BRAHMAN初武道館に1万2000人集結「ここに乗せてくれてありがとう」

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BRAHMANの初の東京・日本武道館単独公演「八面玲瓏」が、2月9日に開催された。

BRAHMAN(Photo by Tetsuya Yamakawa [Showcase])

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オールスタンディングのアリーナ中央にステージを設置するセンターステージ形式で行われたこのライブには、1万2000人の観客が集結。開演時刻を迎えると、暗くなった武道館の天井にこの日の日付や「八面玲瓏」のロゴがプロジェクションマッピングで映し出され、場内からは大きなどよめきが起こった。そんな中メンバー4人はアリーナの通路から歩いてステージに上がり、オーディエンスをさらに驚かせる。大歓声と合掌に迎えられた4人は「THE ONLY WAY」の鮮烈なサウンドでライブをスタートさせた。

BRAHMAN「八面玲瓏」の様子。(Photo by Tetsuya Yamakawa [Showcase])

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両手を突き上げるTOSHI-LOW(Vo)の姿に導かれるように、観客はイントロからすさまじい勢いのモッシュとクラウドサーフを繰り広げる。続く「雷同」ではMAKOTO(B)が暴れ回りながら強力な低音を響かせ、TOSHI-LOWはステージを一回りして360°取り囲んだ観客を鼓舞し続けた。「上も下もねえ、過去も未来もねえ。あるのはただ今この瞬間、このありのままの形、俺たちの本来の姿。2月9日、日本武道館、さあ戦おうぜ! 俺たち、BRAHMAN始めます」とTOSHI-LOWが挨拶すると、武道館中に大歓声が響き渡った。

TOSHI-LOW(Vo)(Photo by Tetsuya Yamakawa [Showcase])

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その後も4人は「賽の河原」「BASIS」と、アグレッシブなナンバーを連発していく。TOSHI-LOWは何度もステージ後方を振り向き、会場中に楽曲のメッセージを伝えるかのように力強い歌声を届けた。熱いビートに乗せて場内の一体感がさらに高まった「DEEP」、RONZI(Dr)の刻む軽快なイントロに歓声が起こった「其限」に続いては「怒涛の彼方」へ。ここでこの日最初のゲスト、東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦(B.Sax)、GAMO(T.Sax)、北原雅彦(Tb)、NARGO(Tp)がステージに現れ、観客を大喜びさせた。スカパラホーンズの4人はRONZIの豪快なバスドラに合わせてパワフルにホーンを吹き鳴らし、オーディエンスを圧倒。アウトロではTOSHI-LOWを挟んでの華麗なポージングを決めた。

KOHKI(G)(Photo by Tetsuya Yamakawa [Showcase])

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ニューアルバム「梵唄 -bonbai-」から目まぐるしく表情を変える新曲「AFTER-SENSATION」を披露したあと、「終夜」では壮絶なサウンドに乗せて天井に青い炎が映し出され、楽曲の世界を大いに盛り上げた。続く「ナミノウタゲ」では2組目のゲストとなるハナレグミが登場し、TOSHI-LOWとの見事なハーモニーでオーディエンスを酔わせる。曲中「しっかり掴まれよ 振り落とされるなよ」と歌う箇所では2人がガッチリと握手を交わし、客席からの歓声を呼び起こした。そんな様子にTOSHI-LOWは「波のこっち側で生きてる人にも、あっち側に行っちまった人にも届くいい声ありがとう」と感謝を述べていた。

「A WHITE DEEP MORNING」を挟んでの「守破離」が始まると、TOSHI-LOWは「たった90秒のために札幌から来たよ。気合い入れて! 食われんぞ!」と、ゲストのKO(SLANG)を呼び込む。KOはその紹介どおりに強力なシャウトを響かせ、武道館を圧倒した。そのKOが「北海道札幌市と言えばもう1人」と紹介し、入れ違いに登場したのはILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB)。緻密なバンドサウンドと圧巻のラップが絡み合う「ラストダンス」が、武道館を大きく揺らした。

MAKOTO(B)(Photo by Tetsuya Yamakawa [Showcase])

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「札幌の男たちはレベルミュージックで怒ってるからかっけえ。札幌の男たちだけ怒らしといていいの?」とTOSHI-LOWが観客を焚き付けて始まった「不倶戴天」では、オーディエンスがそれぞれの感情をぶつけるようにフロアで暴れ回った。KOHKI(G)のエモーショナルなギターが印象的な「ARRIVAL TIME」、そして「ANSWER FOR...」を連投したあと、TOSHI-LOWは「今夜、俺はそっちに飛び込めねえ。だったら代わりに暴れてくれよ!」と武道館ならではの制約を引き合いに出しつつ客席に呼びかけ、会場のテンションを再び上昇させた。

