女優志望のメンバーからなるアイドルグループとして2014年夏に活動をスタートさせたハコムス。鉄戸は結成時から約3年8カ月オリジナルメンバーとして活動し、“ハコムスの歌姫”としてパフォーマンス面などでグループを長く支えてきた。昨日の定期公演は4月から大学に進学し、個人での活動に専念する鉄戸を送り出す卒業公演として行われ、彼女の思い入れのあるオリジナル曲やカバー曲で構成された全17曲が届けられた。
斉藤由貴「AXIA~かなしいことり~」のカバー音源と共に、鉄戸が江ノ島を散歩する姿を収めたオープニングムービーの上映を経て、ハコムスメンバー9人はステージに登場。
CoCo「なぜ?」、元CoCoの三浦理恵子のナンバー「約束のポニーテール」のパフォーマンス後には、「鉄戸被害者の会」と題した企画が展開され、メンバーがこれまでの活動の中で鉄戸から受けた仕打ちを次々に告発。リーダーの我妻桃実が「100円玉と10円玉を交換させられた」、星里奈が「バスツアーの夜、部屋でセクシーしりとりに参加させられそうになった」、阿部かれんが「私のよろしくない写真を所持している」といった恨みを次々に発表するも、鉄戸は「悪いことをやっているとは全然思わない」とまったく反省の色を見せない。鉄戸撮影のメンバーの写真をファンに売る“鉄戸商店”でただ働きをさせられたという井上姫月の訴えには、「焼き肉をおごってもらっといて、感謝の言葉もなくこれだよ」と反論し、「全部みんなが悪い。器が小さすぎる」と逆に不満をぶちまけて「鉄戸被害者の会」を締めくくった。
メンバーによる絶妙なやり取りで会場が大いに盛り上がったあと、ライブはハコムスのオリジナル曲のブロックへ。9人はハコムスの記念すべき1曲目のオリジナルナンバー「微笑みと春のワンピース」、鉄戸がセンターを務める「レモネード・キッス」、2016年11月にタワーレコード内の音楽レーベル・PENGUIN DISCより発表した「ハコいっぱいのプレゼント」を立て続けにパフォーマンスした。さらに彼女たちは鉄戸、我妻、阿部、星の年上組4人がボーカルを担当する「真夏の恋のファンファーレ」、スローバラード「さよならのプリエール」といった切ない歌詞の楽曲を歌唱。失恋ソングを好むことから“失恋の女王”というキャッチコピーでファンから親しまれている鉄戸は、しっとりとした歌声を会場に響きわたらせた。
公演中盤のMCでは鉄戸の卒業を見届けるため、新潟から駆け付けたRYUTistがステージに登場。これまで柳▽箱の活動などでハコムスと親睦を深めてきた4人が1人ずつ鉄戸にプレゼントを手渡したほか、3月31日に千葉・ミハマニューポートリゾートで2組によるツーマンライブが行われることが発表された。「最後に会えてよかった」とRYUTistの登場を喜んだ鉄戸は、続いてメンバーとペアでユニット曲を披露。井上と三浦理恵子「日曜はダメよ」、星とチェキッ娘「あたしの靴あなたの靴」、塩野虹と斉藤由貴「いちご水のグラス」、我妻と「AXIA~かなしいことり~」をデュエットしてファンを魅了した。会場が温かい拍手で包まれる中、リハーサルで泣いてしまったという塩野が本番では涙を我慢したことを自ら明かした一方、井上は歌い終わったあとに楽屋でずっと泣いていたことを我妻から暴露され、「歌ってて顔を見合わせるときに、美桜ちゃんがすんごい切なそうな顔をしてたから」とその理由を照れながら告白した。
ユニット曲のブロックを終えたメンバーは、1人ずつ鉄戸に宛てた手紙を朗読。昨年4月にグループに加入した4期メンバーの塩野は「4月の定期公演のあとは、たくさんお話ししてもらったり、サインをもらったりしてうれしかったのを今でも覚えています」と観客を和ませ、3期の星は「私がハコムスに加入したばかりの頃は慣れない環境でいつも緊張していて、なかなか笑うことができませんでした。そんな不器用な私が心から自然と笑顔を出せるようになったのは美桜ちゃんのおかげです」と鉄戸への感謝の気持ちを述べる。鉄戸と同学年である2期の阿部は「今日、ハコムスを卒業していく美桜は本当にきれいです。これからも美しい桜のように咲き誇っていてね。これから美桜の歩んでいく道が輝かしいものでありますように」と語りかけ、ハコムスのオリジナルメンバーである我妻は「美桜と一緒にハコムスを始められてよかった。そして美桜に出会えてよかった。これからもよろしく。愛してるよ」という言葉を贈った。
