2017年12月での台湾公演以来およそ1年ぶりとなったSalyuと小林の2人編成でのライブ。この記事ではかつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール公演の模様をレポートする。
拍手に迎えられステージに現れた2人は、薄暗い照明の中「コルテオ ~行列~」で静かにライブをスタートさせる。Salyuのライブの1曲目に「コルテオ ~行列~」が選ばれるのは今回が初。曲が進むにつれ、小林の伴奏もSalyuの歌声も熱を帯び、会場は荘厳な空気で満たされた。張り詰めた空気を緩ませるように小林が軽やかにピアノを奏でると、2人は朗らかに「新しいYES」「彗星」「HALFWAY」を届けていく。ピアノの伴奏のみというシンプルな構成ながら、Salyuが伸びやかに歌い上げたり、ささやくように歌ったりと、2人はさまざまな表情を見せていった。
4曲を終えたところでSalyuが「年末の素敵な時間にできればと思います」とライブへの思いを口にする。そして「ね?」と小林へ話を振ると、突然振られたことに小林が思わずツッコみ、場内は穏やかな笑いに包まれた。その後、小林はこの日のセットリストについて言及。「コルテオ ~行列~」を1曲目に演奏したことについて「1枚の絵を飾らせてもらうようなイメージ」と説明する。そして「ここからは皆さんを深いところへお連れしたい」と言いライブを再開。沖縄の古い言葉でつづられた「アラベスク」、妖艶な照明の中で届けられた「エロティック」、物悲しい旋律が印象的な「飽和」、次第に壮大さを増していく「飛べない翼」、そして感情的な流れを落ち着けるようにSalyuが深みのあるハミングを聴かせた「回復する傷」と、2人はLily Chou-Chouの楽曲を続け、場内を独自の世界観へと誘っていった。
小林がピアノソロでドビュッシーの楽曲群を情感たっぷりに聴かせたあと、ライブは後半戦へ。打ち込みのサウンドも使用した疾走感ある「夜の海 遠い出会いに」ではSalyuも立ち上がり、ソウルフルなボーカルで観客を惹きつける。かと思えば電子音を使用した「リスク」では裏声を多用してスリリングなムードを漂わせ、「landmark」ではどっしりとした低音でミステリアスな雰囲気を作り上げた。全身を使って伸びやかに「THE RAIN」「VALON-1」を歌唱したのち、Salyuは最後のMCヘ。「今夜は、音楽の素晴らしさ、感動、ときに厳しさ、美しさと、さまざまな音楽のリアルを皆さんと共に経験させていただき幸せです。これからもそれらを伝える力を付けていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします」と観客へ挨拶。そして「今年もいろいろなことがあったと思うんですけど、皆さんが前に進んでいくことを応援できる曲を授かっているので、最後にお届けして、今日のライブを終わりとさせていただきます」と言い、「to U」を語りかけるような優しい歌声で届けた。アンコールではSalyuが「『皆さんの日々が愛に恵まれる日々でありますように』という願いを込めて」と言い添え「Lighthouse」を明るく歌い上げて、温かなムードの中ライブを締めくくった。
なおSalyuと小林は2月16日に東京・Bunkamuraオーチャードホールにて、神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共にオーケストラコンサートを開催する。
「a brand new concert issue " minima " - ミニマ - Salyu × 小林武史 vol.4」
2018年12月14日 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール セットリスト
01. コルテオ ~行列~
02. 新しいYES
03. 彗星
04. HALFWAY
05. アラベスク
06. エロティック
07. 飽和
08. 飛べない翼
09. 回復する傷
10. 夢
11. 月の光
12. 夜の海 遠い出会いに
13. リスク
14. landmark
15. THE RAIN
16. VALON-1
17. to U
<アンコール>
18. Lighthouse
billboard classics Salyu with小林武史 premium symphonic concert 2019 -Valentine’'s Special-
2019年2月16日(土)東京都 Bunkamuraオーチャードホール
リンク
- Salyu
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【ライブレポート】Salyu、小林武史と共に作り上げた“年末の素敵な時間”(写真14枚) - 音楽ナタリー https://t.co/VDEpU6uhF4