Hi-STANDARD、現在進行形の姿見せた「THE GIFT」ツアー初日

Hi-STANDARDが10月26日に東京・TSUTAYA O-EASTにてライブツアー「THE GIFT TOUR」の初日公演を開催した。

このツアーは彼らが18年ぶりにリリースしたアルバム「THE GIFT」を携えて行っているもの。12月まで全13公演で、チケットの申し込みには40万通を超える応募が集まった。横山健（G, Vo）はツアー前に自身のブログを更新し、全公演でセットリストが異なることをアナウンスしている。

この日のゲストは、HATANO（Dr）いわく“（Hi-STANDARDの）日本一の後輩”・HAWAIIAN6。彼らは「THE GIFT」と同じ日にリリースした最新アルバム「Beyond The Reach」の収録曲や、横山が作詞作曲を手がけた「TINY SOUL」、「大好きなHi-STANDARDへ」との思いを込めた「A LOVE SONG」など新旧の楽曲を届けてオーディエンスのテンションを引き上げていく。また「リハから涙が止まらない」とHi-STANDARDとの初めてのツーマンライブに感激を隠せないHATANOは、この着用しているTシャツが20年以上前にHi-STANDARDの東京・赤坂BLITZでのライブで横山にサインをねだったものだと言い、「対バンするその日まで袖は通さないと決めて。そんなＴシャツが着れる素晴らしい夜へようこそ！」と並々ならぬ思いを口に。さらに「信じられるか？」と横山と共にバイトをしていた16歳の頃から、これまでのHi-STANDARDとの思い出を回想。「そんな夢みたいな30年を過ごしてここにいられて幸せに思います」と思いを吐露した。「終わるのが寂しい」と話していた彼も、終盤には「今日で終わりじゃねえんだよな。また必ずこのツーマンができることを信じて」と熱い決意を語る。そしてバンドは「PROMISE」「LIGHT AND SHADOW」を、1音1音噛みしめるように届け、何度も「ありがとうございました！」と感謝の言葉を重ねるとすがすがしい表情でステージをあとにした。

この日のHi-STANDARDは、アルバムの1曲目「All Generations」でライブをスタート。さっそくフロアにはモッシュやクラウドサーファーが続出する。3人はその後「Summer Of Love」「Close To Me」といった過去曲を続けたかと思えば、「新曲をやるのがハイスタのアティチュードだから」と横山が言っていた通り、「The Gift」「We're All Grown Up」「Free」といった新作収録曲も届ける。フロアからは過去曲はもちろん、新曲でも盛大なシンガロングや「オイ！オイ！」という掛け声が上がり、メンバーはうれしそうに笑顔を見せていた。また曲間にはメンバーがフロアからの呼びかけに気さくに答えていく。この日が誕生日だというファンの声を拾うと、突然横山が「Happy Birthday to You」を弾き始め、さらに彼らをステージに上げそのまま次曲「Time To Crow」のコーラスを担当させる場面もあった。

ファンの「待ってた！」との声に対し横山は照れ隠しに「知るかよ」と言ってみせたあと「俺もナンちゃんもツネもみんなと同じように今日の日を待ってた」と返す。また「みんなが知ってくれてる曲も楽しいし、新曲をぶちかますのも楽しい。現在進行形を見せられるのがうれしい」と明かし、難波章浩（Vo, B）もしきりに「最高だね！」と声を弾ませていた。難波と横山はたびたび恒岡章（Dr）のもとへ駆け寄り顔を見合わせてタイミングをあわせたり、互いの弦を弾きあったりと、楽しそうにプレイ。横山によるギターソロや恒岡によるドラムソロ、「Pacific Sun」「Pink Panther」といったインストゥルメンタルナンバーなどもたびたび挟まれ、3人は確かな演奏力も見せつける。彼らの熱演に呼応するように、フロアからはひっきりなしに盛大なシンガロングが発生していた。最後に難波は「今日はHi-STANDARDの新しいスタートって言うか……これが本当のハイスタっす！」と胸を張り、「これからもっとパワーアップしていくのでよろしくお願いします」とファンへメッセージを送った。演奏後には横山が恒岡を客席へ投げ入れ、自身もダイブするなど、3人は最後まで楽しそうにステージ上ではしゃいでツアーの初日を堪能していた。