sumika“グルーヴタウン”大阪で始まりのツアー終幕「今度は俺が恩返しをする番」

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sumikaが昨日7月18日に大阪・フェスティバルホールでライブツアー「sumika Live Tour 2018 "Starting Caravan"」の最終公演を行った。

sumika(撮影:後藤壮太郎)

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このツアーで彼らは地元・神奈川県川崎市のカルッツかわさきで行われた5月の初日公演からこの日のフェスティバルホール公演まで全16公演を実施。東京・日本武道館2DAYS公演を含む全箇所ホール会場でライブを繰り広げた。

片岡健太(Vo, G)(撮影:後藤壮太郎)

片岡健太(Vo, G)(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

異国情緒あふれるカラフルなセットに登場したsumikaは、絨毯の敷かれたステージの上で「MAGIC」を演奏して華やかに最終公演の幕を開ける。すぐさま観客の一体感のある手拍子が響き、片岡健太(Vo, G)は「さいこーう!」と声を上げた。さらにポップチューン「Lovers」と続くと、曲中には荒井智之(Dr, Cho)とゲストメンバーの井嶋啓介(B, Cho)が笑い合ったり、小川貴之(Key, Cho)の前に荒井以外のメンバーが集まるおなじみのシーンで片岡が小川にペットボトルの水を飲ませたりと、大きなホールながら和やかな空気感でオーディエンスを包み込んでいった。

黒田隼之介(G, Cho)(撮影:後藤壮太郎)

黒田隼之介(G, Cho)(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

「今宵はあなたの声も、手拍子も、楽器に変えていきたい」と片岡が語ると、その言葉通りメンバーは観客のハンドクラップを合図に「カルチャーショッカー」をプレイ。続く「1.2.3..4.5.6」では黒田隼之介(G, Cho)の呼びかけによって観客が頭の上高く息ぴったりに手拍子を鳴らしたため、片岡は「すごーい!! いいねー大阪!」と感激した様子を見せた。疾走感あふれるギターロック「グライダースライダー」「イナヅマ」が続けてドロップされると会場の熱気はどんどん増していき、あまりに楽しくなってしまった彼は「大阪、ハンパないって……!」と“大迫”と“大阪”を間違えてしまう。そんなワールドカップネタを挟みつつ、片岡は今年バンドが結成5周年を迎えたこと、このツアーではライブでやってよかった曲やツアーでなかなかできなかった曲を取り入れた5年間の“ベストオブベスト”のセットリストで各会場を回っていることを明かし「なぜここ大阪で川崎市生まれの我々がツアーファイナルをやるのかって……大阪が好きだからに決まってるでしょ!」と大阪愛を爆発させた。

ハンドマイクで歌う片岡健太(Vo, G)。(撮影:後藤壮太郎)

ハンドマイクで歌う片岡健太(Vo, G)。(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

「僕のこと好きになっちゃえばいいのに!」という片岡の言葉から入ったラブソング「いいのに」では、ステージ後方にランプが灯りムーディな雰囲気を演出。続いては小川がスポットライトを浴び、自身がメインボーカルを取る「enn」をじっくりと歌い始める。バンド演奏へと変化すると、彼らは“家族”を歌ったこの曲で温かなアンサンブルを紡いでいった。ステージ後方にアラビアンな窓が現れた「Summer Vacation」では、アーバンなサウンドに乗せて片岡がハンドマイクでステージを移動し、観客に語りかけるように楽曲の世界観を表現。オーディエンスはじっくりと彼らの演奏に浸りながら手拍子を贈っていた。これに片岡は「手拍子を煽ってるわけじゃないのに、1曲通してグルーヴィに手拍子が続いたのは大阪だけです。さすがグルーヴが余って道頓堀に飛び込んじゃう人がいる街!(笑)」と大阪を賞賛した。

続くブロックでは片岡の呼びかけにより、彼曰く素晴らしい座り心地のフェスティバルホールに、ここまで総立ちだった観客全員が腰をかける形に。sumikaはシンプルなステージ演出の中で「明日晴れるさ」「まいった」「ほこり」を優しいアンサンブルで届けていく。このうち小川のピアノ1本に片岡が歌声を乗せた「ほこり」では、布で模られたテントの後方に無数のライトによる“星空”が出現しオーディエンスを魅了。そのまま弾むようなインストになだれ込むと、片岡は「ゆったりと音楽を感じてくれてありがとうございました。ここからはぶっちぎりの後半戦に突入します!」と宣言し観客を再度スタンドアップさせた。

