コラボ尽くしの7時間!NICO企画でスカパラ、クリープ、TK、パスピエ、ブルエン競演

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NICO Touches the Walls企画のライブイベント「1125/2017 -ニコフェスト!-」が、“1125の日”にあたる11月25日に千葉・幕張メッセ国際展示場にて行われた。この記事ではイベントの模様と、出演者のコメントを紹介する。

NICO Touches the Wallsとスカパラホーンズによるセッションの様子。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

NICO Touches the Wallsとスカパラホーンズによるセッションの様子。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

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今回の「1125/2017 -ニコフェスト!-」は、バンドと縁のあるゲストアーティストを招いての形で行われ、それぞれの代表曲を交えたライブと、NICO Touches the Wallsのメンバーとのコラボなど、この日限りのパフォーマンスを披露した。

ACO Touches the Walls(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

ACO Touches the Walls(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)[拡大]

“前座”のACO Touches the Wallsは光村龍哉(Vo, G)の「先輩たちにバトンを渡せるようにここでガツンと盛り上げたいと思います」という挨拶からゆったりとセッションを開始。カントリーテイストの「手をたたけ」を皮切りに、サポートの浅野尚志もアコースティックギターを抱えトリプルギターの妙で観客を楽しませた「ニワカ雨ニモ負ケズ」、古村大介(G)がバンジョーをかき鳴らし、坂倉心悟(B)が太いグルーヴを生み出した「THE BUNGY」、全員がドラムスティックを持ち対馬祥太郎(Dr)を中心にリズムセッションを繰り広げてから始まった「マシ・マシ」などACOの魅力を存分に発揮したステージとなった。

「Survivor」をセッションするBLUE ENCOUNTと古村大介(NICO Touches the Walls)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

「Survivor」をセッションするBLUE ENCOUNTと古村大介(NICO Touches the Walls)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)[拡大]

光村の「最高の1日にしてください」という挨拶に続いたのはBLUE ENCOUNT。彼らは豪快かつスピード感あふれる「LAST HERO」をはじめ、新旧のシングル曲を中心にしたセットリストをもとにアグレッシブなパフォーマンスを披露していく。江口雄也(G)が「THE BUNGY」のイントロを弾き観客を喜ばせる一幕もあった中、ひと際盛り上がりを見せたのは古村が“助っ人”として招かれた「Survivor」。田邊駿一(Vo, G)は「マジで本気でファンとして歩んできたので、今日は夢が叶った気分です」と興奮気味にNICOファンであることを熱弁し、起爆剤とばかりに「4人の力じゃ無理。困ったときに助けてくれるヒーローがいるんです。アニキー!」と古村を呼び込みセッションを開始する。古村が奏でる轟音と伸びのあるコーラスが、ライブの定番曲に破壊力を加え熱狂を生み出していた。

パスピエのパフォーマンス中の様子。サポートドラムは対馬祥太郎(NICO Touches the Walls)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

パスピエのパフォーマンス中の様子。サポートドラムは対馬祥太郎(NICO Touches the Walls)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)[拡大]

続くパスピエのステージには、対馬が全編にサポートドラムで参加。大胡田なつき(Vo)の「初めまして。今日はこの方をお迎えしてます」という言葉で対馬の顔がスクリーンに映し出されるとオーディエンスは大歓声を上げた。パスピエは、対馬による挨拶代わりのドラムソロを経て1曲目の「チャイナタウン」へ。手数が多い対馬のドラミングはパスピエの多彩でポップな楽曲群にマッチし、NICOのライブとは異なる一面を観客にアピールする。大胡田はMCで「今回は対馬さんの豪華な使い方をさせてもらって」と遠慮気味に口にしつつ、朗らかでコケティッシュな歌声を堂々と聴かせた。そして、成田ハネダ(Key)の躍動的なプレイが炸裂する「正しいままではいられない」でパスピエと対馬の初セッションは終了した。

「Aurora(Prelude)」をセッションするTK from 凛として時雨と光村龍哉(NICO Touches the Walls)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

「Aurora(Prelude)」をセッションするTK from 凛として時雨と光村龍哉(NICO Touches the Walls)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)[拡大]

