MUCCが20周年ライブでKen、シド、GRANRODEO、バクホンらとの“えん”紡ぐ

12

825

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 284 523
  • 18 シェア

MUCCが主催するライブイベント「20TH ANNIVERSARY MUCC祭『えん7 FINAL』in 武道館」が、12月27日に東京・日本武道館で開催された。

「20TH ANNIVERSARY MUCC祭『えん7 FINAL』in 武道館」の様子。

「20TH ANNIVERSARY MUCC祭『えん7 FINAL』in 武道館」の様子。

大きなサイズで見る(全28件)

「えん」はMUCCが過去にさまざまなゲストを招いて行っていた自主企画シリーズで、今回バンドの結成20周年を記念して2010年以来約7年ぶりに行われた。なおゲストアーティストはそれぞれのステージでMUCCのトリビュート盤「TRIBUTE OF MUCC -縁 [en]-」でカバーした楽曲を披露し、夢烏(MUCCファンの総称)たちを喜ばせた。

マオ(シド)

マオ(シド)[拡大]

トップバッターのシドは「Dear Tokyo」で華々しくライブの幕を切り、場内に大合唱を巻き起こした。さらに熱いコールの中でプレイした「one way」を経て、彼らはしっとりと「嘘」を奏でていく。そしてマオ(Vo)が「次の曲は主催者のMUCCに捧げます」と前置きをして、MUCCの楽曲「暁闇」を哀愁漂うアレンジで熱唱した。終盤には「ここから“黒い”シドを出していこうと思います!」と告げ、アッパーチューン「プロポーズ」「眩暈」を続けて披露。オーディエンスが一斉に飛び跳ね、イベントの序盤から会場は熱気に包まれた。

矢野絢子

矢野絢子[拡大]

矢野絢子がステージの中央に置かれたピアノに向き合い、そっと弾き始めたのはMUCCの「リブラ」。芯のある声と緩急を付けたピアノで楽曲の世界観を表現し、オーディエンスの心を惹き付けていった。演奏が終わると会場は割れんばかりの大きな拍手に包まれるも、余韻が冷めやらぬまま「ニーナ」へ。情感あふれるピアノに乗せて伸びやかな歌声が届けられた。その後矢野は会場を見渡し「広い! すごい!」と演奏中とは打って変わって無邪気な様子を見せ、MUCCの結成20周年を祝福。最後には繊細なタッチで「汽笛は泣いて」を演奏し、オーディエンスを魅了してステージを去った。

DEZERT

DEZERT[拡大]

DEZERTは楽曲の世界観に沿ったムービングライトの演出を交えながら、ほぼMCを挟むことなく次々と楽曲を披露。まずは千秋(Vo)が1人でステージに立ち、赤色のスポットライトの下でMUCCの「アカ」をギター1本で歌い始める。楽曲の途中でメンバーが演奏に加わり、切迫感のあるサウンドによって会場に緊張感が漂っていった。「『変態』」では「遊ぼうか!」と煽られたオーディエンスが力強く拳を上げて応える。最後には「生きてるか? 僕も生きてる!」と思いをぶつけるように「『ピクトグラムさん』」をかき鳴らし、大歓声を浴びながら4人はステージをあとにした。

葉月(lynch.)

葉月(lynch.)[拡大]

この日が結成記念日だというlynch.は、1曲目「D.A.R.K.」でヘビーなサウンドを場内に轟かせ観客に強いインパクト与えた。MUCCを祝うと同時に、葉月(Vo)はlynch.が結成13周年を迎えたことについて触れ「この日にこんな素晴らしいステージを用意してくれたMUCCに感謝をしながら、そのファンである皆さんを今日は根こそぎ奪いに来ました!」と宣言。客席をじっくりと見つめMUCCの「茫然自失」を力強く歌い上げ、オーディエンスを激しく踊らせた。最後には葉月が日本武道館でワンマンライブを行うというバンドの夢を熱く語り、彼の渾身のシャウトから「EVOKE」へ。スケール感のあるメロディを美しく響かせ、4人は記念すべき日のアクトを終了させた。