ユニークなファンクナンバー「KOKYU」でスタートした後半戦では、片岡が「最高のライブを作るためには何が必要なのか……知ってますか?」とタオルを取り出すと、オーディエンスも一斉にタオルを掲げるシーンが。彼は「さすがグルーヴタウン大阪! 察しがいいねえー!」とファンをたたえ、「マイリッチサマーブルース」へと突入。この季節にぴったりなサマーチューンをオーディエンスがタオルを回して堪能する中、小川は近くに来た井嶋にわざと当たるようにタオルを回したり、黒田は井嶋を追いかけたりとメンバーも和気あいあいと演奏を行っていた。

荒井智之(Dr, Cho)(撮影:後藤壮太郎)

荒井智之(Dr, Cho)(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

「ふっかつのじゅもん」「ペルソナ・プロムナード」とアッパーチューンを畳みかけてフロアを大いに熱狂させ、ラストスパートをかけたsumika。ラスト1曲を残して片岡は「大阪フェスティバルホール、1曲目『MAGIC』を歌った一瞬で今日のすべてが、ツアーの全部が決まったような気がします。想像を超えた一瞬をど頭から今の一瞬までくれたのは、メンバー、スタッフチーム、集まってくれたあなたです。本当にどうもありがとう」と感謝の気持ちを表した。さらに「鳥肌が立つ、涙腺が緩む、口角が上がる……その一瞬は、想像を超えたときにしか起こらないと思います。皆さんにとって、想像以上のフェスティバルホールになりましたか?」「内心、まだ想像を超えてない方もいるのかなと思います。その想像を絶対に超えるために作った曲を1曲歌って帰ります」と思いを語り、バンドは本編最後に最新作「Fiction e.p」の表題曲「フィクション」を演奏。冒頭から客席に自然と手拍子が起こる中、sumikaは温かく開放感のあるサウンドを会場いっぱいに響かせていた。

小川貴之(Key, Cho)(撮影:後藤壮太郎)

小川貴之(Key, Cho)(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

アンコールでは「Fiction e.p」収録曲「下弦の月」が披露され、黒田のギターサウンドと片岡と小川によるコーラスワークがエモーショナルな空気感をもたらした。ここではツアーファイナルということで、メンバーそれぞれが思いを語ることに。黒田は「もし僕とギターだけだったら、人前で演奏しようと思わなかった。メンバーがいて、スタッフがいるから『すごいものを作ったんだよ! いいでしょ?」って皆さんに言いたいんだなって。みんながいるから音楽をやってるんだなって改めて思ったツアーでした」、小川は「個人的に、(「enn」を)歌えて楽しかった。でも、自分が歌ったことで片岡健太というボーカリストはすごいなと心から思いました。なので、これからもよろしくお願いします!!」とコメント。これを受けて感動した片岡は小川を後ろから強く抱きしめ、頭をぐりぐりと擦り付けていた。また荒井はツアーを重ねるごとに袖のスタッフが高度な技で笑わせて来ることを話題に挙げ、「普段はもちろん真面目に仕事をしているスタッフだけど(笑)、メンバーもいて、ゲストメンバーもいて、そういう楽しいチームなんだなってことを音楽はもちろん知ってもらえたら」とファンに呼びかけた。

「sumika Live Tour 2018 "Starting Caravan"」大阪・フェスティバルホール公演の様子。(撮影:後藤壮太郎)

「sumika Live Tour 2018 "Starting Caravan"」大阪・フェスティバルホール公演の様子。(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

最後にマイクを取った片岡は「Starting Caravan」というツアータイトルは“始まりの商隊”という意味であり、ダブルネーミングで“始まりの正体”ともかけていることを明かし「商隊というのは砂漠で物を売る人で。チームでリスタートするっていう意味もあるけど、正体……sumikaの始まりの根源ってなんだったっけなっていうのを考えながら、1会場1会場やっていきました。だから、このツアーでは何度も『明日のことは考えない!』って言ってて。音楽を始めた頃は、明日のことは考えないからライブで喉がガラガラになってさ。だから今回のツアーでは明日のことは考えないで真っ白になって『音楽楽しい!』って思う瞬間に何度も出会うことができました」とツアーを振り返る。さらに「子供の頃は何かに夢中になって真っ白になると先生も親も褒めてくれるけど、大人になればなるほど真っ白になっていることが計画性のない人生を歩んでいるような捉えられ方をして。音楽を続けるほど後ろ指を指してくる人もいて。それに気付かないフリをして目をつぶりながら音楽をやってる時期もあった。でもsumikaになってからは、最初から真っ白な3人がいて。素晴らしいボーカリスト&キーボーディストが、『真っ白なままでいいよ』って言ってくれるスタッフが加わってくれて。そんな真っ白な夢の中にいられるのはメンバー、スタッフチーム、あなたのおかげです」と言葉を重ねた片岡は、「今度は俺が恩返しをする番。目の前に後ろ指を指されてちょっと苦しいなって思ってるあなたがいるなら、嘘のない言葉で手を伸ばして『おかえりなさい』と言えるようなバンドを作ってきたつもりです! あなたの前で嘘なく、もう一度始めていきたいと思います」と呼びかけた。

