桑田佳祐、全国行脚を経てホーム横浜に凱旋「皆さんと最後まで幸せな時間を」

10

390

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 85 245
  • 60 シェア

桑田佳祐が5年ぶりの全国ツアー「桑田佳祐 LIVE TOUR 2017『がらくた』」の神奈川・横浜アリーナ公演を、12月30日と31日の2日間にわたって行った。

桑田佳祐(撮影:西槇太一)

桑田佳祐(撮影:西槇太一)

大きなサイズで見る(全6件)

8月に発表したニューアルバム「がらくた」を携えて、全国5大ドームを含むツアーを10月から開催していた桑田。ツアーファイナルを含む横浜アリーナ公演では、2時間半以上におよぶ熱唱と洒脱なトークで会場を沸かせ続けた。この記事では、ツアーセミファイナルとなった30日公演の模様を紹介する。

桑田佳祐(撮影:西槇太一)

桑田佳祐(撮影:西槇太一)[拡大]

「がらくた」の文字がステージ後方のスクリーンに浮かび上がる中、バンドメンバーの斎藤誠(G)、中シゲヲ(G)、角田俊介(B)、片山敦夫(Key)、河村“カースケ”智康(Dr)、はたけやま裕(Per)、金原千恵子(Violin)、山本拓夫(Sax)、西村浩二(Tp)、TIGER(Cho)、佐藤嘉風(Cho)がスタンバイ。そして桑田が現れ、「ようこそ、横浜アリーナ!」と大声で叫ぶと、「しゃアない節」でライブの幕開けを飾った。管楽器の音色が桑田の歌声に深みを与える「男達の挽歌(エレジー)」、ノスタルジックなムードが漂う「MY LITTLE HOMETOWN」を経て、桑田が改めて観客に挨拶。「地元横浜に帰ってきました。無事、帰ってくることができました。うれしゅうございます」とホーム・横浜アリーナのステージに立てる喜びを口にし、「皆さんと最後まで幸せな時間を過ごしたいと思います」と呼びかけた。

桑田佳祐「WOWOW presents 桑田佳祐 LIVE TOUR 2017『がらくた』supported by JTB」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(撮影:西槇太一)

桑田佳祐「WOWOW presents 桑田佳祐 LIVE TOUR 2017『がらくた』supported by JTB」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(撮影:西槇太一)[拡大]

「愛のプレリュード」で始まった、次のブロックは「がらくた」の収録曲で構成され、“最新の桑田佳祐”の音楽性や伝えたいメッセージが、映像やレーザー、特効、エバトダンシングチームによるパフォーマンスなどの演出を交えながら表現されていく。桑田はときに艶めかしく、ときに柔らかく包容力のある歌声で、オーディエンスたちを「がらくた」の世界に誘っていく。中盤では「古の風吹く杜」を鎌倉の情景をバックに歌唱したり、「東京」を雨に濡れた東京の景色と呼応するように哀切たっぷりに歌い上げたり、過去の楽曲も挟み込みソロ活動30年の軌跡の一端をオーディエンスに伝えていた。

そして「東京」が生んだ重厚な空気を一変させた「Yin Yang(イヤン)」から再び「がらくた」の楽曲を次々と披露する流れに。来場者に配られた制御型ライト“がらくたライト”が点滅し、客席に星空のような景色を作り出す中で歌唱された「君への手紙」、「私も60過ぎましたけど、まだまだひよっこ!」という言葉から始まった、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」主題歌の「若い広場」など桑田の新たな代表曲が会場に熱狂と興奮をもたらした。また「過ぎ去りし日々(ゴーイング・ダウン)」では、先輩ロッカーへのリスペクトを込めた演出も。貫禄十分の歌いっぷりにあちこちで大歓声が上がっていた。

ライブの後半戦ではソロデビュー曲「悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)」や、会場に夏の空気を送り込む「波乗りジョニー」が会場を大いに盛り上げる。熱気が十分に高まったところで、本編最後に投下されたのは「ヨシ子さん」。スクリーンに投影される極彩色の映像、ステージ両脇に浮かぶ巨大なタヌキや松の木のバルーン、勢いよく噴射されるスモーク、色とりどりの衣装を着たダンサーなど、過剰とも言える演出がカオスな楽曲を彩る。桑田は混沌としたステージの真ん中に立ち、堂々とパフォーマンスを繰り広げた。

桑田佳祐「WOWOW presents 桑田佳祐 LIVE TOUR 2017『がらくた』supported by JTB」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(撮影:西槇太一)

桑田佳祐「WOWOW presents 桑田佳祐 LIVE TOUR 2017『がらくた』supported by JTB」神奈川・横浜アリーナ公演の様子。(撮影:西槇太一)[拡大]

熱烈なアンコールに応えて再び登場した桑田は、まずはエロティックな「スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)」をパフォーマンス。続けて「銀河の星屑」が始まり、観客は「おおっ!」と驚きの声を上げ、桑田の歌声に聴き入った。「白い恋人達」では“がらくたライト”が青白く光り、スクリーンに雪が降る映像が映し出され、ロマンチックなひとときを観客に提供した。「来年が皆さんにとっていい年でありますように!」と叫んだ桑田が続いて歌い上げたのは、ライブの定番曲「祭りのあと」。いちまつの寂しさが会場に漂う中、桑田はファンを優しく包み込むように「明日晴れるかな」を披露した。最後に彼は「皆さん今年もありがとうございました!」とファンへの感謝の思いを伝え、来年の再会を祈っての一丁締めを呼びかける。「パーン!」と凛とした音が響き、ステージ上の演者も観客も笑顔の中でライブは終了した。

この記事の画像(全6件)

桑田佳祐「WOWOW presents 桑田佳祐 LIVE TOUR 2017『がらくた』supported by JTB」2017年12月30日 横浜アリーナ セットリスト

01. しゃアない節
02. 男達の挽歌(エレジー)
03. MY LITTLE HOMETOWN
04. 愛のプレリュード
05. 愛のささくれ~Nobody loves me
06. 大河の一滴
07. 簪 / かんざし
08. 百万本の赤い薔薇
09. あなたの夢を見ています
10. サイテーのワル
11. 古の風吹く杜
12. 悲しみよこんにちは
13. Dear Boys
14. 東京
15. Yin Yang(イヤン)
16. 君への手紙
17. 若い広場
18. ほととぎす [杜鵑草]
19. 過ぎ去りし日々(ゴーイング・ダウン)
20. オアシスと果樹園
21. 悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)
22. 波乗りジョニー
23. ヨシ子さん
<アンコール>
24. スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)
25. 銀河の星屑
26. 白い恋人達
27. 祭りのあと
28. 明日晴れるかな

全文を表示

読者の反応

う こ つ い @新潟市内でなんとなく生存中 @Niigata06406444

【ライブレポート】桑田佳祐、全国行脚を経てホーム横浜に凱旋「皆さんと最後まで幸せな時間を」 - 音楽ナタリー https://t.co/1qWIbRhwF6

コメントを読む(10件)

関連商品

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 桑田佳祐 の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。