昨日7月31日、東京・WWWにて
5月リリースの最新ミニアルバム「呪いが解けた日」を携えた今回のツアーで、東名阪3会場を回ってきた焚吐。真っ白の衣装をまとった彼がバンドメンバーに続いてうつむきがちにステージに現れると、400名を超える観客が集まった場内は緊張感に包まれた。「呪いが解けた日」の冒頭を飾る「コントロール・ミー」でライブをスタートさせた焚吐は、そのまま「クライマックス」「子捨て山」とシリアスなナンバーを畳みかける。「グリンプス・グランパ」では挑発的な表情で「声出していくぞ! ついてこれるか!」とコール&レスポンスを行い、場内の熱気を高めた。
休むことなく5曲を熱唱した焚吐は「ようこそ! とうとう始まってしまいました、ツアーファイナル」と観客を歓迎する。そして「全然関係のない話」と前置きしつつ、クロワッサンにまつわる独特な見解をささやくようなウィスパーボイスで語り観客を和ませた。アコースティックギターの弾き語りから始まった切ないラブソング「ふたりの秒針」やピアニカの音色が印象的な「黒いキャンバス」などを経て、ライブ中盤には焚吐の弾き語りコーナーも。「アイロニ」で繊細な歌声を響かせたあと、彼は「別れってあるじゃないですか」と語り始める。そして彼は、自身が高校生のときに他界したという母親について「心に穴が空いた感覚がずっとあって。皮肉なことに、失ってから人とのつながりを思い知らされるんです」と打ち明けてから新曲「魔法使い」を歌唱。母親への素直な思いを吐露するようなバラードナンバーの演奏に、涙を流すファンの姿も見られた。
バンドメンバーがステージに戻り、ライブは後半戦へ。焚吐は鬼気迫るボーカルで「返してよ」を歌い上げたあと、激しく点滅する照明の下でポエトリーリーディングを披露してシリアスなムードを作り上げていく。この重い雰囲気を打破するようにプレイされたのは「呪いが解けた日」。ダイナミックなバンドの演奏に乗った焚吐の力強い歌声に合わせて、フロアからは多くの腕が挙がった。「青い疾走」「君がいいんです」とアッパーチューンが畳みかけられると、場内の熱気はさらに上昇。焚吐は飛び跳ねたりフロアを指差したりしながら観客を盛り上げ、本編最後に「神風エクスプレス」を届けてステージを去った。
アンコールを受けて舞台に戻った焚吐は、激しいロックチューン「僕は君のアジテーターじゃない」をプレイ。「まだまだ歌い足りないので……」という彼の発言に大きな声が上がると、「おお、すごい。僕よりテンション高いですね。(ステージに)立ちます?」と飄々とした口ぶりで応え、観客の笑いを誘った。彼はバンドメンバー1人ひとりに感謝の気持ちを伝えてから「1秒1秒がすごく尊いと思いました」とツアーを振り返る。そして「14歳のとき、生活の大半を孤独が占めていました。21歳の今も『100%幸せか』というとそんなことはなくて、悩みや孤独を抱えています。でも皆さんの前で歌っているときだけは、唯一孤独を忘れられる。この中にも孤独や不安を抱えている人はたくさんいると思う。このライブ中、一瞬でもそれを忘れてくれたらうれしいです。それができたあなたには、先天的に孤独に打ち勝つ力があると思います」と真摯に思いを伝え、最後に「時速40000kmの孤独」「泣き虫レイニー」を披露。全ての力を出し切るようにパフォーマンスしてから、別れを惜しむように何度も手を振り観客への感謝を伝え、「またお会いしましょう」とワンマンツアーを締めくくった。
なお焚吐は11月26日に東京・TSUTAYA O-WESTでデビュー3周年記念ライブ「焚吐 3周年記念ライブ ~リ・リ・リボーン~」を開催することが決定している。焚吐のファンクラブ「リアルタイム・カプセル」ではチケットの先行予約を8月8日23:59まで受付中。一般発売は11月3日にスタートする。
焚吐「焚吐 リアルライブ・カプセル Vol.3~解放運動~」2018年7月31日 WWW セットリスト
01. コントロール・ミー
02. クライマックス
03. 子捨て山
04. グリンプス・グランパ
05. オールカテゴライズ
06. ふたりの秒針
07. 黒いキャンバス
08. ティティループ
09. アイロニ
10. 魔法使い
11. 返してよ
12. ポエトリー
13. 呪いが解けた日
14. 青い疾走
15. 君がいいんです
16. 神風エクスプレス
<アンコール>
17. 僕は君のアジテーターじゃない
18. モラトリアム
19. 夢負い人
20. 時速40000kmの孤独
21. 泣き虫レイニー
焚吐 3周年記念ライブ ~リ・リ・リボーン~
2018年11月26日(月)東京都 TSUTAYA O-WEST
焚吐のTV・ラジオ出演情報
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リンク
- 焚吐(たくと) 公式 WEBSITE
- 焚吐 オフィシャルサイト
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音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】焚吐、満員の観客と紡いだ“1秒1秒が尊い”ワンマンツアーファイナル(写真9枚) https://t.co/KATpV73dkV https://t.co/IzYHw8OmsY