Shout it Outが“十代に別れを告げたワンマン”で得たものとは

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Shout it Outが12月9日に大阪・BIGCAT、1月20日に東京・LIQUIDROOMでワンマンライブ「GOODBYE MY TEENS」を開催した。この記事では東京公演の様子をレポートする。

Shout it Out(撮影:南風子)

Shout it Out(撮影:南風子)

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バンド史上最大規模でのワンマンライブとなった「GOODBYE MY TEENS」は、タイトル通り、十代でメジャーデビューを経験し現在21歳となるメンバーの“十代に別れを告げる”という思いを掲げた公演。山内彰馬(Vo, G)と細川千弘(Dr)の2人は、サポートギタリストとサポートベーシストを迎えてアンコールまで全20曲を披露した。

Shout it Out(撮影:南風子)

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向かい合って手を合わせた4人は2015年発売のライブ会場限定ミニアルバム「Prologue」収録の「青」でライブを開始。気合十分の様子で「青年の主張」「17歳」「道を行け」を勢いよく連投した。細川はリリースに紐付いていない今回のライブについて「『GOODBYE MY TEENS』、その言葉だけを背負ってイベントを打ちました。去年は(2017年3月発売の1stフルアルバム「青年の主張」以外)CDを出さずすごい数のライブをさせてもらって、十代の頃は見えなかった景色もたくさん見えて、自分らの中で言えなかったことも明確になってきて……何より、バンドってものが大好きになりました。バンドが大好きになった僕らを見てほしいなって思ってこのライブを開きました。最後までよろしくお願いします!」と語った。

細川千弘(Dr)(撮影:南風子)

細川千弘(Dr)(撮影:南風子)[拡大]

また今回のLIQUIDROOM公演は、彼らにとって昨年5月に行われた東京・TSUTAYA O-WEST公演以来となる約9カ月ぶりの東京でのワンマンライブ。CDリリースをせずにライブ出演を重ねてきた期間の集大成を見せるように、各曲ではCD音源よりも大人びた山内の歌声や細川のダイナミックなドラミングがオーディエンスを魅了していた。そんな変化が顕著に出た「夜間飛行」「逆光」を経て、4人はいっそう一体感のあるアンサンブルで「列車」を披露。「生きている」では山内のまっすぐな歌声に応えるように、多くの観客が拳を突き上げた。

山内彰馬(Vo, G)(撮影:南風子)

山内彰馬(Vo, G)(撮影:南風子)[拡大]

MCで山内は、当初ライブタイトルの「GOODBYE MY TEENS」はグッズを作るために考えた言葉だと言い、「気付いたらライブタイトルになってた」と明かす。続けて「だから最初は『十代に別れを告げるためにワンマンをやろう』とは思ってなかった。でも二十代になって1年半が過ぎて、ようやく十代が昔のことのように思えて……十代の時間を思い出したときに、今とは違うものが明確にある気がするから、今はその言葉が生まれたタイミングには意味があったんだろうなと思います。いつまでも若さに頼っていられないし、いつまでも先輩から『若いねー』って言われてられないんで。今日は自分の十代を成仏させに来た、そんな気持ちで歌って帰ります」と述べた。そして彼は「僕の十代を歌った曲を」と、ギターを弾きながらメジャーデビューシングル「青春のすべて」のボーナストラックである「ギターと月と缶コーヒー」をゆったりと歌唱。さらにミディアムチューン「トワイライト」が届けられ、山内の伸びやかな歌声とメンバーのコーラスワークが会場を包んだ。

山内彰馬(Vo, G)(撮影:南風子)

山内彰馬(Vo, G)(撮影:南風子)[拡大]

終盤、山内は「ここでリリースの発表ができたらよかったんですけど……今、がんばってます。いろんなことをして、曲作りをあまりせず……CD制作の会議で『出せる曲が去年作った1曲(「アフタースクール」)しかないんですよねー……』って言う気まずさったらね(笑)」と制作に難航していることをユーモアたっぷりに明かしてファンを笑わせる。そして4人は青春パンクの影響を感じる新曲「アフタースクール」を披露。「Prologue」収録の初期ナンバー「風を待っている」を経て、ラストナンバーを前に山内は「十代の自分と別れを告げて、残った21歳の自分に何があるのかって言われると今のとこ1つも思い浮かばないんです。でも、十代の頃に自分が何を持っていたのかと聞かれると、それも1つも思い浮かばない。ただ、自分の好きなもので自分の両腕をいっぱいにするためにバンドをやっているわけじゃないし、これからもとりあえずは1つも武器を持たずに、素手でいけるところまで行ってみようと思います」と現在の思いを明かした。バンドは最後に「青春のすべて」を熱演し、ステージを降りた。