8人がそれぞれ手紙を読み上げたあと、今度は鉄戸がメンバーとファンに向けて挨拶。「最初の7人でずっとやっていけると思っていました。1人欠けても、1人増えてもハコムスじゃなくなるって思い込んでいる自分がいて」と明かしつつ、現メンバーへの思いを「彼女たちは卒業していったメンバーのこともすごく愛してくれていたし、オリジナルメンバーが作ってきたものを一生懸命守ろうとがんばってくれました」と涙ながらに吐露し、ファンには「自分の夢を絶対に叶えてまた皆さんの前に戻ってきますので、それまで待っていてください」と力強く述べた。その後ハコムスはアイドリング!!!「Like a Shooting Star」のほか、マイクスタンドで歌うribbon「Be My Diamond!」、間奏で“エア大縄跳び”を繰り広げる上田愛美「なかよし」を披露。「みんなの顔をしっかり見て、1曲1曲をすごく大切に歌いました」と語った鉄戸による「それでは以上、私たちハコイリ▽ムスメでした!」という締めで公演本編を終えた。
ファンの熱烈な「美桜ちゃん!」コールに応えて再びステージに登場したハコムスは、メンバーが1列になってステージ上を移動する振りが印象的なCoCo「Moonlight Express」をパフォーマンス。そして改めてファンに感謝の気持ちを伝えた9人は、さわやかな夏のナンバーである斉藤由貴「ストローハットの夏想い」をラストに歌唱した。メンバーが順番に捌けていくこの曲のアウトロでは、1人残った鉄戸がステージ上の椅子に花冠を掛けて退場。自身の卒業公演の幕を閉じた。
YouTubeでは本公演のオープニングおよびエンディングムービーを合わせた映像を公開中。なおハコムスは4月22日にAKIBAカルチャーズ劇場にてセットリストや衣装を一新した新公演を行う。7月にはワンマンライブを開催する予定だ。
ハコイリ▽ムスメ「ハコイリ▽ムスメの定期便3月号~君に出会えてよかった~」2018年3月21日 AKIBAカルチャーズ劇場 セットリスト
01. ともだち
02. なぜ?(オリジナル:CoCo)
03. 約束のポニーテール(オリジナル:三浦理恵子)
04. 微笑みと春のワンピース
05. レモネード・キッス
06. ハコいっぱいのプレゼント
07. 真夏の恋のファンファーレ
08. さよならのプリエール
09. 日曜はダメよ(オリジナル:三浦理恵子) / 鉄戸美桜、井上姫月
10. あたしの靴あなたの靴(オリジナル:チェキッ娘) / 鉄戸美桜、星里奈
11. いちご水のグラス(オリジナル:斉藤由貴) / 鉄戸美桜、塩野虹
12. AXIA~かなしいことり~(オリジナル:斉藤由貴) / 鉄戸美桜、我妻桃実
13. Like a Shooting Star(オリジナル:アイドリング!!!)
14. Be My Diamond!(オリジナル:ribbon)
15. なかよし(オリジナル:上田愛美)
<アンコール>
16. Moonlight Express(オリジナル:CoCo)
17. ストローハットの夏想い(オリジナル:斉藤由貴)
ハコイリ▽ムスメ×RYUTist ツーマンライブ
2018年3月31日(土)千葉県 ミハマニューポートリゾート
ハコイリ▽ムスメ 定期公演
2018年4月22日(日)東京都 AKIBAカルチャーズ劇場
※▽はすべてハートマークが正式表記。
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ハコイリ▽ムスメのリリース情報
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【ライブレポート】「君に出会えてよかった」ハコムスの歌姫・鉄戸美桜、思い出の曲たちで彩った卒業公演(写真85枚 / 動画あり) - 音楽ナタリー https://t.co/V39wSS8g3g