山田将司(THE BACK HORN)と逹瑯(MUCC)。

山田将司(THE BACK HORN)と逹瑯(MUCC)。[拡大]

大きなクラップに迎えられて登場したTHE BACK HORNは、「刃」で熱い歌声と引き締まった演奏を届け、オーディエンスを早速圧倒した。「美しい名前」をじっくりと奏でたあとには、競演をきっかけに最近急速に仲よくなったというMUCCへの祝福の言葉が。松田晋二(Dr)より「俺たちも同世代として、MUCCにちょっとでも何か刺激を与えられるようなバンドでいたい。これからもMUCCにしかできない音楽を突き詰めていってください」という熱いメッセージが送られた。ここでゲストボーカルとしてMUCCの逹瑯(Vo)がステージに現れ、「松田くんは真面目ですね(笑)」と茶化すもうれしそうに笑顔を見せる。山田将司(Vo)と逹瑯のツインボーカルでMUCCの楽曲「最終列車」が披露され、会場は大盛り上がりとなった。

sukekiyo

sukekiyo[拡大]

続くsukekiyoは、1曲目の「leather field」からダークなサウンドとストイックなパフォーマンスでオーディエンスを惹き付ける。ミクスチャーロックのアプローチが印象的な「死霊のアリアナ」に続き、MUCC「ガーベラ」のカバーへ。激しいサウンドに呼応するように、京(Vo)は怒気をはらんだ歌声を聴かせ会場を震わせた。その後もメロウな旋律が印象的な「艶」、シリアスなトーンで魅せる「anima」をMCを挟むことなく投下したsukekiyo。「嬲り」を歌い終えると京は「おやすみ」と言い放ち、マイクを床に叩きつけて去っていった。

N∀OKI(ROTTENGRAFFTY)とミヤ(MUCC)。

N∀OKI(ROTTENGRAFFTY)とミヤ(MUCC)。[拡大]

ROTTENGRAFFTYはN∀OKI(Vo)の「MUCC、20周年おめでとう!」という咆哮を口火に、ライブの定番曲「世界の終わり」やタイトル通り観客を踊らせる「D.A.N.C.E.」などハイボルテージな楽曲をプレイする。N∀OKIとNOBUYA(Vo)が軽やかな掛け合いを聴かせる「響く都」のあとは、MUCCのミヤ(G)が呼び込まれ「蘭鋳」がスタートした。N∀OKIは「何やるかわかるやろ?」と叫び、MUCCのライブには欠かせない1曲をミヤと共に全身全霊でセッション。演奏が終わるとミヤは、ROTTENGRAFFTYの面々と握手をしたり、抱き合ったりして感謝の思いを伝えていた。

GRANRODEO

GRANRODEO[拡大]

このイベントが2017年のライブ納めというGRANRODEOは、「Pierrot Dancin'」をはじめエネルギッシュなナンバーで構成した攻めのセットリストを用意。KISHOW(Vo)は20周年という節目を迎えたMUCCへの祝福の言葉を真摯に述べ、e-ZUKA(G)は「呼んでくれてありがとうございます!」と感謝の思いを叫ぶ。そしてKISHOWは「大切に歌わせていただきたいなと思います」という宣言から、MUCCの「ニルヴァーナ」を高らかに歌い上げた。その後、上着を脱ぎ、サングラスを外したKISHOWは「ナミダバナ」「move on! イバラミチ」を貫禄たっぷりに熱唱。最後は「よいお年を!」という挨拶をもって今年最後のパフォーマンスを締めくくった。

MUCCとDAIGO(BREAKERZ)。

MUCCとDAIGO(BREAKERZ)。[拡大]

