CHEMISTRYデビュー記念日に再始動ツアーファイナル、次は「アルバムを作りたい」

CHEMISTRYの全国ツアー「CHEMISTRY LIVE TOUR 2017-18『Windy』」のファイナル公演が、3月7日に東京・Bunkamuraオーチャードホールにて開催された。

このツアーは昨年12月より全国16公演にわたって行われた、再始動後初の全国ツアー。彼らのデビュー記念日である3月7日に行われたファイナル公演では、往年のヒット曲から再始動後の楽曲、さらに未発表の新曲まで幅広いナンバーが披露された。

大歓声に迎えられてステージに現れた川畑要と堂珍嘉邦は、1曲目に「ユメノツヅキ」を熱唱。再始動後初めて発表されたナンバーで幕開けを飾ると「キミがいる」で会場の一体感を高め、さらに大ヒット曲「Point of No Return」でオーディエンスを盛り上げていった。その後はABS＋STUTS「Horizon」のカバー、そして「Grind For Me」など、ブラックテイストの強いナンバーを連発。グルーヴィなサウンドと2人の情熱的な歌声で観客を魅了した。

中盤で2人はスツールに腰を下ろし、アコースティックスタイルでのパフォーマンスを展開した。「君をさがしてた ～The Wedding Song～」では穏やかで温かいボーカルをホール内に響かせ、直前までの熱いサウンドとは全く異なる雰囲気を漂わせる。ピアノ伴奏のみをバックにした「You Go Your Way」を切なく歌い上げる2人の姿に、観客は息を呑んで見入っていた。

感動的な空気から一変し、MCでは堂珍の「『初めて来た』という人も、聴きたい曲は聴けていますか？ あっ、よかったですねー」という発言に、川畑が「全然聴けてないって言われたら困っちゃうよね（笑）」と返し、ファンの笑いを誘う。そんな川畑は「今日はファイナルですし、今まで歌ってない曲を1曲歌いたい」と次の曲を紹介した。ここで披露されたのは、彼らの結成のきっかけとなったテレビ東京系「ASAYAN」でのオーディションの中で“仮デビュー曲”としてリリースされた「最後の夜」。貴重な曲でオーディエンスを沸かせたあと、堂珍の「どうですか、歌ってみて」という問いかけに、川畑は「懐かしいですね、いろいろ」と感慨深げに返していた。

続いて堂珍は「『最後の夜』と来たら、続くのはなーんだ？ ってことなんですけど……」と、なぜか次の曲をクイズ形式で紹介し、川畑を「なんでクイズなの？（笑）」と困惑させる。場内を和ませたあと、2人は「最後の夜」に続くデビュー曲「PIECES OF A DREAM」を熱唱した。大サビではオーディエンスの大合唱が響き、デビュー記念日を祝うかのようなひとときとなった。さらに2人はこの曲に携わったクリエイターたちが再集結した、ツアータイトルでもある最新曲「Windy」を、ファンへの感謝を込めるように丁寧に歌い上げた。

軽やかなビートに乗せて観客のハンドクラップが響いた「FLOATIN'」、会場が再び大盛り上がりとなった「空の奇跡」など、本編終盤ではアッパーチューンを連発した2人。最後のMCで川畑は今回のツアーを「久しぶりに（ファンに）『ただいま』と伝えたかったツアーでした」と振り返り、「これからまた新曲やアルバムも楽しみにしててもらえれば」と、今後の展開に期待を持たせた。本編ラストのナンバーは「僕らの兄貴分」と川畑が語る、Skoop On Somebodyが提供した「My Gift to You」。デビュー記念日にふさわしいナンバーで本編を締めくくった。

アンコールは力強いバンドサウンドと壮大な歌声が響き合う「最期の川」で始まった。さらに「Why」を披露したあと、堂珍はファンに向けて「6月20日にニューシングルをリリースすることが決定しました」と発表し、大歓声を浴びた。ここで2人はこのニューシングルから「Heaven Only Knows」を早くも初披露。哀切なメロディが印象的な、CHEMISTRYらしさにあふれたミディアムチューンで観客を酔わせると、堂珍は「自分で言うのもなんですけど、ケミケミしい曲ですね（笑）」と新曲のテイストを表現していた。

最後に川畑は「アルバムを作りたいですね。アルバムを引っさげたツアーもやれたらなと」、堂珍は「歌を届けに各地を回って、大きくても小さくてもライブを続けたい」と今後の意気込みを明かし、「ユメノツヅキ」の“Slow & Emotional”バージョンを披露。シンプルなアレンジに乗せて歌詞のメッセージを届けた。2人は歌い終えたあとも会場の隅々まで手を振り、名残惜しそうにしながらステージを去っていった。