深く礼をするShout it Out。(撮影:南風子)

深く礼をするShout it Out。(撮影:南風子)[拡大]

アンコールで山内は「新曲も聞かせられないのに、よくライブに通い続けてくれるなと。ホントに感謝しております。ホント……すみませんでした」とファンに謝り、場内は笑いに包まれる。さらに彼は「1年間、そう思ってました。だったら作れよって感じだけど……そんなポンポンできるもんじゃないねん!」と急に声を上げ、細川から「逆ギレやなあ」と突っ込まれていた。また最後に山内は「バンドを組んだり、メンバーが抜けたり、友達ができたり、その友達がバンドを辞めたり……いろんなことがありました。全部リアリティがあるまま心の中にしまっておきたいと思っても、思い出になっていって。ここで十代に別れを告げる意味っていうのは、これからもずっと続いていく“今この瞬間”っていうものに純粋に向き合って生きていくためのものなんじゃないかなって今、ふと思いました」と今回の「GOODBYE MY TEENS」実施で得た思いを述べた。彼の「この1曲、精一杯やるので精一杯受け取ってください。俺らから何かを感じ取るんじゃなくて、自分発信であなたが何か心を動かしてくれるといいなと思います」という言葉から、バンドは聴き手の背中を押すような歌詞の「光の唄」を力強く演奏したのち、深く礼をしてライブを締めくくった。

Shout it Out「GOODBYE MY TEENS」東京・LIQUIDROOM公演の集合写真。(撮影:南風子)

Shout it Out「GOODBYE MY TEENS」東京・LIQUIDROOM公演の集合写真。(撮影:南風子)[拡大]

なおShout it Outは1月27日に新曲「アフタースクール」を配信リリース。この曲を主題歌とした須賀健太主演映画「ちょっとまて野球部!」は同日より東京・池袋HUMAXシネマズほかで全国公開される。また3月には「GOODBYE MY TEENS -延長戦-」と題した全国ツアーがスタートする。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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Shout it Out「Shout it Out ワンマンライブ『GOODBYE MY TEENS』supported by Eggs」 2018年1月20日 LIQUIDROOM セットリスト

01. 青
02. 青年の主張
03. 17歳
04. 道を行け
05. 夜間飛行
06. 逆光
07. 列車
08. 生きている
09. ギターと月と缶コーヒー
10. トワイライト
11. 灯火
12. 一から
13. そのまま
14. エンドロール
15. 大人になれない
16. アフタースクール
17. 風を待っている
18. 青春のすべて
<アンコール>
19. これからのこと
20. 光の唄

Shout it Out「GOODBYE MY TEENS -延長戦-」

2018年3月21日(水・祝)大阪府 堺Tick-Tuck(ワンマン)
2018年3月25日(日)静岡県 Shizuoka UMBER(対バンライブ)
2018年3月30日(金)北海道 COLONY(ワンマン)
2018年3月31日(土)宮城県 HooK SENDAI(ワンマン)
2018年4月1日(日)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2(対バンライブ)
2018年4月6日(金)石川県 vanvanV4(対バンライブ)
2018年4月7日(土)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE(対バンライブ)
2018年4月14日(土)長野県 ALECX(対バンライブ)
2018年4月20日(金)京都府 京都MOJO(対バンライブ)
2018年4月21日(土)岡山県 PEPPERLAND(対バンライブ)
2018年4月22日(日)香川県 DIME(対バンライブ)
2018年4月28日(土)大分県 T.O.P.S Bitts HALL(対バンライブ)
2018年4月29日(日)福岡県 graf(ワンマン)
2018年4月30日(月・振休)広島県 CAVE-BE(対バンライブ)
2018年5月26日(土)滋賀県 B-FLAT(対バンライブ)
2018年5月27日(日)愛知県 APOLLO BASE(ワンマン)

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ホタテ ギターズ @hotate_guitars

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