TK from 凛として時雨は、映像演出を交えながらのライブを披露。張り詰めた空気の中で始まった「subliminal」では、曲と映像の展開と共にTKの声は激しさを増し、オーディエンスに鮮烈な印象を与えた。TKは次々とシリアスな音世界を描き出しつつ、MCでは同世代であるNICOのメジャーデビュー10周年を祝福。「10年以上前に下北沢のQUEで対バンをして、一緒にフェリーに乗ってツアーに回って……当時はこんなにたくさんの人たちの前でできるなんて夢にも思わなかったので。最後までがんばりますので、よろしくお願いいたします」と述べ、ときに切なく柔らかな、ときにたぎるような歌声を会場中に響かせた。「最後に1曲だけゲストを迎えてやっていいですか?」というTKの紹介で光村がステージへ。驚く観客を前に光村が「めったに観られないと思いますよ。男のボーカルと一緒に歌うの初めてらしいじゃん?」と水を向けると、キーボードの前に座ったTKははにかみながら「はい」と答える。そして始まったのはNICOの「Aurora(Prelude)」。2人は交互にボーカルを取りながら、繊細なバラードを歌い上げオーディエンスを酔わせた。

光村龍哉(NICO Touches the Walls)と尾崎世界観(クリープハイプ)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

光村龍哉(NICO Touches the Walls)と尾崎世界観(クリープハイプ)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)[拡大]

尾崎世界観(Vo, G)の「やります」というひと言から、クリープハイプのライブはスタート。4人はオープニングナンバーの「二十九、三十」で穏やかな空気を作り出したのも束の間、疾走感のある「君の部屋」、ライブの定番曲「イノチミジカシコイセヨオトメ」、複雑なアンサンブルを聴かせる「鬼」などタイプの異なる楽曲を続け会場を沸かせた。終盤で尾崎は「ゲストを呼びます。こんな俺と友達でいれくれてありがとう」と照れくさそうに口に光村を紹介。「5%」を光村と息を合わせるように丁寧に歌い上げ、会場を優しく包み込んだ。しかし深い余韻が残る中、2人は歌い出しを間違えたと反省会を始める。最終的には「お前のミスは、全部俺のミスだから」という尾崎のひと言で話は着地。光村を送り出したあと尾崎は「今日こうやって一緒にステージに立ててすごく幸せでした」としみじみと口にし、歌詞を噛み締めながら最後に「傷つける」を届けた。

東京スカパラダイスオーケストラと「ラッパと娘」をコラボする光村龍哉(NICO Touches the Walls)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

東京スカパラダイスオーケストラと「ラッパと娘」をコラボする光村龍哉(NICO Touches the Walls)。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)[拡大]

東京スカパラダイスオーケストラは登場するなりキラーチューン「Paradise Has No Border」と「DOWN BEAT STOMP」を叩き込み、会場に陽気で情熱的な空気を送り込む。客席の狂騒を煽るように谷中敦(B.Sax)は「生で観れるのは、めちゃくちゃレアなんだよ!」とさっき出番を終えたばかりの尾崎を呼び込み、コラボ曲「爆音ラヴソング」「めくったオレンジ」をプレイ。尾崎はマイクスタンドに手をかけ、スカパラの奏でる心地よいグルーヴに身を委ねていた。コラボはこれに限らず、ライブの後半では光村とのセッションも実現。「今日初めて一緒にやります。スペシャルゲスト光村龍哉!」という谷中のシャウトを合図に笠置シヅ子「ラッパと娘」のカバーが始まる。光村は官能的な管楽器の調べに艶のある歌声を絡ませ、ボーカリトストとしての貫禄と実力をオーディエンスに見せつけた。

NICO Touches the Walls(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

NICO Touches the Walls(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)[拡大]

トリはもちろん主催のNICO Touches the Walls。まずは毎年11月25日にしか披露しない「1125のテーマ」を挨拶代わりに捧げる。ゴキゲンな1曲に続いたのは、ギターロックバンドとしての真骨頂を見せる豪快な新曲「mujina」。勢いに乗ったメンバーはそのまま「THE BUNGY」になだれ込み、会場内のお祭り騒ぎに拍車をかけた。

