福山雅治4年ぶりドームでライブ三昧の半年間総括「当たり前にやれるのは大切なこと」

福山雅治のドームライブ「FUKUYAMA MASAHARU DOME LIVE 2018 -暗闇の中で飛べ-」のファイナル公演が、本日5月27日に東京・東京ドームにて行われた。

福山にとって約4年ぶりのドーム公演となった今回のライブは、1月から4月まで行われたアリーナツアー「WE'RE BROS. TOUR 2018」を経て、5月19日と20日に大阪・京セラドーム大阪で、5月26日と27日に東京ドームにて開催。4公演で約16万人を動員した。

福山のライブでは最多人数、15名編成のバックバンドが1曲目のイントロを鳴らす中、福山は逆光を浴びながらステージに登場。バンジョーをかき鳴らしつつセンターステージへ進み出ると、時折笑顔を見せつつ「幸福論」を歌い上げた。そしてインストゥルメンタル曲「vs.2013 ～知覚と快楽の螺旋～」で重厚なバンドアンサンブルをたっぷり聴かせ、「それがすべてさ」で会場内の一体感を高めた。

福山は最終日に集まったファンに向け「ついにファイナルですよ東京！ 去年の『感謝祭』（2017年12月開催の『福山☆冬の大感謝祭 其の十七』）から入れると半年ほどずっとライブをやっておりました。今日は圧倒的“ドーム感”と圧倒的“ファイナル感”で1つになっていきましょう」と挨拶し、「IT'S ONLY LOVE」を丁寧に歌う。ステージ前に炎が上がる中で演奏された「漂流せよ」では情感豊かな歌声とサウンドを届けた。

再びセンターステージに移動した福山は上部に浮かぶ玉ねぎ型の巨大バルーンを、前日の公演に訪れた黒柳徹子にちなんで“テツコさん”と名付けたと話し、観客の笑いを誘う。このバルーンはタンクローリー1台分のヘリウムガスで2.9tの照明機材を吊るしているとのこと。「実に面白い（笑）」とおなじみのセリフで説明を終えた福山は、センターステージを設置する場合に建てざるを得ない柱のせいで起きる見切れをなくしたいと考えて今回のバルーンを取り入れたと語り、大きな拍手を浴びるが「ただ皆さん見た瞬間わかると思うんです、『お高いだろうな』と。正直お金はかかってるんです（笑）」と本音も漏らしていた。

冬に始まったアリーナツアーでは春を先取りして“春歌コーナー”を設けていたが、今回のドーム公演では夏を先取りして“夏歌コーナー”を展開。ストリングスの柔らかな音色から始まった「虹」、ノスタルジックな「蜜柑色の夏休み」、壮大なバラードナンバー「あの夏も 海も 空も」と、さまざまな夏の歌をファンに贈った。続いて流れた映像では福山の昔の写真とともに、彼が故郷の長崎で過ごしてきた夏は平和を考えることと隣り合わせだったことが紹介される。その後披露したのは、故郷にある被爆したクスノキをモチーフに作られた「クスノキ」。さらに「トモエ学園」「道標」と、過去へ思いを馳せる楽曲を連続で歌い、観客を深い感動へ導いた。

中盤のMCで福山は、2001年に開催した初の東京ドームライブを「あの当時は私も若気の至りで演奏に落ち着きがなく……」と振り返る。そして「でも今はあの頃とは違うんです！ このセンターステージど真ん中で、ギター1本であなたに歌を届けられるんです」と宣言し、2001年の公演で1曲目に披露した「友よ」をアコースティックギターの弾き語りで熱唱。さらに「HELLO」で観客のテンションを上昇させると、新曲「暗闇の中で飛べ」で力強いメッセージを届けた。

ホーンを多用した華やかなサウンドに乗せてシニカルな歌詞が歌われる、こちらも新曲の「Pop star」のあとはアニメ映画「名探偵コナン ゼロの執行人」主題歌の「零（ZERO）」。そしてテレビドラマ「正義のセ」主題歌としてオンエア中の「失敗学」をパワフルに歌う。この曲をフルサイズで聴けるのは今回のドームライブが初とあって、オーディエンスは大いに盛り上がっていた。ドームを妖艶な空気で満たした「聖域」、ハートウオーミングな「明日の☆SHOW」が終わると、本編最後のナンバーとして「Dear」を力強くパフォーマンスし、福山は「どうもありがとう！」と叫んでステージを降りていった。

アンコールで「その笑顔が見たい」に続き「Peach!!」を歌った福山が後ろを振り向くと、Tバックを履いたお尻をかたどったパッドが装着されており観客は大爆笑。このTバックを福山がめくると恒例の年末ライブ「冬の大感謝祭」の開催が告知され、ファンを大喜びさせた。バンドメンバーを紹介して送り出した福山はセンターステージに立ち、アンコール最後の曲として「少年」をギター弾き語りで披露。「でっかい歌声届けてもらいますよ、いいですか？」という言葉に続いてオーディエンスが大合唱し、会場の一体感をピークまで高めた。最後に福山はファンに向け「決められたスケジュールで終わるのは、当たり前なようで実は当たり前じゃない。『こうやって当たり前にやれるのは大切なことなんだ』ということを今回のツアーのテーマにさせてもらって、それを実感することができました」と挨拶。年末の再会を誓い、ステージをあとにした。

「冬の大感謝祭」は例年同様、神奈川・パシフィコ横浜で行われるとのこと。日程は後日発表される。