズを奏でた。

ライブの中盤には「SAMURAI SESSIONS vol.2」でタッグを組んだSKY-HIが登場。「Gemstone」で彼は「かかってこいよ、名古屋！」と観客を煽り、MIYAVIに挑むような目つきでラップを繰り出した。続く「Strong」では、MIYAVIの疾走感のあるギタープレイとSKY-HIによる高速ラップが絡み合い、会場のボルテージがたちまち上昇。熱気に満ちたステージで2人は固い握手を交わし、互いのパフォーマンスを称え合った。

ここで「尊敬するアーティストの曲をやります」と前置きし、MIYAVIが披露したのは「Pink Spider（Remix）」。時折天を仰ぎ見ながら、情感を込めて楽曲を歌い上げた。「Ha!」でサポートメンバーのBOBO（Dr）と華麗なセッションを繰り広げた彼は、雅-miyavi-時代の「咲き誇る華の様に -Neo Visualizm-」でムーディなギターフレーズと艶のある歌声を届ける。そしてMIYAVIは真剣な面持ちで「スタイル変われど格好が変われど年もとれど、胸の奥にあるものは変わらない。同じ熱量で音楽を作ってます」と思いを口にし、難民キャンプでの体験をもとに制作した「Long Nights」をエモーショナルにパフォーマンスした。ライブの終盤には「ぶっ壊せよ！ 揺らせ名古屋！ 本気見せてくださいよ！」とオーディエンスを焚き付け、「Raise Me Up」「Day 1」「Dancing With My Fingers」とアッパーチューンを投下。スケール感のある「Real?」で高らかな歌声を響かせ、本編の幕を下ろした。

アンコールでMIYAVIは「今回のアルバムでの素晴らしいアーティストとのコラボレーションを経て、この先ソロアルバムを作りたい。みんなの背中を押せるような歌を書きたいと思って曲作りをしています」と自らの近況を明かした。会場が歓喜の声で包まれる中、「Fragile」で彼はソフトなボーカルと繊細なギターサウンドを披露。最後に「What’s My Name?」で渾身のギタープレイを見せ、達成感に満ちた表情でファンとハイタッチを交わした。