ONE OK ROCK、第2章の始まり告げた初ドームツアーファイナル

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ONE OK ROCKのドームツアー「ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR」が、4月22日の福岡・福岡ヤフオク!ドーム公演をもって終幕した。

ONE OK ROCK(撮影:浜野カズシ)

ONE OK ROCK(撮影:浜野カズシ)

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2017年1月にリリースされた最新アルバム「Ambitions」を携えて国内外で行われたライブツアーの集大成として行われた今回のドームツアー。全8公演のチケットはすべて完売し、彼らが熱い支持を集めていることを証明していた。

ONE OK ROCK「ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR」福岡 ヤフオク!ドーム公演の様子。(撮影:浜野カズシ)

ONE OK ROCK「ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR」福岡 ヤフオク!ドーム公演の様子。(撮影:浜野カズシ)[拡大]

開演時刻を迎え客電が落ちると同時に、巨大なLEDスクリーンに光の線が映し出される。その光がステージの中央から伸びる矢印型の花道にたどり着くと、スモークの中にTaka(Vo)のシルエットが浮かび上がった。ドラマチックなオープニングに観客が沸く中、Takaは「Taking Off」のワンフレーズをアカペラで歌い出しツアーファイナルの口火を切った。「さあ、始まったぞ! ぶっかまして行くぞ!」とTakaが叫んだのを合図に、Toru(G)、Ryota(B)、Tomoya(Dr)もアグレッシブなプレイで満員のオーディエンスを煽る。さらに「未完成交響曲」「キミシダイ列車」という懐かしく勢いのあるナンバーを連続で奏でて、ドームを大いに揺らした。

「最後までよろしく頼むぞ!」とTakaは観客と共にライブを作っていく旨を宣言。続けて「Ambitions」を携えて行われてきたツアーが、この日99公演目であることを明かした。「なぜ100本を前に終わるのか僕らも不思議ですが、音楽の神様は僕らにまだツアー回れと言ってるのでしょう(笑)。でも、99本目が皆さんにとって最高のライブだったと言えるように、僕らにとって最高のライブだったと思えるように悔いのない1日にしたいと思います!」と笑った。

Taka(Vo)(撮影:浜野カズシ)

Taka(Vo)(撮影:浜野カズシ)[拡大]

イントロでToruが弾く切なげなフレーズが印象的な「Cry out」では、観客のシンガロングが起こりドームを歌声が包み込んだ。「The Way Back -Japanese Ver.-」が始まるとフロントの3人は花道にゆっくりと足を進め、観客の顔を見渡すようにしながらパフォーマンスを展開。「さあ踊ろうか、福岡」というTakaの言葉に続いた「Bedroom Warfare」では、TakaがToruの肩に手を乗せて歌ったり、軽やかな足取りでステージを動き回ったり、Ryotaがステップを踏みながら太いグルーヴを作り出し、自由で楽しげな空気を放った。MCでRyotaとTomoyaは汗だくになりながら「楽しい」と口々に語り、全力でライブを楽しみ完遂することを誓う。Toruは長いツアーを振り返り「最終的に福岡に帰ってこれて幸せです」とうれしそうに口にした。

オーディエンスのシンガロングとTakaの力強いロングトーンがドーム中に響き渡った「Clock Strikes」を経て、Toruがつま弾く柔らかな旋律から「One Way Ticket」へ。ステージの床には水面の映像が投影され、その上で4人は切なく温かなラブソングを丁寧に奏でる。曲のラストでは花道の先に立ったTakaを包み込むように、紙吹雪が天井まで舞い上がり幻想的な景色を描いた。

Toru(G)(撮影:浜野カズシ)

Toru(G)(撮影:浜野カズシ)[拡大]

メンバーが去ると、2005年から2018年に至るまでのライブ映像が上映され、バンドのこれまでのキャリアを紹介。年々会場の規模が大きくなっていく様子には、1歩1歩の積み重ねを経てドームツアーの開催に至ったことを示していた。映像が終わると、アリーナ後方に設置されたサブステージにメンバーが登場し、MCとアコースティックコーナーが始まる。Tomoyaが前日の公演で割れてしまったシンバルにメンバー全員のサインを入れプレゼントすることを提案したり、それを見たRyotaも自前のバンダナを観客に贈ったりと粋な計らいを挟みつつ、4人はデビュー前の昔話に花を咲かせた。Takaは紆余曲折ありながらも休むことなく走り続けてきた日々に思いを馳せ「メジャーデビュー当時に戻ってやってみようと思います」と1stシングル「内秘心書」を、抑制を効かせたアコースティックアレンジに乗せてしっとりと歌い上げた。また4人はONE OK ROCKにとって外せない曲であり、多くのリスナーとの出会いを生んだという「Wherever you are」をオリジナルアレンジで演奏し観客を惹きつけた。

Ryota(B)(撮影:浜野カズシ)

Ryota(B)(撮影:浜野カズシ)[拡大]

続いてTakaはToru、Ryota、Tomoyaを送り出し、1人でサブステージで「Last Dance」を弾き語る。彼はギターをストロークしながら、その音色に穏やかな声を重ねオーディエンスを魅了した。Takaの弾き語りと入れ替わるようにメインステージではToru、Ryota、Tomoyaによるセッションがスタート。激しく音をぶつけ合ったかと思えば、ソロ回しでプレイヤーとしての力量を見せつけた。Tomoyaの咆哮でセッションが終わると、Takaが「さあ、ファイナル後半戦いくぞ! 準備はいいか?」と叫びながら姿を見せる。勢いのあるシャウトに導かれるように「Deeper Deeper」が始まり、ライブはラストに向かって突き進んでいく。4人はひたすら挑発的にパフォーマンスを繰り広げ、続く「I was King」では大きなシンガロングを巻き起こしてドームを1つに。曲のクライマックスでは会場全体が黄金色に染まり、まばゆい景色が広がった。

