7月にスタートした「真夏の全国ツアー2017」のファイナルとして行われたこの公演は、乃木坂46にとって初となる東京ドームでの単独公演。デビューから約5年8カ月でこの舞台にたどり着いた彼女たちは、2日間で約10万人を動員。3時間超の熱気に満ちたパフォーマンスを披露して観客を魅了した。この記事では昨日11月8日に行われた公演の模様をレポートする。
開演時刻の18:00を回ると、どこからともなく手拍子の音が湧き上がる。この手拍子を煽っていたのは会場の警備員たちで、彼らは手を叩きながら次々とステージへ上がっていった。いつの間にか舞台上は警備員やスタッフ、大勢の女子高生で埋め尽くされ、彼らは「overture」に乗せてダンスをしながらファンの熱を高めていく。熱狂の中メインステージ上部からセーラー服姿の乃木坂46メンバーが姿を見せると、彼女たちは1曲目に「制服のマネキン」をドロップ。総勢460人のフラッシュモブダンサーと共に冒頭から力強いパフォーマンスで観客を圧倒した。
「夏のFree&Easy」で西野七瀬が「東京ドーム、最高の時間にするぞー!」と叫ぶと、メンバーは早着替えをして会場後方のサブステージへと長く伸びる花道へ駆け出していく。「太陽ノック」ではさっそくトロッコに乗って、観客のより近くで笑顔を弾けさせるメンバー。センターの生駒里奈は「笑顔のホームラン打つ準備できてますかー!」と思い切り叫んだ。
夏曲を連投したオープニングを終えると、最初のMCへ。キャプテンの桜井玲香は「記念すべき東京ドーム。最後まで楽しんでいってくださいね!」とファンを歓迎する。前日の同所での公演で汗をかきすぎて「完全なるお風呂上がり」になってしまったという西野は「ライブのあとに初めてペットボトルのお水を一瞬で飲み干してしまって。東京ドームってすごいなって思いました」と個性的な表現でドームのステージに立った感想を伝えていた。
「すべてはこの曲から始まった」というナレーションで始まったのはデビュー曲の「ぐるぐるカーテン」。メンバーはキュートにこの曲を歌い、続く「バレッタ」ではセンターの堀未央奈がメンバーを率いて花道を闊歩する。またこのセクションには三期生メンバーも登場し、「三番目の風」のフレッシュなパフォーマンスで観衆の声援を誘っていた。「他の星から」「でこぴん」「あらかじめ語られるロマンス」といった人気のユニット曲が次々と届けられた場面では、「でこぴん」を歌った高山一実が「初東京ドーム、アメイジング!!」とドームでもしっかり決めゼリフを叫び満足げな笑みを浮かべる。「ダンケシェーン」「ハウス!」ではメンバーが馬車の形をした大きなフロートに乗って一層の声を求め、客席からの大きなコールに生田絵梨花は「地鳴りがする! こんな迫力初めて感じてます。ダンケシェーン!」と感謝を伝えた。
生田と松村沙友理のユニット・からあげ姉妹と三期生による、気持ちを“アゲる”声出しコーナーを経てライブは後半戦へ。ここでコールされたのは19thシングルのアンダーメンバー、さらには過去にアンダーを経験し努力を重ねてきた齋藤飛鳥、衛藤美彩、新内眞衣といった面々だった。最後に伊藤万理華の名前が呼ばれ、彼女がセンターポジションに就くと「ここにいる理由」へ。彼女たちは5万人の声援を受けながら19thシングルアンダー曲「My rule」まで5曲を力強く歌い踊り「まさか東京ドームでアンダー曲が歌えるなんて」と感慨深げに口を開いた。
「My rule」が終わると、サブステージに西野が1人で姿を見せる。彼女はサブステージの床面に映し出されるグラフィックと連動したソロダンスを踊って観客の視線を一身に集めると、動きの中でメンバーを呼び込み「命は美しい」へとつなげた。仄暗い照明と無数に飛び交うレーザーの中、彼女たちが鋭い眼差しを客席へ向けたパフォーマンスに大きな歓声が送られると、センターステージには与田祐希と大園桃子の姿が。2人が優雅に舞った「逃げ水」ではファンが照らす青一色のペンライトの光と舞い上がる無数のバルーンが幻想的な光景を作り出していた。
続く「インフルエンサー」で白石麻衣が火柱を操り情熱的に楽曲を歌い踊ると、「君の名は希望」は生田のピアノ伴奏のみで届けられた。生田、生駒、星野みなみの歌い出しからメンバーは順番に声を重ねていき、ドームの大きな空間に彼女たちのハーモニーが響き渡る。そして本編最後の曲を前にメンバーはマイクを取り、それぞれの思いを語っていく。デビュー当初は自信が持てなかったと明かした生駒は「自信を持つって、こういうことなのかなって今日すごく実感しました。ここでみんなと笑顔で歌って踊ること。それを気付かせてくれたメンバーとファンの皆さんに感謝を伝えたいです」と伝える。白石は「こんなにも素敵な景色を見せてくれてありがとうございます」と感謝し、堀は涙を浮かべながら「最初は不安ばかりで目の前が真っ暗だったときもあったけど、今はライブがすごく楽しい。こうして楽しめていることが何よりうれしいです」と言葉をつないだ。