光村は「すでに感無量です」とゲストたちとのコラボを振り返り「この11月25日、なかなかやれない曲をやる日になってます。こっからはそういうゾーンです」と、サイケデリックなムードを増幅させた「ストロベリーガール」で中盤のブロックに突入した。光村の言葉通り4人はライブの定番曲だけでなく、普段はあまり演奏しないナンバーも披露。坂倉の弾むようなベースに乗せて進行する「ブギウギルティ」、古村と対馬の美しいコーラスを十二分に生かす、音数を減らしたアレンジに生まれ変わったバラード「梨の花」が披露された。さらに痛快なメロディとサウンドが特徴の新曲「Funny Side Up!」や、スケール感たっぷりのロックチューン「Ginger lily」を初披露し、「ニコフェスト」にふさわしい熱演で会場中を魅せていく。

NICO Touches the Wallsとサポートの浅野尚志。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)

NICO Touches the Wallsとサポートの浅野尚志。(Photo by HAJIME KAMIIISAKA)[拡大]

本編最後のMCで光村は「このバンドを始めたときは、こんなにどデカイ会場で自分たちのフェスができるなんて思ってなかったです。目標にもしてなかったし。でも、この10年の中でいろんな友達ができて、仲間ができて、自分の中でただの趣味でしかなかった音楽がいつのまにか自分の人生になって。自分の人生が自分たちの人生になって。それに重みを感じることもあったんだけど。ホントに冗談抜きで、お世辞抜きで、今日1日過ごしてたら不安が何ひとつなくなりました」と微笑み、「なんでもない1日が大事な記念日になりました」と充実感をにじませていた。

アンコールで届けられたのは、ACO Touches the Wallsが1曲目として披露した「手をたたけ」の“本家バージョン”。「初めてやることをやって終わろうと思います!」という光村の叫びに呼ばれスカパラホーンズが登場し、ダイナミックなアンサンブルでラストナンバーを彩る。観客の叩く美しいハンドクラップが会場中に響きわたり、幸せな一体感に満たされて「ニコフェスト」は閉幕した。

出演者コメント

NICO Touches the Walls

光村龍哉
NICOを続けてきてよかったなと、今日ほどそれを思った日はなかったですね。自分たちの存在を確かめた1日と言うか。出演者もお客さんも、スタッフも含めていい仲間に恵まれたんだなって。本当はもっと疲れると思ったんですけど、終わってみたら癒されていました(笑)。1日中愛にあふれてました。

古村大介
初めての自分ら主催のフェスということで、コラボ以外にも楽屋なんかにいろいろ準備して……そういうものを含めてできたのがためになったなと。新しい経験ができたのがよかったです。これをきっかけに新しい扉が開けたのが何よりです。

坂倉心悟
今日はめちゃくちゃ楽しかったし、充実感のある1日でした。出演してくれた全アーティストのファンなので、ステージを観ながらずっと感動してたんですよね。泣きそうになるタイミングがいっぱいあって、愛にあふれたイベントだったなと思います。改めて音楽好きだなって思わされた1日でした。

対馬祥太郎
ホントに大成功に終わってうれしく思っております。皆さんありがとうございます。「フェスをやったあと『またやりたいね』と思うか、『もういいや』って思うかどっちかだよね」ってメンバーと話してたんですけど、俺はまたやりたいですね。面白かったです。

BLUE ENCOUNT(田邊駿一)

いいライブができたなと自分たちが思うくらい、NICOのファンの皆さんが温かくて、安心したのがすごいありますね。NICO先輩が10周年ということで、歩いてきた軌跡というか、それが浸透してるのがわかったので、これからも一生に足元に付いてまいりますのでよろしくお願いします。