開演から6時間半が経過し、いよいよこのイベントの主役であるMUCCが登場。4人のシルエットがステージに浮かび上がると、この日一番の歓声が会場中に響いた。逹瑯が「たくさんの人がMUCCの20周年をお祝いしてくれました。それはさておき主役の登場だ。かかってこい!」と叫んだことを機に、4人は「睡蓮」「ENDER ENDER」とアッパーチューンを堂々としたプレイで叩き込み、主役としての存在感を見せつけていく。

「TONIGHT」セッション中の様子。

「TONIGHT」セッション中の様子。[拡大]

「EMP」ではゲストのKenL'Arc-en-Ciel)がドラマチックなギターで深遠なナンバーに彩りを添え、「フライト」ではDAIGOBREAKERZ)が登場し逹瑯との息の合った歌声で会場を熱狂させた。なおDAIGOは「俺の今日の気持ち“MUCC”。マジ(M)、うれしい(U)、超(C)、超(C)」と独特のDAI語を炸裂させ、メンバーと夢烏の笑いを誘っていた。対バンツアーで共演したFLOWに伝授された“ビッグウェーブ”を会場に巻き起こし、観客を一斉にジャンプさせる「蘭鋳」を経て「TONIGHT」でイベントはクライマックスに突入した。逹瑯の「いろんな人に助けられてここまで来れました。最後にもうちょっとだけ、人の力を借りようと思います」という言葉からKen、シドの明希(B)ことAKi、MERRYのガラ(Vo)というMUCCと縁の深い面々が登場。ラストナンバーの「TONIGHT」が始まる。過去への思いと未来への希望をにじませた歌詞を、逹瑯とガラは観客と共に熱唱。大サビに入った瞬間、金テープが天井に向かって発射され祝福ムードの中で8時間におよんだイベントは終了した。

この記事の画像(全28件)

「20TH ANNIVERSARY MUCC祭『えん7 FINAL』in 武道館」2017年12月27日 日本武道館 セットリスト

シド

01. Dear Tokyo
02. one way
03. 嘘
04. 暁闇
05. プロポーズ
06. 眩暈

矢野絢子

01. リブラ
02. ニーナ
03. 汽笛は泣いて

DEZERT

01. アカ
02. 「擬死」
03. 「変態」
04. 「ピクトグラムさん」

lynch.

01. D.A.R.K.
02. CREATURE
03. 茫然自失
04. GALLOWS
05. pulse_
06. EVOKE

THE BACK HORN

01. 刃
02. シンフォニア
03. 美しい名前
04. 最終列車(with逹瑯)
05. コバルトブルー

sukekiyo

01. leather field
02. 死霊のアリアナ
03. ガーベラ
04. 艶
05. anima
06. 嬲り

ROTTENGRAFFTY

01. 世界の終わり
02. D.A.N.C.E.
03. 響く都
04. 蘭鋳(withミヤ)
05. 「70cm四方の窓辺」
06. 金色グラフティー

GRANRODEO

01. Pierrot Dancin'
02. ROSE HIP-BULLET
03. ニルヴァーナ
04. ナミダバナ
05. move on! イバラミチ

MUCC

01. 睡蓮
02. ENDER ENDER
03. 謡声(ウタゴエ)
04. KILLEЯ
05. G.G.
06. EMP(with Ken
07. フライト(with DAIGO
08. 名も無き夢
09. ハイデ
10. 蘭鋳
11. TONIGHT(with Ken&ガラ&AKi)

全文を表示
撮影:西槇太一 / 白石達也

読者の反応

歌謡ロックbot @kayourock

MUCCが20周年ライブでKen、シド、GRANRODEO、バクホンらとの“えん”紡ぐ #MUCC #THE_BACK_HORN #MERRY https://t.co/xXJu6vEvoA

コメントを読む(12件)

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 MUCC / シド / lynch. / THE BACK HORN / sukekiyo / ROTTENGRAFFTY / GRANRODEO / L'Arc-en-Ciel / Ken / DAIGO の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。