最新アルバム「Cherry Passport」を携え、初のアリーナライブとなった追加公演を含め6会場を回った小倉。彼女はアルバム名にちなんで、パスポートを持ったオーディエンスを“空の旅”へと連れて行くというコンセプトのもと本ツアーを行った。公演の最初にはキャビンアテンダントに扮した小倉がオーディエンスをアテンドする映像が紗幕に映し出され、観客の視線が集まる。ムービーが終わると紗幕が勢いよく下ろされ、そこには宙高く吊るされたブランコに乗る小倉の姿があった。煌びやかなサウンドが流れ、彼女が歌い始めたのは代表曲の1つである「Honey▼Come!!」。熱いコールを浴びながら小倉は生き生きとパフォーマンスを繰り広げ、公演の幕を開けた。
その後ステージには、ダンサーたちが登場。「Happy Strawberry」「Merry de Cherry」がエネルギッシュに披露され、序盤から場内のボルテージは高まるばかり。そんな会場の様子に小倉は「皆さん早速盛り上がってくれていますね。このライブはパスポートを携えた皆さんを連れて、空の旅にお連れするというコンセプトでやってきました。そして、このライブは私にとって初のアリーナ公演です!」と満面の笑みを浮かべ、自身のイメージカラーであるピンク色のペンライトの光に染まった客席を見渡し「お花畑みたいですね。すごく幻想的な景色を見させてもらっています!」と目を輝かせた。「アコガレCollection!」を可憐に届けたあと小倉は一度ステージをあとにし、その間スクリーンでは台湾でのロケの模様を上映。台湾の夜市や建造物内を歩く彼女のムービーが流れ、映像でもオーディエンスを楽しませた。
衣装と髪型をチェンジして再びステージに現れた小倉は「シュガーハートエイク」を柔らかに歌い上げると、そのままステージセットの階段に座り込みバラードナンバー「Dear」で伸びやかな歌声を響かせた。ライブも中盤に差しかかった頃、チャイナ服風の衣装に着替えた彼女は「エンジョイ!」を皮切りに、アップテンポのナンバーを連続で披露。同曲をキュートに踊って見せたあと「ガーリッシュエイジ」「ドキドキラビリンス」でキレのあるダンスを繰り広げ、会場を大きく沸かせた。
その後ワンピースに衣装をチェンジした小倉はステージの端まで歩き、オーディエンス1人ひとりに届けるように「Tomorrow」を歌唱。そして階段の上まで移動した彼女が強い眼差しでロックナンバー「Future Strike」を歌い始めると、場内に燃えるような赤色のペンライトの光が一瞬で広がった。会場の熱気を受けて小倉は「皆さん盛り上がってましたね!」と微笑み、「思ったんですけど……実は私にとってこのライブは初のアリーナ公演であり、初の社会人ライブなんです!」と話を切り出す。今年の3月をもって大学を卒業し、学生生活を終えたばかりの彼女は「卒業したら学校ロスになってしまって、しばらく寂しかった。学校があったから埋められていた部分も自分の中であったのかな」と心境を語った。
「今日みんなで楽しい時間を過ごして、明日からも素敵でハッピーな毎日を送れるように」という言葉で始まったのは「エブリデイ☆ハッピーデイ」。明るく歌う彼女の姿に、場内はピースフルなムードへと導かれた。「Baby Sweet Berry Love」でオーディエンスのテンションが一層高まったところで、美しいピアノのサウンドが流れデビュー曲「Raise」へ。凛とした佇まいで小倉が芯のある歌声を響かせると、オーディエンスはペンライトを力強く振り上げた。続いて披露されたのは、最新シングルの表題曲「白く咲く花」。彼女は「卒業して、今ここにいる私だからこそ伝えられる思いや言葉があるんじゃないかな。また1つ進化した、小倉唯の新しい一面を皆さんに感じていただけたらうれしいです」と語り、白い羽が舞う演出に彩られながら、しなやかにこのナンバーを歌い上げた。本編の最後には同シングルより、小倉が初めて作詞を手がけた楽曲「かけがえのない瞬間」がライブ初披露されるというサプライズが。スクリーンに映し出される歌詞をバックに、彼女は穏やかな表情で1つひとつの言葉を丁寧に届けていった。