パスピエ

成田ハネダ
アコースティックをやったり、本体としてのライブがある中、対馬さんにはパスピエで叩いてもらって本当にありがたかったです。

大胡田なつき
お客さんが本当にあったかくて、パスピエ観るお客さんたくさんいる中、手を振ってくださったりいいファンをお持ちだなと思いました。

露崎義邦
対馬さんには人柄的にも助けられた部分がありましたね。プレイと人間味と素晴らしいドラマーだなって。感謝しかないです。

三澤勝洸
対馬さんの表情がいいんですよね。横でプレイしているとニコニコしちゃう。ニコだけに(笑)。

TK from 凛として時雨

最後の曲(「Aurora(Prelude)」)を一緒に演奏できて、僕はそれだけで感無量です。みっちゃんにはウチのスタジオに来てもらって1回合わせたんですが、10年前に対バンしたときと話している温度感はまったく変わっていなくて。10年経った気がしなかったんですよね。今日来てたNICOのファンの方々はお客さんとか、時雨とNICOが対バンしていたというイメージがないと思うんで、この日限りのサプライズなコラボができたんじゃないかなと思います。

クリープハイプ(尾崎世界観)

急遽「5%」の冒頭を2人で歌うというのに切り替えたんですけど、結果よかったですね。みっちゃんが選んでくれた曲なんですよ。また「歌いたい」って言ってもらえる曲を、こういう機会のときのためにもっと作らなきゃと思いました。お客さんも温かくて、真面目に音楽に向き合ってるからこそこういうお客さんが付いてるんだなって。出れてよかったです。今度は自分たちのお客さんをNICOに観てもらいたいですね。

東京スカパラダイスオーケストラ(谷中敦)

NICOと共演は今日が初めてだったんですが、NICOの演奏のレベルも高いし光村くんも相当きっちりした歌い手なので、本当に今日の共演を楽しみにしていました。光村くんは日本が誇るロックボーカリストですよね。あんなにソウルフルでロックボーカリストとしてのセクシーさもありながら、フェイクっぽく歌ったときに甘さが一切なくて。リズムもピッチも正確で、あれだけ丁寧に歌える歌手は貴重ですよ。

「手をたたけ」にホーンを入れてライブでやるのは初めてだったらしいんですけど楽しかったですね。機会があったら一緒に音源を作ってみたいな気持ちになりました。あと新曲の「Funny Side Up!」がむちゃくちゃ好きで、「James Gangみたいだね」ってメンバーにも言ったんですが、NICOは洋楽に対する知識もあって、いい意味で音楽研究会みたいなサークル感があって、そういうところもリスペクトしてますね。いい大人のサークルですね。最高です!

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「1125/2017 -ニコフェスト!-」2017年11月25日 幕張メッセ国際展示場7・8 セットリスト

ACO Touches the Walls

01. 手をたたけ
02. ニワカ雨ニモ負ケズ
03. THE BUNGY
04. マシ・マシ

BLUE ENCOUNT

01. LAST HERO
02. VS
03. Survivor
04. HEEEY!
05. ロストジンクス
06. DAY×DAY
07. もっと光を

パスピエ

01. チャイナタウン
02. フィーバー
03. 名前のない鳥
04. 花
05. シネマ
06. MATATABISTEP
07. 正しいままではいられない

TK from 凛として時雨

01. subliminal
02. flower
03. Dramatic Slow Motion
04. contrast
05. 新曲
06. unravel
07. Fantastic Magic
08. Aurora(Prelude)

クリープハイプ

01. 二十九、三十
02. 君の部屋
03. オレンジ
04. イノチミジカシコイセヨオトメ
05. 鬼
06. イト
07. 5%
08. 傷つける

東京スカパラダイスオーケストラ

01. Paradise Has No Border
02. DOWN BEAT STOMP
03. 爆音ラヴソング
04. めくったオレンジ
05. Samurai Dreamers<サビレルナ和ヨ>
06. スキャラバン
07. ラッパと娘
08. ペドラーズ
09. All Good Ska is One

NICO Touches the Walls

01. 1125のテーマ
02. mujina
03. THE BUNGY
04. ホログラム
05. ストロベリーガール
06. ブギウギルティ
07. 梨の花
08. Funny Side Up!
09. 天地ガエシ
10. バイシクル
11. Ginger lily
<アンコール>
12. 手をたたけ

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