sumika(撮影:後藤壮太郎)

sumika(撮影:後藤壮太郎)[拡大]

片岡の「2013年7月13日、この曲から始まった。いつよりも、今、全力をかけてこの曲を歌います!」という言葉からほかのメンバーは「ワン、ツー!」と大きな声でカウントし、バンドは「雨天決行」を熱演した。この日、ラストナンバーとして届けられたのは片岡が「できあがってから10年以上。ずっとずっと大事にしてきたこの曲で、あなたと音楽を作りたい!」と述べた「『伝言歌』」。曲中、片岡は「ツアーを回ってわかったことがもう1つありました。人生の中で一番大切なものは、お金でも時間でもなく、記憶だ!」と思いを語り、会場にはオーディエンスのみの大きなシンガロングが響き渡った。すべての力を出し切るようにして演奏を終えると、片岡は「もう言葉にならない。ひと言言わせてください」とマイクを通さず「愛してます!!」とファンに思いを伝える。ライブが終わると4人からニューシングル「ファンファーレ / 春夏秋冬」が8月29日にリリースされること、これに伴うライブハウスツアーが行われることが発表され、会場は喜びの声で包まれた。そしてメンバーは手をつないでステージ中央、下手、上手それぞれで3回ずつ高くジャンプしてステージ袖へとはけた。

なおニューシングル収録曲「ファンファーレ」をオープニングテーマに、「春夏秋冬」を主題歌に使用した劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」は9月1日公開。シングルの初回限定盤には「キミスイ」の原作者・住野よるの書き下ろしショートストーリー「日々の透き通るもたれ合い」と、「ファンファーレ」のミュージックビデオと制作過程を追ったドキュメント映像を収めたDVDが付属する。

※「『伝言歌』」の『』は一重カッコが正式表記。

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sumika「sumika Live Tour 2018 "Starting Caravan"」2018年7月18日 フェスティバルホール セットリスト

01. MAGIC
02. Lovers
03. カルチャーショッカー
04. 1.2.3..4.5.6
05. グライダースライダー
06. イナヅマ
07. いいのに
08. enn
09. Summer Vacation
10. 明日晴れるさ
11. まいった
12. ほこり
13. KOKYU
14. マイリッチサマーブルース
15. ふっかつのじゅもん
16. ペルソナ・プロムナード
17. フィクション
<アンコール>
18. 下弦の月
19. 雨天決行
20. 「伝言歌」

sumika「ファンファーレ / 春夏秋冬」収録曲

CD

01. ファンファーレ
02. 春夏秋冬
03. ファンファーレ(Instrumental)
04. 春夏秋冬(Instrumental)

DVD

sumika Film #4
01. ファンファーレ MUSIC VIDEO
02. Documentary

sumika「ファンファーレ / 春夏秋冬」Release Tour

2018年10月28日(日)宮城県 SENDAI GIGS
2018年11月4日(日)北海道 Zepp Sapporo
2018年11月7日(水)愛知県 Zepp Nagoya
2018年11月8日(木)愛知県 Zepp Nagoya
2018年11月14日(水)東京都 Zepp Tokyo
2018年11月15日(木)東京都 Zepp Tokyo
2018年11月25日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2018年11月26日(月)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2018年11月30日(金)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2018年12月4日(火)福岡県 DRUM LOGOS
2018年12月5日(水)福岡県 DRUM LOGOS

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読者の反応

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haru @lampofmusic79

武道館思い出した。涙目だよ、良かったんだよ、武道館(´;ω;`)sumika大好きだ〜

【ライブレポート】sumika“グルーヴタウン”大阪で始まりのツアー終幕「今度は俺が恩返しをする番」(写真9枚) - 音楽ナタリー https://t.co/Ba6ckxSi8W

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