アンコールを求める“唯ちゃん”コールに呼ばれ、再びステージに登場した小倉は「皆さんのところに行きますよ!」とトロッコに乗り込む。オーディエンスに笑顔で手を振りながら彼女は「ずっとふたりで」を歌唱し、ゆっくりとアリーナを一周した。ステージに戻った小倉は初のアリーナ公演について「ほどよい緊張感はありましたが、自分らしく楽しく地に足を着けながらパフォーマンスすることができました。声優として、アーティストとして何年も積み上げてきた私の思いや姿、歌声をこの空間に残せたんじゃないかなと思っています」と充実した表情でこの日のライブを振り返る。そしてリハーサルを含めると半年前から始動していたというツアーについて「皆さん、空の旅は快適に過ごしていただけましたか? 1stツアーのときはまだライブに慣れていなくて、みんなから受け取った思いを返すことにいっぱいいっぱいでした。でも今回のツアーを通して、見える景色が変わってきたり、自分の中で得るものがたくさんあって。これまで皆さんに支えてもらってきたので、これからは私が皆さんにパワーを届ける番だなって、心から思いました」と述べ、「もっともっと人間力を高めて、よりたくさんの方の心に響く歌を届けられるように、これからも抜かりなくひたむきに、真っすぐに進み続けて自分の歴史を刻んでいきたいと思います。どうかこの先もずっと一緒に歩んで応援してもらえたらうれしいです!」とファンに真摯に思いを伝えた。
その後小倉は本公演のライブの模様などを収めたライブ映像作品「Cherry×Airline」、そしてニューシングル「永遠少年」のリリースを告知。歓喜に満ちた会場に向かって彼女は「みんなまだまだ盛り上がっていけますよねー!?」と煽り、軽やかにステップを踏みながら「ハイタッチ☆メモリー」で一際大きなコールを巻き起こした。大盛り上がりの中、ラストナンバーとして披露されたのは最新アルバムのリードトラック「プラチナ・パスポート」。彼女が元気いっぱいにパフォーマンスを繰り広げると客席からシンガロングが沸き起こり、会場は1つになった。すべてのパフォーマンスを終えた彼女は場内の隅々まで手を振ったあと、「ありがとうございました!」と力いっぱい叫び深くおじぎをする。再び彼女が顔を上げると、その目には大きな涙が。感極まった様子の彼女は涙をこらえて「また会おうね!」と弾けるような笑顔を見せ、大歓声に包まれながら初のアリーナ公演を締めくくった。
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小倉唯「『Platinum Airline☆』~Tomorrow Town~」2018年5月12日 武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ セットリスト
01. Honey▼Come!!
02. Happy Strawberry
03. Merry de Cherry
04. パンドラ▽ショコラ
05. Baby, Baby, Baby▽
06. アコガレCollection!
07. シュガーハートエイク
08. Dear
09. winter tale
10. エンジョイ!
11. ガーリッシュエイジ
12. ドキドキラビリンス
13. Tomorrow
14. Future Strike
15. エブリデイ☆ハッピーデイ
16. Baby Sweet Berry Love
17. Raise
18. 白く咲く花
19. かけがえのない瞬間
<アンコール>
20. ずっとふたりで
21. ハイタッチ☆メモリー
22. プラチナ・パスポート
※▽は白抜き、▼は黒塗りハートマークが正式表記。
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小倉唯:“積み上げてきたもの”披露した自身初のアリーナ公演!5/12武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナレポート - 音楽ナタリー https://t.co/xDjcBq4Kkk