矢野顕子、奥田民生&細美武士と熱唱した「さとがえるコンサート」東京公演

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矢野顕子が12月2日から11日にかけて年末恒例コンサート「さとがえるコンサート 2018」を開催。この記事では9日に行われた東京・NHKホール公演の模様をレポートする。

矢野顕子「さとがえるコンサート 2018」東京・NHKホール公演の様子。(Photo by Susie)

矢野顕子「さとがえるコンサート 2018」東京・NHKホール公演の様子。(Photo by Susie)

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矢野が11月にリリースしたコラボアルバム「ふたりぼっちで行こう」を携え、全国5都市で行われた今年の「さとがえるコンサート」。初日の埼玉公演と最終日の宮城公演には松崎ナオ(鹿の一族)、大阪公演には大貫妙子、愛知公演にはYUKI、そして東京公演には奥田民生と細美武士(the HIATUSMONOEYESELLEGARDEN)というアルバム参加アーティストがゲストとして登場した。

矢野顕子(Photo by Susie)

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ステージが明転すると鮮やかなピンクのスカートを揺らしながら矢野が姿を現す。中央でにこやかに一礼したのちグランドピアノに向き合った彼女は、バンドメンバーである佐橋佳幸(G)、小原礼(B)、林立夫(Dr)を1人ずつ呼び込み、大貫妙子のカバー「海と少年」でライブをスタートさせた。肩を交互に上げながらリズミカルに演奏を楽しんだ様子の矢野は、続いて「自転車でおいで」を歌唱。佐橋との息の合ったデュエットに観客は一気に引き込まれていた。

ここで矢野は「今年も『さとがえるコンサート』でNHKホールに戻ってこれて本当にうれしいです。皆さんようこそいらっしゃいました!」と改めて挨拶。そして「このあと宇宙ロケットを3基打ち上げようと思います。歌詞のどこかにロケットが出てくるわけです。皆さんきちんとシートベルトを締めてくださいね。いきますよー」とチャーミングに曲紹介をすると「When We’re In Space」「バナナが好き」「わたしと宇宙とあなた」を一気に披露する。3曲を歌い終えると打ち上げ音が鳴り響き、4人はロケットを見送る素振りを見せた。またアルバムでは平井堅とデュエットした「Smile」を、本公演では小原と歌うことに。矢野と小原による美しいハーモニーに大きな拍手が沸き起こった。

左から矢野顕子、細美武士。(Photo by Susie)

左から矢野顕子、細美武士。(Photo by Susie)[拡大]

休憩を挟み、再びステージに登場した矢野はカーリーヘアのウィッグと白いドレスに衣装チェンジ。「横顔」を弾き語りで披露したのち、1人目のゲストである細美を呼び込む。矢野と「When I Die」を力強く歌い上げた細美は「この曲大好きなんですけど、すごい歌詞ですよね」と話すと、矢野も「自分が書いたとはとても思えない。何を考えてたんでしょうね」と返して笑いを誘う。また細美が矢野の“ロケット推し”について言及し、「どうやら矢野さんは本気でISS(国際宇宙ステーション)に行くつもりですよ」と話すと、矢野も宇宙飛行士になるために水泳の特訓を独自に行っていることや、必要資格である大学卒業資格取得を目指すことなどを生き生きと語る。この矢野の熱意に感銘を受けた細美が「僕がZOZOの社長と仲良くなって矢野さんを連れて行くように頼みますから!」と熱弁するひと幕もあった。そして「やさぐれLOVE▼」を叫ぶように歌い上げた2人は喝采を浴びながらハグを交わした。

左から矢野顕子、奥田民生。(Photo by Susie)

左から矢野顕子、奥田民生。(Photo by Susie)[拡大]

細美がステージを降りると、2人目のゲスト奥田が呼び込まれる。奥田に「今日はなんか(僕に)合わせてくれてる」とカーリーヘアをつっこまれた矢野が「違います! これはそんなボブ・ディランを伸ばしたみたいな頭じゃなくて『トゥモロー、トゥモロー』のほうです」とミュージカル「アニー」の一節を歌うと、奥田は「ボブ・ディランを目指したけど、レキシにしかならなかった」とぼやいて会場の爆笑をさらった。コミカルなやりとりを繰り広げた2人は矢野のリクエストだという奥田の楽曲「フェスティバル」をセッション。さらに「ふたりぼっちで行こう」に収められた共作曲「父」をパワフルに演奏して、奥田とのコラボパートが終了した。

ライブ終盤で矢野は石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」を躍動感あふれるエネルギッシュなジャズアレンジで熱唱。アグレッシブな演奏に息を切らした彼女は「こんなことじゃ宇宙飛行士になれないわ」と冗談を飛ばしながら次の曲「ごはんができたよ」へ。客席から手拍子が沸き起こり会場が一体感に包まれる中、大ヒットナンバー「ひとつだけ」が丁寧に届けられ、本編が締めくくられた。

アンコールには矢野をはじめ、ゲストの奥田と細美、バンドメンバーの出演者全員が登場。奥田の「カンタンカンタビレ企画」から生まれた“ご当地替え歌”「トキオドライブ」シリーズに矢野も参加したことから、青森出身の矢野は津軽弁、広島出身の奥田は広島弁、そして小原が東京パートを担当し、3人ボーカルの特別バージョン「トキオ・アオモリ・ヒロシマ・ドライブ」を全員でセッションした。ゲストが降壇したステージで矢野は最後に「ラーメンたべたい」を披露。全21曲を披露した矢野とバンドメンバーが手をつないで一礼すると観客は総立ちとなり、熱狂の中で東京公演は幕が下ろされた。

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矢野顕子「さとがえるコンサート 2018」2018年12月9日 NHKホール セットリスト

01. 海と少年
02. 自転車でおいで
03. When We're In Space
04. バナナが好き
05. わたしと宇宙とあなた
06. Smile
07. Paper Doll
08. 横顔
09. When I Die
10. やさぐれLOVE▼
11. フェスティバル
12. 父
13. 湖のふもとでねこと暮らしている
14. あなたとわたし
15. ただいま
16. 夕焼けのなかに
17. 津軽海峡・冬景色
18. ごはんができたよ
19. ひとつだけ
<アンコール>
20. トキオ・アオモリ・ヒロシマ・ドライブ
21. ラーメンたべたい

※文中「▼」はハートマークが正式表記。

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しげ @tamisukefumiaki

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