続くMCでTOSHI-LOWは「お察しのとおり(武道館は)何かと制約が多い。今日俺はできねえことだらけだ、でも自分にできねえことは人に頼めばいい。頼むことは逃げじゃねえ、挑戦だ。俺が歌えないなら歌のうまい友達に頼めばいい……たった1日、今夜」と話し、オーディエンスをどよめかせた。その言葉どおり、続いて披露されたのは細美武士(the HIATUSMONOEYES)がコーラスを務めた「今夜」。ステージに現れた細美はTOSHI-LOWと向かい合いながら美しいハーモニーを響かせ、会場の空気を大きく変えた。

TOSHI-LOWは近年さまざまなバンドが長いキャリアを経て初の武道館ライブを成功させたことを振り返りつつ「1つだけ気に食わんことがあって。すごい突っ張ってきた人たちが、武道館だからって感謝の言葉を言い出して……」と悪態をつく。そして「1つだけ言わせてくれよ……ご来場ありがとうございます」と素直にファンへの感謝を明かし、場内を大爆笑に導いた。TOSHI-LOWは「こういう気持ちになります。(武道館のステージに)立てばわかる」と苦笑い。そしてさまざまなルールが設けられた武道館公演に関し「武道館は俺に厳しかったね。でも俺たちがここでやれるのはロックバンドが武道館でやれるようにつないで来た人たちがいるから」と先人への感謝も述べていた。

RONZI(Dr)(Photo by Tetsuya Yamakawa [Showcase])

RONZI(Dr)(Photo by Tetsuya Yamakawa [Showcase])[拡大]

そして「25年前、阪神淡路大震災のときに何もできないだろうと言われていたミュージシャンが現地で種を撒きました。17年後、その種は東北で芽を出しました」と、次の曲への紹介を続ける。ステージに登場したのは山口洋(HEATWAVE)と中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)、うつみようこ。「次は大きな木になってほしい。なら、この曲を歌い継いでいかなければ」という言葉のあとは「満月の夕」が始まった。BRAHMANのバンドアレンジと山口のギターと中川の三線、うつみのコーラスが絡み合い、この日ならではの説得力を持って客席へと届けられた。

大きな拍手に送られて3人がステージをあとにすると、ライブはいよいよ終盤戦へ。「鼎の問」では、ミュージックビデオにも使用されたフォトジャーナリストの小原一真が撮影した福島第一原子力発電所の事故当時の様子や福島の風景、復旧作業にあたる作業員たちの写真が天井に映し出され、楽曲のメッセージを印象づけた。「FOR ONE'S LIFE」でオーディエンスが大いに熱狂したあと、TOSHI-LOWは「俺たちの番はこれで終わります。つないだよ? 次の武道館は誰だ?」と、さらなるバンドの武道館ライブへと望みを託した。そして「俺たちみたいなバンドをここに乗せてくれてありがとう。『また今度』なんて言ったことなかったけど、また今度会いましょう」と、観客に呼びかけた。

最後を飾ったナンバーは、アルバム「梵唄 -bonbai-」から「真善美」。4人が繰り出す力強いビートはオーディエンスのすさまじい盛り上がりへとつながった。曲のエンディングではRONZI、MAKOTO、KOHKIがそれぞれ楽器を残してステージを去っていく。最後に残ったTOSHI-LOWは「一度きりの意味を お前が問う番だ!」と絶唱。彼がマイクをステージに叩き付ける音とともに会場の照明が落ちる衝撃的な幕切れで、BRAHMAN初の武道館ライブが締めくくられた。

初の武道館ライブを経て、BRAHMANは3月3日よりアルバム「梵唄 -bonbai-」を携えた全国ツアーを開催。このツアーは6月14日の東京・Zepp Tokyo公演まで36公演が予定されている。

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BRAHMAN「八面玲瓏」2018年2月9日 日本武道館 セットリスト

01. THE ONLY WAY
02. 雷同
03. 賽の河原
04. BASIS
05. SEE OFF
06. BEYOND THE MOUNTAIN
07. DEEP
08. SPECULATION
09. 其限
10. 怒涛の彼方
11. AFTER-SENSATION
12. 終夜
13. ナミノウタゲ
14. A WHITE DEEP MORNING
15. 守破離
16. ラストダンス
17. 不倶戴天
18. ARRIVAL TIME
19. ANSWER FOR...
20. 警醒
21. 今夜
22. 満月の夕
23. 鼎の問
24. FOR ONE'S LIFE
25. 真善美

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