KIRINJI、泰行参加の“アーリー・キリンジ”で20年振り返ったアニバーサリーライブ

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KIRINJIのメジャーデビュー20周年を記念したライブイベント「KIRINJI 20th Anniversary Live『19982018』」が11月9日に大阪・Zepp Osaka Bayside、11月15日と16日に東京・チームスマイル・豊洲PITで行われた。この記事では最終日の様子をレポートする。

アーリー・キリンジ(撮影:立脇卓)

アーリー・キリンジ(撮影:立脇卓)

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11月7日に1998~2002年のワーナー時代の楽曲と2003~2013年の東芝EMIおよびコロムビア時代の楽曲を収めた2作のコンピレーションアルバム「Melancholy Mellow」を発売したり、11月28日まで東京・mona recordsで期間限定のコラボカフェ「KIRINJI CAFE CHRONICLE "19982018"」を開催していたりと20周年イヤーに伴いさまざまな企画を行っているKIRINJI。今回のアニバーサリーライブ「19982018」は、KIRINJIと元キリンジの堀込泰行が出演し、特別企画として両者が演奏を共にする“アーリー・キリンジ”のパフォーマンスも繰り広げられることで大きな話題を集めた。

堀込泰行(撮影:立脇卓)

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まず「To Be Continued」に乗せてステージに現れたのは堀込泰行。彼は松江潤(G)、伊藤隆博(Key)、真城めぐみ(Cho, Perc / ヒックスヴィル、ジョンB&ザ・ドーナッツ!、ましまろ)、そしてベースに千ヶ崎学、ドラムに楠均とKIRINJIメンバーを迎えて「New Day」で開放感のあるサウンドを響かせた。「こんばんは。堀込泰行です。たっぷり曲を用意してますので、ゆっくりと楽しんでいってください」と観客に挨拶したあとは、「さよならテディベア」「Beautiful Dreamer」とポップなナンバーを並べ、ミステリアスな「Chewing Gum On The Street」と「クモと蝶」で会場を独特の世界観で満たしていく。泰行はソロプロジェクト・馬の骨時代の1stシングル「燃え殻」でアコースティックギターを爪弾きながら美しい歌声を届け、最後は最新アルバム「What A Wonderful World」よりリード曲「WHAT A BEAUTIFUL NIGHT」を演奏してステージを降りた。

KIRINJI Part1より堀込高樹(G, Vo / KIRINJI)。(撮影:立脇卓)

KIRINJI Part1より堀込高樹(G, Vo / KIRINJI)。(撮影:立脇卓)[拡大]

続くKIRINJIは「心晴れ晴れ」をSEに、コトリンゴ在籍時の衣装を彷彿とさせるそろいの白シャツでステージに上がる。キーボードに伊藤を、パーカッションとマニュピレーションに矢野博康を迎え、泰行と同じく開放感のあるナンバー「進水式」でライブをスタートさせた。最初のMCで堀込高樹(G, Vo)は「今日は泰行バンドやって、KIRINJIやって、アーリー・キリンジやって、またKIRINJIやります」と矢継ぎ早に説明。またメンバー紹介の際には「僕が一番長くやってる堀込高樹です」と挨拶して観客を和ませた。高樹のソロナンバー「冬来たりなば」がゆったりと届けられたあと、7人はがらりと空気を変えてポップな「雲呑ガール」を披露。メンバーが代わる代わる歌う遊び心のある展開を見せ、最後は弓木英梨乃(G, Violin, Vo)の切れ味鋭いギタープレイに会場から歓声が上がった。

アーリー・キリンジ(撮影:立脇卓)

アーリー・キリンジ(撮影:立脇卓)[拡大]

転換ののち、スクリーンにキリンジからKIRINJIまでのヒストリーを振り返る映像が流れ、そこに20周年ロゴと「アーリー・キリンジ」というタイトルが浮かび上がると、会場には大きな拍手と歓声が沸き起こる。「P.D.M.」に乗せステージにはKIRINJIメンバーと伊藤、真城、矢野、スペシャルゲストの冨田恵一(Key)に続いて、泰行が登場。堀込兄弟は共にアコースティックギターを持ち、冨田プロデュースの1stアルバム「ペイパードライヴァーズミュージック」より「ニュータウン」で声を重ねた。

