1998年5月にシングル「さなだ虫」でデビューしてから20周年を迎えたブリトラ。バンドメンバーが定位置に着いてから登場した伊藤多賀之(Vo, G)、細根誠(Vo, Harp)は大歓声に迎え入れられ、ハイタッチをしてからマイクスタンドの前に立った。そして1曲目にクラブの空気になじめない男の歌を歌った「クラブ」でライブをスタートさせると、場内は無数のレーザーが飛び交う派手な演出で彩られた。
深夜のコンビニでのできごとを歌った「コンビニ」、“逆に”“ぶっちゃけ”など人の口グセが気になってしまうことへの思いをつづった「逆に」のあと、MCで挨拶した2人。伊藤は「僕たち今年20周年なんです! 今日は大好きな会場で満員御礼になってよかったです。今日は過去最大曲数をやります! スタンディングの人は大変だけど、コンビニ店員さんはバイトで8時間立ってるからバイトだと思って楽しんでください」とコメント。またビデオ撮影が入っていることを告知し、「みんなが声をたくさん出してくれれば」という条件付きでパッケージ化される予定があることを伝え、「海外アーティストのライブみたいにイントロで一気に声を上げてくれると!」などと観客にお願いをしていた。
寝坊したときの慌てぶりを表現したアップテンポな「大寝坊」では、伊藤が大きな声を上げたり、細根がステップを踏んだりと楽曲の内容にあわせて大振りな動きを見せていた2人。「この曲、作ったのはいいけど、転調3回もするしもう2度と歌いたくない!」と駄々をこねていた伊藤だったが、話題を変えてブリトラのルーツであるSimon & Garfunkelの「The Sound of Silence」を弾き始め、1コーラス披露した。伊藤は数日後にアメリカに渡り、人生を変えてくれた存在だというポール・サイモンの引退前コンサートを観に行くことをファンに伝え、ラスベガス公演は1列目の席が取れたことを喜んでいた。そして「もし僕らが引退する時期が来たら、最後にどうしても歌いたい曲があります」と、「まんげつ」の演奏を始めた。アルペジオのギター伴奏と、バイオリンを含むバンドの美しいアンサンブルに乗せ、2人は歌詞の区切り方によって下ネタに聞こえてしまうというクセのある楽曲で息の合ったハーモニーを響かせた。彼らはその後、「平成たいやき物語」「定食屋」と2000年の解散前からの人気曲や、現代の世相を反映した「ケータイ依存症」と次々に楽曲を披露していった。
ライブ中盤には一度メンバーがステージを離れ、スクリーンに伊藤と細根のインタビュー映像が流された。これは“ヌードインタビュー”という伊藤考案によるネタ映像。真面目に話していると思いきや、徐々に2人が薄着になっていき、最終的に全裸になってしまうという内容で観客を笑わせた。映像演出のあと、ステージに戻った2人は「ティッシュ配り」を歌唱。細根に肩車をされた伊藤は、細根の上でリコーダーを吹いたり、細根と一緒にアクロバティックな組体操を披露したりしてみせた。バックバンドのメンバーである梶原健生(G)、高山和芽(Key)、伊藤千明(B)、松田翔(Dr)、雨宮麻未子(Violin)を紹介したあと、2人は「チョベリバ」を歌唱。披露前に伊藤が「バンドのよさを伝えたいので、次の曲ではそれぞれの音にも注目してほしいです」と話していたにも関わらず、この曲はバンドメンバーは一切楽器を弾かず、それぞれがボイスパーカッションをするというアレンジで届けられた。「らせん状の涙」に続き、彼らは人間の醜さなどをテーマにした伊藤のお気に入り曲「デザイア」、男女の長年に渡るラブストーリーが詰まった「石焼イモ」とエモーショナルな楽曲群で観客を魅了した。
ライブ後半には子供にも人気の高い「ズッキーニ」や、「へーへーへー」などキャッチーな楽曲が届けられたほか、真夏を舞台にしたラブソング「権力ハニー」や、さわやかなメロディの「ゴールデンボール」、シンガロングを誘ったアッパーチューン「パインパン」がセットリストに組み込まれた。そしてブリトラはライブ本編をデビュー曲「さなだ虫」のバンドバージョンで盛大に締めくくった。
アンコールではブリトラとバンドメンバー扮するバンド・コインロッカーズが登場。同バンドのフロントマンであるコインロッカーこと伊藤は赤のスカーフ、金のパンツ姿でラケットをパワフルに振り、カラーボールを次々に客席に打ち込みながらロックチューン「柔突起」「アワビと松茸」を歌い、フロアを熱狂させた。息切れ気味になりつつもコインロッカーは「お前ら最高だったぜ! コインロッカーズだったぜ……」と言い残して出番を終えた。
ダブルアンコールを求める「変態! 変態!」のコールに応えて、伊藤と細根が再びステージへ。感謝の気持ちを込めて2人は「風のとらえかた」をオーディエンスに送り、さらにもう1曲「メラメラスクリーム」を2人きりの編成で届けた。バンドメンバーを呼び込み、ブリトラは「ホルモン!」「牛の内臓!」といったワードでコール&レンスポンスを展開した「ホルモンを飲む瞬間」を披露し、ラストに代表曲「青のり」を歌って全演目を終えた。ハッピーなムードの中、3時間超え、全30曲におよんだ結成20周年ライブは大団円を迎えた。
なおブリトラは7月に遠征ライブ「『ふたりきりっていいよねBESTツアー2018』~デビュー20周年記念スペシャルライブ!~」を開催。この公演は7月21日に大阪・BananaHall、翌22日に愛知・RAD HALLで行われる。
ブリーフ&トランクス「『ブリトラスーパーBEST祭り2018』~デビュー20周年記念スペシャルライブ!~」2018年5月19日 東京都 マイナビBLITZ赤坂 セットリスト
01. クラブ
02. コンビニ
03. 逆に
04. 発砲スチロール
05. ペチャパイ
06. ホルマリン漬けの君
07. 大寝坊
08. まんげつ
09. セレブの法則
10. 平成たいやき物語
11. 定食屋
12. ケータイ依存症
13. ティッシュ配り
14. チョベリバ
15. らせん状の涙
16. 虫女
17. デザイア
18. 石焼イモ
19. ズッキーニ
20. へーへーへー
21. 権力ハニー
22. ゴールデンボール
23. パインパン
24. さなだ虫
25. 柔突起
26. アワビと松茸
27. 風のとらえかた
28. メラメラスクリーム
29. ホルモンを飲む瞬間
30. 青のり
ブリーフ&トランクス「『ふたりきりっていいよねBESTツアー2018』~デビュー20周年記念スペシャルライブ!~」
2018年7月21日(土)大阪府 BananaHall
2018年7月22日(日)愛知県 RAD HALL
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