“天候を味方にした”DISH//、台風の野音で刻んだ未来への大きな足跡

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DISH//が昨日9月17日に東京・日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブ「日比谷野外大音楽堂公演'17秋 MUSIC BOIN!!」を開催した。

北村匠海

北村匠海

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毎年恒例のDISH//の野音公演。今年は元日にドラムの泉大智が加入したことから、初めて5人で立つ野音のステージとなった。台風18号が関東地方に接近していたことから当日まで開催が危ぶまれたものの、DISH//はライブを決行することに。日比谷の空を覆う厚い雲は切れる気配がなかったが、会場には満員のスラッシャー(DISH//ファンの呼称)が集まり、強い雨に打たれながら5人の登場を待った。

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開演時刻を少し過ぎた頃にステージに姿を見せたメンバーは最新シングル曲の「僕たちがやりました」でライブの幕を開ける。クラシックなアーミー風のロングコート姿でクールなパフォーマンスをみせる彼らに観客は熱狂。5人はそのまま、バンドスタイルで「Shall We Dance????」「FREAK SHOW」とパワフルなナンバーを届けていく。「FLAME」では、前日にブログで「天候を味方にしちまえば最高のライブの幕開けだ」とスラッシャーに意気込みを表明していた橘柊生(DJ, Rap, Key, Fling dish)がDJブースからステージの最前線へ。全身で雨粒を受け止めながら「こんなもんか! もっと来いよお前ら!」とオーディエンスを煽る。スラッシャーはこれに大きなシンガロングを返し、北村匠海(Vo, G)も水の溜まった舞台上にひざまずいて力強く歌声を響かせた。

5曲を終えたところで、柊生は「みんないい感じ?」とスラッシャーに声をかける。「シャンプー持って来た? あとでシャンプータイムあるからね」と言って観客を笑わせると、彼は「こんな雨の中来てくれて、本当に本当にありがとうございます。マジで愛されてるなって、感じています」と感謝を伝えた。すると匠海は笑いながら「知ってた? 今日本に台風が来てるらしいですよ。外でライブやってるの、きっと俺らくらい」と続く。小林龍二(B, Rap)は「ようやるわ」と笑いながら「こんな雨の中ライブするのって、初めてだよね?」とメンバーに語りかける。矢部昌暉(Cho, G)は自己紹介の「Say, 昌暉!」を「Say, 台風!」と言い換えてファンの心を1つにまとめあげていった。

客席で歌うDISH//。

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MCを経て届けられたのは、DISH//のポップな側面を強く打ち出したパート。カジュアルな衣装に衣替えしたメンバーは「HIGH VOLTAGE DANCER」で踊りながら演奏をする“ダンスロック”のパフォーマンスを見せる。「ザ・ディッシュ~とまらない青春 食欲編~」ではステージを飛び出し、スラッシャーと一緒に雨を感じながら客席通路を駆け巡った。また、このパートの各所にはメンバーのソロパフォーマンスのコーナーも差し込まれ、それぞれが熱のこもった演奏やDJプレイを披露。昌暉はギターソロに自身のソロ曲「Pa Pa Pa パンティー!」のフレーズを入れる遊び心でファンを楽しませた。

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スラッシャーとのコール&レスポンスコーナーを経てキラーチューンの「愛の導火線」がドロップされると、DISH//の演奏は一層熱を帯びていく。前へと進む思いをさわやかに歌う「皿に走れ!!!!」では、「On the Winding Road さらに走れっ!!!!」という歌詞を具現化したような空模様がバンドのパフォーマンスに深みを与えた。最前列のバーに足をかけて歌声を響かせた匠海は「横浜スタジアム!」と5人の夢の場所への思いを力の限りに絶叫。「虹のカケラ」ではレインボーカラーのフラッグを持ったダンサーが客席に登場して曲を彩り、匠海、昌暉、龍二はステージの手前ぎりぎりまで歩みを進めてスラッシャーの声を求める。スラッシャーはメンバーに向けて大きな声で曲を合唱し、5人の笑顔を誘っていた。

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ライブも終盤に差し掛かり、ボルドーカラーのシックな衣装に衣替えした5人は情感豊かな演奏で「モノクロ」をじっくりと聴かせる。続く「Loop.」では匠海の歌声に乗せて柊生、泉大智(Dr)、龍二とメンバーが次々にスタイリッシュなソロダンスを踊り、大人びた表情でスラッシャーを惹きつけていた。匠海の「僕らが最初に作詞作曲をした曲を」という紹介からプレイされた「また明日。」、匠海と昌暉が優しく声を重ねた「暮れゆく空の彼方に」とドラマティックなミドルチューンを連投して夏の終わりを印象付けると、続けて柊生が奏でたのはこの日が初披露となる「猫」のイントロのメロディ。冒頭のパートをアカペラで歌い上げた匠海の歌声にスラッシャーは「わあっ」と歓声を上げ、5人は温かみのある演奏でこの曲を届ける。オーディエンスがじっくりと耳を傾けていると、アウトロでは昌暉、大智、龍二、柊生とメンバーが順に楽器を置いて舞台上を去っていく。最後に残った匠海は無心でアコースティックギターをかき鳴らし、そののちに深く礼をして観客の前から姿を消した。

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5人の再登場を求める「DISH//」コールが会場に響くと、メンバーはハードなロックナンバー「Newフェイス」でライブを再開させる。続くアッパーチューン「東京VIBRATION」では柊生がステージを駆け下りて客席中央に設置されたサブステージまで行き、観客の中心で思い切りタオルを回した。そして、この日のライブの最後を飾ったのは、初披露の「コトダマ」。匠海は「僕たちは言霊の力を信じて、横浜スタジアムへの夢を目指して進んでいます。僕らの思いが今日ここにいる皆さん、そしてここに来ることのできなかった皆さんに届きますように」と曲に込めた思いを伝えて熱のこもった歌声を野音の空に響かせた。

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最後まで雨の止むことがなかった2時間半のステージを終え、5人はステージの中央にラインナップする。匠海は「今日やれてよかったです。本当にありがとうございました」と感謝したのち「……伝説のライブになったんじゃないでしょうか。もう一生やりたくないです。俺、野音でライブするたびに言ってるかもしれないけど、一生やりたくない!」と笑った。そして彼は「でもこの数時間は、僕らDISH//が前に進むために必要な時間だったと思うし、成長するための大きな足跡になったんじゃないでしょうか」と、メンバーとスラッシャーで作り上げた熱狂の時間をかみしめる。最後に5人は手をつなぎ、スラッシャーと向き合うと「以上、DISH//の柊生と昌暉と匠海と大智と龍二でした!」と思い切り叫び、スラッシャーに「風邪ひかないように」「ちゃんと湯船に浸かってね!」と優しく声をかけながらステージをあとにした。

DISH//「日比谷野外大音楽堂公演'17秋 MUSIC BOIN!!」
2017年9月17日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

01. 僕たちがやりました
02. Shall We Dance????
03. FREAK SHOW
04. サイショの恋~モテたくて~
05. FLAME
06. HIGH-VOLTAGE DANCER
07. It's alright
08. 大智ソロ
09. JUMPer
10. ザ・ディッシュ~とまらない青春 食欲編~
11. KLAP
12. 柊生ソロ~龍二ソロ~昌暉ソロ
13. 愛の導火線
14. 皿に走れ!!!!
15. Running Road
16. 虹のカケラ
17. モノクロ
18. Loop.
19. また明日。
20. 暮れゆく空の彼方に
21. 猫
22. Newフェイス
23. 東京VIBRATION
24. コトダマ

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ホタテ ギターズ @hotate_guitars

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