フジファブリック山内総一郎、自身のルーツたどった大阪弾き語りワンマン

19

943

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 209 657
  • 77 シェア

フジファブリックの山内総一郎が弾き語りワンマンライブ「山内総一郎ソロLIVE “Mellow”」を9月22日に福岡・Gate's 7、昨日9月27日に大阪・Music Club JANUSにて開催した。この記事では大阪公演の模様をレポートする。

山内総一郎(撮影:森好弘)

山内総一郎(撮影:森好弘)

大きなサイズで見る(全5件)

山内総一郎(撮影:森好弘)

山内総一郎(撮影:森好弘)[拡大]

アコースティックギターを手にふらりとステージに現れた山内。「よろしくお願いしまーす」と和やかに挨拶すると、ゆったりとしたストロークに乗せて「PRAYER」でライブの幕を開けた。椅子に座ってじっと彼の演奏に聴き入るオーディエンスを見渡し「いつもとちゃうなあ」と戸惑いながらもうれしそうに声を弾ませる。また今回初めて弾き語りワンマンライブを行うことを決意した理由について、フェスやイベントなどに弾き語りで出演した際、大幅に時間をすぎてしまった経験があることを明かし、「ワンマンだったら時間を気にせずやれるじゃないかと思った」と説明。続けて「要はゆっくりやるということなんで、皆さんもゆっくり楽しんでいってください」と呼びかけた。

山内はジャジーな「カンヌの休日」、自身の足でバスドラを踏んでリズムを作り出した「君は炎天下」と、弾き語りならではアレンジで次々と楽曲を演奏していく。またこの日の会場であるMusic Club JANUSの店長には、高校生の頃に組んでいたバンド時代からお世話になっていることを話してファンを驚かせた。そして彼は小学生の頃によく聴いていたという槇原敬之「どんなときも。」、“モヤモヤ期”の中学生時代に初めてギターで弾いたスピッツ「チェリー」、両親の影響で聴いていたThe Beatles「I will」と、自身の音楽的ルーツをたどる楽曲をカバー。1曲歌い終えるごとに「めちゃくちゃいい曲やな!」と感想を述べたり、「チェリー」では歌い出してみるもキーが高くて「高! 無理やな」とキーを調節したりと、リラックしたムードでライブを進行していった。

山内総一郎(撮影:森好弘)

山内総一郎(撮影:森好弘)[拡大]

バラードナンバーの「ブルー」を切なく歌い上げた彼は、表情を少し引き締め、「自分が弾き語りワンマンをする日が来るとは。これもフジファブリックがあるからやれてるんだと思います」と静かに話し始める。続けて彼は自身がボーカルを務めることになった当時を回想。「志村(正彦)くんのことがあって、最初は自分が歌おうなんて思ってなかった。(志村のボーカル抜きでフジファブリックを)やれると思わなかったけど、メンバーと会っているうちにバンドをなくしたくないって気持ちが大きくなって。バンドが好きだから続けるっていう気持ちだけでいけるかなって思うようになった。新曲を作って、バンドを転がしていってナンボだと思って『STAR』(2011年9月リリースのアルバム)を作った」と振り返り、「自分が歌うって決めたときに一緒になってくれるアコースティックギターを買った」と言いながらギターを持ち替える。そしてそのギターで初めて作ったという「ECHO」をプレイ。彼は力いっぱいギターを奏でて、その音に負けじと声を張り上げて熱唱。演奏後には、観客からは大きな拍手が送られた。

エモーショナルな空気を入れ替えるように、山内は突然「みんな何してるんだろう」とつぶやき「メンバーに何してるかLINEで聞いたんです」と言い、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(B)、サポートドラマーのBOBOからの回答を読み上げて場内を和ませる。そしてさりげなくギターを触ると「俺、ギターうまいなあ」とうれしそうに言い、急きょバッハの「ブーレ」を演奏。精緻なプレイを見せつけ、ギタリストとしての確かな技術を披露した。その後も彼はSMAP「ダイナマイト」のカバーや鋭いカッティングを披露した「バタアシParty Night」などでさらにさまざまな表情を見せる。そして観客のハンドクラップと歓声が発生した「夢みるルーザー」で大盛り上がりのうちに本編を終えた。

アンコールで再びステージに姿を現した彼は「叶えたい夢がある」と言い、大阪・大阪城ホールでのフジファブリックの公演を熱望していることを話す。「来てくれるみんなにめちゃくちゃいい景色を見てもらいたいので、その機会があったら泣いて喜んでください(笑)」と冗談交じりに言いつつも、「絶対いつかやるんで」と力強く宣言した。そして前日に地元・茨木市のスタジオで作曲したというでき立てほやほやの新曲(タイトル未定)を、何度も確認しながら披露。ファンはその様子を温かく見守りつつ、大阪への思いをつづったという歌詞にじっと耳を澄ませていた。「STAR」をパワフルに歌い上げたのち、山内は「うれしいし楽しい」と破顔して、名残惜しそうにしながらも、静かに「sing」を歌唱。終始和やかな中、約2時間にわたったワンマンライブを締めくくった。

この記事の画像(全5件)

山内総一郎ソロLIVE “Mellow”<br>2017年9月27日 Music Club JANUS セットリスト

01. PRAYER
02. カタチ
03. カンヌの休日
04. 君は炎天下
05. どんなときも。(※槇原敬之カバー)
06. チェリー(※スピッツカバー)
07. I will(※The Beatlesカバー)
08. ブルー
09. ECHO
10. LIFE
11. ダイナマイト(※SMAPカバー)
12. バタアシParty Night
13. 夢みるルーザー
<アンコール>
14. タイトル未定(新曲)
15. STAR
16. sing

全文を表示

読者の反応

歌謡ロックbot @kayourock

フジファブリック山内総一郎、自身のルーツたどった大阪弾き語りワンマン #フジファブリック https://t.co/yR2HG4c8Yb

コメントを読む(19件)

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 フジファブリック の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。