西野は「乃木坂って、私の人生の中ですごく大きいことだから……これからもどんどん変わっていくと思うけど、その姿をずっと見ていてください」とファンに呼びかける。生田は「この6年、続けてこられてよかったと心から感じられました」と笑顔を見せると「ここに今立てているのは卒業していったメンバーの力もある。出会いと別れがありますが、これからもどんどんバトンをつないで、ここからまた坂を上り続けていけたら」と前を向いた。最後に挨拶に立った齋藤は「こうして自分たちの足でここに立てていることが、大事なことだと思います。今は『どこまでも上へ、登っていきたい』とすごく感じています」と伝える。未来へ向けた強い意志を見せたメンバーたちが最後に披露したのは「いつかできるから今日できる」。この曲を終えると彼女たちはステージセットに設けられた長い坂道を上がってセットの最上部まで歩みを進めた。「ここの高さは、一番上の客席の皆さんと同じくらいの高さです!」と説明した桜井は「ここがスタートだと思います。これからもいろんな景色を一緒に見ていきましょう!」と呼びかける。彼女の言葉を合図にメンバーは深い礼をして、セットの奥へと姿を消した。
アンコールは「おいでシャンプー」でスタート。5台の大きなフロートに乗り込んだメンバーは力いっぱい客席に手を振って会場を盛り上げ、ファンはこれに力強いコールで応える。「ガールズルール」で白石が「全部出し切れー!!」とシャウトすると、熱気は最高潮に。カラフルなペンライトの声援を受けて、メンバーは笑顔を弾けさせた。
4曲を終えると桜井は「6年前は蕾だった私たち、今日こんなに素敵なステージで花を咲かせることができました。今日ここで生まれた種をもっと広いところに運んでいきたい。皆さんの力を借りて、乃木坂46をもっと成長させていきたいと思います」と誓った。「最後はやっぱりあの曲で!」と彼女が言うと、ファンは一斉に紫色のペンライトを点灯させ、メンバーと観客はひとつになって「乃木坂の詩」を合唱する。すると、ここでファンからメンバーへのサプライズが。曲を歌い終えて礼をしたメンバーが頭を上げると客席にはペンライトの光で「乃木坂46 アリガトウ」の文字が浮かび上がっており、これを見つけたメンバーの目にはみるみるうちに涙がこみ上げる。思いがけないプレゼントをもらい言葉を失った46人を代表し、桜井は「みんな大好きです! 皆さんをもっとすごい所へ連れていきます!」と思い切り叫んだ。
アンコールを終えても止まない歓声に応え、メンバーはダブルアンコールのステージに登場した。彼女たちが東京ドーム公演の最後に選んだのは「きっかけ」。グループからの卒業を発表している伊藤は桜井と手を繋いでメンバーの先頭に立って花道を歩き、同じく卒業を発表している中元日芽香はメンバーが作ったアーチをくぐって笑顔を浮かべる。会場後方のサブステージに着くと、伊藤と中元はお互いの手を握り、瞳を潤ませながら歌声を響かせた。曲を終えると2人は挨拶に立ち、中元は「私は『君の名は希望』の『未来はいつだって新たなときめきと出会いの場』という歌詞が大好きで。まりっかと乃木坂46の未来もときめきにあふれるすてきなものになると信じています!」と伝える。伊藤は「ありきたりかもしれないけれど、皆さんの応援があって大好きなメンバーがいたからこそ、私はアイドルとしてステージに立てていたんだと思います。これからがスタートだと思うので、ここから突っ走っていきたいと思います。乃木坂46のことをどうかよろしくお願いします!」と涙ながらに語った。2人の言葉でライブは終幕。挨拶を終えると2人は後ろを向き、扉の奥で待つメンバーのもとへと駆け寄っていった。
乃木坂46「真夏の全国ツアー2017 FINAL!」
2017年11月8日 東京ドーム セットリスト
01. 制服のマネキン
02. 世界で一番 孤独なLover
03. 夏のFree&Easy
04. 裸足でSummer
05. 太陽ノック
06. ぐるぐるカーテン
07. バレッタ
08. 三番目の風
09. 思い出ファースト
10. 他の星から
11. でこぴん
12. あらかじめ語られるロマンス
13. ダンケシェーン
14. ハウス!
15. ここにいる理由
16. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
17. 君は僕と会わない方がよかったのかな
18. 生まれたままで
19. アンダー
20. My rule
21. 命は美しい
22. 逃げ水
23. インフルエンサー
24. 君の名は希望
25. 何度目の青空か?
26. いつかできるから今日できる
<アンコール>
27. おいでシャンプー
28. ロマンスのスタート
29. ガールズルール
30. 設定温度
31. 乃木坂の詩
<ダブルアンコール>
32. きっかけ
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