1stアルバム「ミカヅキの航海」を携え、7月より地元の福岡を皮切りに全国6カ所でライブを行ってきたさユり。彼女は透過スクリーンを使用した演出に彩られながら、最新アルバムの収録曲から懐かしいナンバーまで全16曲を披露した。
客電が落ちスクリーンに大きな満月が映し出されると、ガスマスクを装着したバンドメンバーがステージへ。スクリーン上で満月は徐々に欠けていき三日月になった頃、青いポンチョに身を包んださユりがステージに登場した。ステージの真ん中に立った彼女は、おなじみのイエローのアコースティックギターを持ち「平行線」でライブをスタート。さユりが真っ直ぐに力を込めて歌声を響かせていくと、オーディエンスはたちまち彼女の世界観へと引き込まれていった。続く「るーららるーらーるららるーらー」で激しく頭を振りながらギターをかき鳴らした彼女は、間髪入れずに「プルースト」へとつなげる。軽快な鍵盤とグルーヴィーなベースが絡み合い、哀愁が漂うメロディを彩っていった。
「プルースト」を歌い終えた彼女は、最初のMCで「今日は赤坂BLITZを一隻の船だと思ってくれたら嬉しいです」と満員の場内に呼びかける。そして「私の中のどうしても忘れたくない記憶があって、それを歌にしました」という言葉のあとに届けられたのは「蜂と見世物(サーカス)」。この曲では透過スクリーンに信号や横断歩道が映し出され、さユりがまるで街中で歌っているような情景がステージ上に描かれた。さらにさユりは緊張感に満ちた空気の中「いくつもの絵画」「アノニマス」を歌い上げたあと、野田洋次郎(RADWIMPS)が彼女に提供した楽曲「フラレガイガール」を披露。流星群の美しい映像をバックに、エモーショナルなステージが繰り広げられた。
「夏」ではキーボードの2号を残してバンドメンバーが一度ステージから捌け、さユりのアコースティックギターと鍵盤のサウンドのみで楽曲が届けられた。その後さユりは十代最後に制作した楽曲「birthday song」をステージに再び登場したバンドメンバーと共に演奏し、さらに一体感のあるアンサンブルをバックに「オッドアイ」を丁寧に歌い上げていく。続く「それは小さな光のような」では重厚なサウンドが渦巻く中、エネルギッシュな歌声によって迫力のあるステージが展開された。
ライブ終盤で彼女が「次の曲とかその次の曲とかさ、盛り上がっていきたい。一緒に楽しめますか?」と観客を煽ると、場内からは一際大きな声が上がった。直後に力強いドラムソロからスタートした「人間椅子」でオーディエンスは一斉に手を上げ、続く「オーロラソース」では楽曲のリズムに合わせて場内にハンズクラップが広がっていった。デビュー曲「ミカヅキ」を叫ぶように力強く歌ったさユりは「『ミカヅキの航海』がそろそろ終わるんですけど、皆さんどんな航海でしたか?」と観客に問いかける。そして彼女は次回のワンマンライブに触れながら「私たち1人ひとりがちゃんと“その先”にある光を信じて歩いていけるように、私は歌を歌います。みんなはどんな方法で明日へ向かいますか?」と言葉を続け、本編の最後に「十億年」をじっくりと奏でていった。
盛大な拍手とコールに呼び込まれステージに1人で現れたさユりは、ツアーを締めくくる楽曲にレアナンバー「夜明けの詩」をセレクト。彼女はありったけの力を振り絞るようなステージングで最後までオーディエンスを圧倒し、場内に強烈な余韻を残してステージを去っていった。
なお彼女は、11月24日に東京・TOKYO DOME CITY HALLでワンマンライブ「夜明けのパラレル実験室2017 ~それぞれの空白編『 』~」を開催する。さユりのオフィシャルサイトでは、9月29日までチケットの先行予約を受け付けている。
さユり「ミカヅキの航海2017 ~夜明けの全国ツアー編~」2017年9月22日 赤坂BLITZ セットリスト
01. 平行線
02. るーららるーらーるららるーらー
03. プルースト
04. 蜂と見世物(サーカス)
05. いくつもの絵画
06. アノニマス
07. フラレガイガール
08. 夏
09. birthday song
10. オッドアイ
11. それは小さな光のような
12. 人間椅子
13. オーロラソース
14. ミカヅキ
15. 十億年
<アンコール>
16. 夜明けの詩
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