Plastic Treeが新作携えたツアーに幕、清春とコラボで「夢見心地です」

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Plastic Treeが5月9日に東京・中野サンプラザホールでライブツアー「Spring Tour 2018『doorAdore』」のファイナル公演を開催した。

「メランコリック」を披露するPlastic Treeと清春。(写真提供:J-ROCK)

「メランコリック」を披露するPlastic Treeと清春。(写真提供:J-ROCK)

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このツアーは彼らが3月に発表した最新アルバム「doorAdore」を携えて、全国19会場を回ったもの。ステージにはアルバムのジャケット写真に用いられた白いドアが左右に2つ並べられた。本作のオープニングを飾るナンバー「遠国」でゆるやかにライブの幕を開けた4人は、繊細な歌声と演奏で観客をバンドの世界観に引き込んでいく。有村竜太朗(Vo)がギターを持ち、ドラムカウントを合図に始まったのは「恋は灰色」。疾走感あふれるビートとナカヤマアキラ(G)のテクニカルなギターの音色が場内を駆け巡った。その後有村は「やあやあ」と手を上げてファンにおなじみの挨拶をし「ついにこの日がきちゃいましたね。春が終わるよ」とツアーの終わりを名残惜しむ。そして「曲論」「落花」を経て、4人は体を揺らしながら軽快に「いろつき」を届けた。

有村竜太朗(Vo)(写真提供:J-ROCK)

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有村と長谷川正(B)が向かい合い、アグレッシブな演奏を繰り広げたのは「エクジスタンシアリスム」。演奏を終えると有村はギターを置き、「中野ー!」と客席に向かって力いっぱい叫ぶ。煽られたオーディエンスが歓声で応えると、彼らは「ユートピアベリーブルー」でグルーヴィなサウンドを響かせた。「温まってきましたね。もっと温まりますか?」と有村が観客に呼びかけ、マイクに代えて手に取ったのは赤色の拡声器。重厚感のあるギターが際立つアッパーチューン「scenario」を彼はステージを動き回りながら歌い、会場の熱を一層引き上げた。その後「静かの海」「ノクターン」をゆったりと披露し空気を一変させたあと、有村は「雨中遊泳」でスクリーンに映し出される雨の映像をバックに、傘を差しながら儚げな声で美しいメロディを歌い上げる。そして本編を締めくくるナンバー「サーチ アンド デストロイ」の最後に彼が紙の束を宙に向かってばら撒くと、4人は余韻が残るステージを颯爽と去っていった。

Plastic Tree「Spring Tour 2018『doorAdore』」東京・中野サンプラザホール公演の様子。(写真提供:J-ROCK)

Plastic Tree「Spring Tour 2018『doorAdore』」東京・中野サンプラザホール公演の様子。(写真提供:J-ROCK)[拡大]

アンコールで彼らはピンクのライトに照らされながら「春咲センチメンタル」を演奏。ステージ上方からひらひらと舞い落ちる紙吹雪はライトに染まり桜吹雪のようで、頭上を見上げながら手を伸ばす有村の姿にオーディエンスの視線が集まった。4人がステージを去ったあとも、ダブルアンコールを求める拍手は鳴りやまない。佐藤ケンケン(Dr)と長谷川がステージに登場しゆるやかなトークで場内の笑いを誘うと、ナカヤマ、そしてビールとお菓子の入ったカゴを手に有村も現れ、打ち上げのような和やかな空気の中1人ひとりツアーを振り返った。有村は「今回の曲は難しくて、みんなであーでもない、こーでもないって話し合いながら作るのが楽しかったです。バンドを組んだときみたいな感じ。いいツアーでした」と述べる。「どうぞ踊っていってください」という言葉と共に「マイム」が始まると、跳ねるようなリズムに合わせてオーディエンスが一斉にジャンプした。

楽曲が終わると有村は「実は今日、特別なゲストの方が来てくれています。こういうのPlastic Tree初ですね」といつになく緊張した様子を見せ、「遊びに来てくださいました……! 清春様です!」と清春をステージに呼び込んだ。騒然となる客席を前に、有村と清春は抱擁を交わす。「この緊張感、みんなわかるかな」と慌てふためく有村の肩に清春が手を回し、有村が崩れ落ちる場面もあった。清春は「有村さんは今日も不思議な感じで素敵ですね」とマイペースに告げると、「これ何? うちのライブではないな」とビールやお菓子の入ったカゴをステージに見つける。有村は「機材が何かじゃないですか?」ととぼけてカゴをアンプの裏に隠し観客を笑わせ、「夢見心地です。ミュージシャンは長く続けておくべきだね」と感慨深げに語った。

Plastic Tree「Spring Tour 2018『doorAdore』」東京・中野サンプラザホール公演の様子。(写真提供:J-ROCK)

Plastic Tree「Spring Tour 2018『doorAdore』」東京・中野サンプラザホール公演の様子。(写真提供:J-ROCK)[拡大]

ここで彼らは昨年清春がPlastic Treeのトリビュートアルバムでカバーした楽曲「メランコリック」をコラボレーション。「本日の『メランコリック』は特別であります!」と告げると、うれしそうに有村はギターをかき鳴らす。清春の艶やかな歌声と有村の熱のこもった歌声が響き渡ると、オーディエンスは全力でコールを飛ばした。清春がステージを去ったあとも有村は「こんなにうれしいことはなかなかないですね。定点カメラで撮影してるんですけど、これから30年くらい見続けます。ロックンロールは最高です!」と感極まった様子だった。そのテンションのまま彼らはアンコールの最後に「Ghost」をありったけの力を放つようにプレイ。「最高のツアーでした! これからもずっと枯れない樹の下にいましょう」と言い残し、大盛り上がりの中彼らは全19公演におよぶツアーの幕を閉じた。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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Plastic Tree「Spring Tour 2018『doorAdore』」2018年5月9日 中野サンプラザホール セットリスト

01. 遠国
02. 恋は灰色
03. サイレントノイズ
04. 曲論
05. 落花
06. いろつき
07. 残映
08. エクジスタンシアリスム
09. ユートピアベリーブルー
10. 念力
11. scenario
12. 静かの海
13. ノクターン
14. 雨中遊泳
15. サーチ アンド デストロイ
<アンコール>
16. 春咲センチメンタル
17. マイム
18. メランコリック
19. Ghost

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Ghost in the Dark @Ghostinthereal

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