アーリー・キリンジ(撮影:立脇卓)

アーリー・キリンジ(撮影:立脇卓)[拡大]

メンバー紹介のひと幕では、高樹と冨田が昔の思い出話を語ったり、泰行がKIRINJIに「メジャーデビュー20周年おめでとうございます」と声をかけたりと和やかな空気感が広がる。高樹の「ボロが出ないようにいきましょう」という言葉でMCを締めくくると、アーリー・キリンジはこちらも1stアルバムより「雨を見くびるな」を演奏。そして楠のカウントから「エイリアンズ」のイントロに入ると観客は思わず声を漏らし、彼らの演奏にじっくりと聴き入った。ミディアムバラード「Drifter」ののち、総勢10人からなるバンドは最後にメジャーデビュー曲「双子座グラフィティ」を楽しそうに演奏し、大きな拍手に包まれながら出番を終えた。

KIRINJI Part2より弓木英梨乃(G, Violin, Vo)。(撮影:立脇卓)

KIRINJI Part2より弓木英梨乃(G, Violin, Vo)。(撮影:立脇卓)[拡大]

この日2度目の演奏となるKIRINJIは、「ペーパープレーン」をSEに最新のアーティスト写真と同じく弓木はワンピース、男性メンバーはシャツでそろえた出で立ちでオンステージ。矢野1人をサポートに迎え、弓木がメインボーカルをとる「Mr. BOOGIEMAN」でライブを再開した。曲中、弓木はハンドマイクでステージを練り歩き、千ヶ崎の肩に触れたり高樹と寄り添うように歌ったりキュートにパフォーマンスしていく。続く「非ゼロ和ゲーム」から高樹はギターを置いてキーボードを演奏。打ち込みのビートと共にダイナミックなアンサンブルが届けられた「新緑の巨人」や田村玄一(Pedal Steel, Steel Pan, Vo)がアグレッシブにスティールパンを鳴らした「明日こそは/It's not over yet」が客席を揺らした。

KIRINJI Part2(撮影:立脇卓)

KIRINJI Part2(撮影:立脇卓)[拡大]

高樹が再度ギターを手にした「The Great Journey」では、熱いラップを披露した田村の煽りによって着席していた観客がスタンドアップ。弓木は「Aiの逃避行」でカッティングギターとラップ、「After the Party」でどこか切ない歌声を響かせてオーディエンスを魅了する。そしてこの日最後に届けられたのは、オートチューンのかかった高樹の歌声が特徴的な「silver girl」。6人は甘くみずみずしいサウンドを会場いっぱいに届けた。ラストはステージ上にこの日の出演者が勢ぞろいし、手をつないで客席に一礼。KIRINJI、そしてキリンジファンの大きな拍手に包まれながら3時間強に及んだ「KIRINJI 20th Anniversary Live『19982018』」は幕を閉じた。

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「KIRINJI 20th Anniversary Live『19982018』」2018年11月16日 チームスマイル・豊洲PIT セットリスト

堀込泰行

SE. To Be Continued
01. New Day
02. さよならテディベア
03. Beautiful Dreamer
04. Chewing Gum On The Street
05. クモと蝶
06. 燃え殻
07. WHAT A BEAUTIFUL NIGHT

KIRINJI Part1

SE. 心晴れ晴れ
01. 進水式
02. 冬来たりなば
03. 雲呑ガール

アーリー・キリンジ

SE. P.D.M.
01. ニュータウン
02. 雨を見くびるな
03. アルカディア
04. エイリアンズ
05. Drifter
06. 双子座グラフィティ

KIRINJI Part2

SE. ペーパープレーン
01. Mr. BOOGIEMAN
02. 非ゼロ和ゲーム
03. 新緑の巨人
04. タンデム・ラナウェイ
05. 明日こそは/It's not over yet
06. 嫉妬
07. The Great Journey
08. Aiの逃避行
09. 時間がない
10. After the Party
11. silver girl

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