Tomoya(Dr)(撮影:浜野カズシ)

Tomoya(Dr)(撮影:浜野カズシ)[拡大]

その後Takaは、Toruがつま弾くギターの音色に乗せて長いツアーを回顧。「俺らは13年間ずっと走りっぱなしだから、自分たちがどの位置にいて、どんなふうに見られてるかは全部はわかんないんだよね。でも誰にも負けないつもりでやってます。ONE OK ROCKってまだまだ完璧なバンドじゃなくて、これからの道のりはまだまだ大変だと思う」と述べ、「ONE OK ROCKというバンドはそろそろパート1に幕を下ろして、パート2の制作に乗り出す、そんな時期なんじゃないかと思います」と新たなスタートに向けて進んでいることを明かした。また「俺らは挑戦し続けるかやめるかの2択だと思う。それが生きることだと思うし、それがONE OK ROCKだと思ってる。そしてONE OK ROCKというバンドは俺らの人生だからさ。皆さんの時間があれば、僕らの人生の行方をしかと見届けていただきたいなと思います」「僕たちはロックバンドです、これからもよろしくお願いします」と満員のオーディエンスに語りかけた。

ONE OK ROCK「ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR」福岡 ヤフオク!ドーム公演の様子。(撮影:浜野カズシ)

ONE OK ROCK「ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR」福岡 ヤフオク!ドーム公演の様子。(撮影:浜野カズシ)[拡大]

そこからTakaは「Take what you want」を歌い出すも、サビに入る前にふと歌を止める。ドームに静寂が訪れ、張り詰めたような空気が広がった。その空気を切り裂くようにTakaは、「Can you hear me? I'm trying to hear you」と問いかけるように歌声を張り上げる。その声を後押しするようにToru、Ryota、Tomoyaの音が重なり、いつしか5万人のシンガロングを呼び起こし、力強い一体感をドーム内に生み出した。直前のMCの言葉を継ぐように「終わりの始まりです」という言葉に続き始まった「The Beginning」、会場を盛大に揺らした「Mighty Long Fall」と攻撃的なナンバーを畳みかけたのちMCに。Takaは「とってもとっても幸せ者です」とうれしそうに口にし、「必ずアルバム作って、戻ってきます」とこれからのさらなる躍進と再会を観客に誓う。「この景色はある人に見せたかった景色の1つです。悲しい歌詞かもしれないけど、俺はこれだけの人の前で歌うことができている。だからもう悲しい歌ではありません。笑って一緒に歌ってください」と「Nobody's Home」を本編の最後の1曲として全力で届ける。4人は曲の終わりと同時に息を切らしながら天を仰いだ。

アンコール代わりの合唱が4人をステージに呼び戻し、会場は再び興奮した空気に包まれる。そして、スケール感のあるサウンドに乗せて、変わっていくことの大切さを歌った「Change」へ。ONE OK ROCKの最新サウンドで魅せたあとは、代表曲の1つである「完全感覚Dreamer」を叩き込んだ。最後のMCでTakaは、「年齢なんて関係なくて、どうかしっかり自分の生きたいように生きてください」と全世代に向けてエールを送る。「未来は明るいものばかりではない」「音楽じゃ救えないときがあるんだよ」とシビアな言葉を放ちながらも、前を向きがむしゃらに生きる大切さを説き「皆さんたちと僕たちとでONE OK ROCKです。またな福岡。さよなら!」と挨拶。ステージには4人の姿と楽器のシルエットだけが浮かび、「We are」のイントロが響いた。力を振り絞るようにプレイする4人を支えるように、観客は大合唱を巻き起こす。壮観な光景を前にTakaは「忘れんなよ!」と繰り返し叫んだ。

全20曲を演奏し終えた4人は、万感の表情を浮かべ花道へ。ファンはツアーを完走したメンバーにメッセージ入りのフラッグを手渡し、花道は数々のフラッグで覆われる。それらを前に4人は手をつなぐと、深いお辞儀をして観客に別れを告げた。止まない拍手を浴びながら、Takaは「愛してるよありがとう」と述べ、Toruも去り際に「ありがとう」と感謝の思いを口にして長いツアーに幕を下ろした。

なおWOWOWプライムでは、5月26日(土)にドームツアーの東京ドーム公演の模様をオンエア。またONE OK ROCKは5月16日にライブDVD / Blu-ray「ONE OK ROCK 2017 "Ambitions" JAPAN TOUR」をリリースする。

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ONE OK ROCK「ONE OK ROCK 2018 AMBITIONS JAPAN DOME TOUR」2018年4月22日 福岡 ヤフオク!ドーム セットリスト

01. Taking Off
02. 未完成交響曲
03. キミシダイ列車
04. Cry out
05. The Way Back -Japanese Ver.-
06. Bedroom Warfare
07. Clock Strikes
08. One Way Ticket
09. 内秘心書
10. Wherever you are
11. Last Dance
12. Deeper Deeper
13. I was King
14. Take what you want
15. The Beginning
16. Mighty Long Fall
17. Nobody's Home
<アンコール>
18. Change
19. 完全感覚Dreamer
20. We are

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※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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yoko★oorer @yoko_oorer

福岡ファイルのライブレポ出てました‼︎ https://t.co/AiL6oi5ZT4

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