SEKAI NO OWARIが全国に思い届けた「ブレーメン」ライブ、横浜で終幕

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SEKAI NO OWARIによる動物殺処分ゼロ支援プロジェクト「ブレーメン」の活動支援公演が、9月に4公演にわたって開催された。この記事では9月28日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで行われた最終公演の模様をレポートする。

SEKAI NO OWARI(撮影:上山陽介)

SEKAI NO OWARI(撮影:上山陽介)

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「ブレーメン」は、2016年度で約5万6000頭の犬や猫が殺処分されている現状を変えるため、SEKAI NO OWARIとNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が立ち上げた支援プロジェクト。今年で2回目となった支援ライブは米子、佐賀、横浜の3都市で行われ、収益はプロジェクトの支援金として寄付される。

ライブ前に行われたトークセッションの様子。(撮影:上山陽介)

ライブ前に行われたトークセッションの様子。(撮影:上山陽介)[拡大]

ライブの前にはSEKAI NO OWARIのFukase(Vo, G)と、ピースウィンズ・ジャパンの大西純子氏によるトークセッションが行われ、2組の出会いや「ブレーメン」の活動意義、動物殺処分の現状などについて語り合った。Fukaseは「ブレーメン」の活動について「大義めいたことは持っていないけれど、倒れている人がいたら手を差し伸べるのに深い理由はないと思っています。最初はバンドとして何ができるかわからなかったけど、こういうことをやったらいいんだと手探りで見つけていきました」と振り返った。

また、大西氏は昔よりも殺処分される動物は減っているものの、まだ1日あたり153頭の動物が殺処分されている現状を語り、「ペットを買うときには保護犬、保護猫という選択肢があることを知ってほしい」と説明。さらにFukaseは11月19日に千葉・幕張メッセ国際展示場4ホールで、保護犬や保護猫と触れ合えるイベント「ブレーメンパーク」が行われることも告知し「今日のライブとトークを通じて、少しでも何かを知るきっかけになったらいいなと」と思いを語った。

トークに続いて行われたライブは、昨年と同様に演出を極力排したシンプルなアコースティックセットのステージ。メンバー4人にドラマーとベーシストを加え、このライブのためだけのスペシャルなアレンジで幅広い楽曲が届けられた。

Fukase(Vo, G)(撮影:上山陽介)

Fukase(Vo, G)(撮影:上山陽介)[拡大]

1曲目の「RAIN」では、FukaseとNakajin(G)が美しいハーモニーを響かせ、オーディエンスは着席したままうっとりと聴き入る。続く「深い森」では、Saori(Piano)が奏でる柔らかなピアノのイントロに合わせて観客の手拍子が。軽快な導入部から後半の壮大なアンサンブルへの展開でファンを圧倒していった。

Saori(Piano)(撮影:上山陽介)

Saori(Piano)(撮影:上山陽介)[拡大]

シンプルなアレンジで寓話のような歌詞の世界を彩った「スノーマジックファンタジー」が終わると、Nakajinは「今日で最終日。無事に来れてよかったと思ってます」と4公演を振り返った。そして先日第1子妊娠を発表したSaoriの体調をいたわると、客席からは「おめでとう!」という祝福の声が起こった。

昨年の公演に続き、今回もDJ LOVE(DJ)はパーカッションを中心としたさまざまな楽器を奏でる。Saoriに促されて見事なカホンソロを披露したDJ LOVEは、バンドのデビュー前に路上ライブを計画して初めてカホンを購入したエピソードを明かした。その後4人はデビュー前に、この日の会場に近いみなとみらいでも路上ライブを行ったことなど、昔話を楽しそうに語り合う。Fukaseが「横浜は思い出が出てくるねえ」と笑顔を見せたあとは、ライブで演奏するのは久しぶりという「TONIGHT」と「プレゼント」を披露。Nakajinがボーカルを務めた「TONIGHT」ではまっすぐな歌声と力強いギターストロークを響かせ、Fukaseは「プレゼント」でハンドマイクを手にステージを歩き、会場の隅々まで歌声を届けた。

続いては昨年の「ブレーメン」ライブに続きカバー曲を披露する、とFukaseが告げた。「知り合いの子供の合唱を観に行かせてもらって、そのとき聴いた曲を」と彼が語ったカバー曲は馬場俊英の「弱い虫」。語りかけるような声で歌い始めたFukaseだが、後半ではエモーショナルに声を張り上げ、最後は感極まったように宙を見上げていた。

その後の「虹色の戦争」が始まるとオーディエンスは思わず立ち上がり、軽快なリズムに身を委ねた。デジタルサウンドに彩られたオリジナルバージョンとは違った、温かみのあるアンサンブルがホール内に響く。さらに赤いライトと生々しいサウンドが曲の世界を盛り上げた「世界平和」、ジャズ調のアレンジで観客を魅了した「ピエロ」と、「ブレーメン」ライブならではの演奏が次々と繰り広げられた。

Nakajin(G)(撮影:上山陽介)

Nakajin(G)(撮影:上山陽介)[拡大]

「今日は座って聴いてもらっていいと思っていたけど、途中でブワーッと立ってくれてうれしかったです」と笑顔を見せたSaoriは、横浜での思い出としてメジャーデビュー前の2010年に行った初のツアーで、横浜のライブハウスに北川悠仁(ゆず)が観に来てくれたエピソードを明かし、ファンを驚かせた。FukaseとNakajinがゆずのファンだったことがきっかけでバンドを結成したという経緯もあり、2人は特に驚いていたとのこと。Fukaseは「Nakajinがすごいデカい声で『お母さんに言わなきゃ!』って言ってて(笑)」と当時を振り返り、メンバーを笑わせていた。

DJ LOVE(DJ)(撮影:上山陽介)

DJ LOVE(DJ)(撮影:上山陽介)[拡大]

続いては普段めったに選曲をしないというDJ LOVEが選んだカバー曲、松任谷由実の「Hello, my friend」へ。Fukaseの落ち着きのある歌声が観客を魅了した。その後の「MAGIC」では雰囲気が一変し、華やかなサウンドで会場を再び盛り上げていった。最後は4人がステージ前方へ進み出て、スタンドマイクを前に「RPG」をアカペラで歌い始める。華麗なハーモニーを響かせたあとは4人がそれぞれの音を楽しそうに鳴らし、温かな空気の中で本編を締めくくった。

アンコールの声に応えて再びステージに現れた4人は、3会場にわたった今回の「ブレーメン」ライブを振り返る。Saoriは米子と佐賀を選んだ理由を「今回はライブで行ったことがないところに行こうと」と明かし、「来年はまた違うところに行くかもね?」とファンの期待を煽った。最後に演奏された曲は「ブレーメン」支援シングルでもある「Hey Ho」。客席からは大合唱が起こり、メンバーを大いに喜ばせていた。

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SEKAI NO OWARI 動物殺処分ゼロ支援プロジェクト「ブレーメン」支援公演 2017年9月28日 パシフィコ横浜 国立大ホール セットリスト

01. RAIN
02. 深い森
03. スノーマジックファンタジー
04. TONIGHT
05. プレゼント
06. 弱い虫
07. 虹色の戦争
08. 世界平和
09. ピエロ
10. Hello, my friend
11. MAGIC
12. RPG(ゴスペルver.)
<アンコール>
13. Hey Ho

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SEKAI NO OWARI OFC @SekaiNoOwariOFC

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