the telephones、ディファ有明を巨大ディスコに変えた夜

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the telephonesのワンマンライブ「SUPER DISCO Hits 2!!!」が、12月4日に開催された。

石毛はMCで「今年は激動の1年でした。EMIと契約してメジャーバンドになって、kingsや全国ツアーもやってたくさんの仲間に出会えました。でもバンドを辞めてしまった友だちもいたしね」と、2009年をしみじみと振り返った。

石毛はMCで「今年は激動の1年でした。EMIと契約してメジャーバンドになって、kingsや全国ツアーもやってたくさんの仲間に出会えました。でもバンドを辞めてしまった友だちもいたしね」と、2009年をしみじみと振り返った。

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「Love & DISCO」では大小さまざまなミラーボールの光が風船に反射し、この瞬間しか見られない幻想的な雰囲気を作り上げた。

「Love & DISCO」では大小さまざまなミラーボールの光が風船に反射し、この瞬間しか見られない幻想的な雰囲気を作り上げた。

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「Baby,Baby,Baby」でPAブース前に出現した岡本。あまりに突然のイリュージョンに、周囲のファンも最初は全く気づいていなかった。

「Baby,Baby,Baby」でPAブース前に出現した岡本。あまりに突然のイリュージョンに、周囲のファンも最初は全く気づいていなかった。

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このライブは2008年12月に行われた「SUPER DISCO Hits!!!」以来約1年ぶり、彼らにとって2度目のワンマンライブ。会場はかつて著名ディスコ「MZA有明」として名を馳せ、現在は主に格闘技アリーナとして使用されているディファ有明。この日は約2400人のファンが詰めかけ、フロアは12月とは思えない熱気に包まれていた。

開演直前、ステージ前に垂らされた紗幕には楽屋のメンバーの様子が映し出された。それぞれリラックスした様子で過ごしていた、いつもどおりのステージ衣装の4人が楽屋を出てアフロのかつらをかぶり、円陣を組んで気合を入れる。ステージへメンバーが向かうと同時に場内の照明が落とされ、フロアからは大歓声と拍手が沸き起こる。

ところが紗幕の向こうに映し出されたのは、先ほどの映像とは全く異なる80年代風のグレーのスーツに身を包んだメンバーの姿。オーディエンスが「やられた!」という表情を浮かべる中、石毛輝(Vo, G, Syn)の弾き語りからゆっくりと1曲目「Yesterday,Today,Tomorrow(My Life is Beautiful)」が始まる。「『SUPER DISCO Hits 2!!!』へようこそ!よっしゃみんな踊ろうぜ!」と石毛が叫び、いよいよ狂乱の一夜が幕を開けた。

「Monkey Discooooooo」のイントロが鳴り響くと同時に、ステージ後方には巨大なゴリラ型のバルーンが姿を現し、火柱の演出も加わってフロアのテンションをさらに高める。「let's go crazy! 3, 2, 1, 0!」と場内の全員が叫ぶのに呼応して、ディファの床は大きく揺れた。続く「Dance With You」「Hopping Shower」でも全オーディエンスが一体になった手拍子やジャンプで、4人の力強いグルーヴに応え続ける。

MCで石毛は「1年ぶりのワンマンライブです。俺らもすごいことやるけどみんなもすげえから、今日は最後まで楽しんでってください!」と語り、会場を煽る。その後の「Jabberwocky」では松本誠治(Dr)の低音を強調したドラミングに、ファンが楽しそうに身体を揺らして踊るが、曲のラストで岡本伸明(Syn)がドラムセットの後方へ。スモークが焚かれると同時にそのまま姿を消してしまう。続く「Baby,Baby,Baby」のサビで、先ほど姿を消した岡本がPAブース前に突如姿を現すという“イリュージョン”を披露。ワンマンらしい演出に、オーディエンスは驚愕しつつも大笑いしていた。

そのまま「D.A.N.C.E To The Telephones!!!」そして1曲目と同じく「Yesterday,Today,Tomorrow(My Life is Beautiful)」と、最新アルバム「Dance Floor Monsters」の収録曲ばかりを披露。8曲が終わったところで石毛が「ありがとう、バイバイ!」とオーディエンスに告げ、4人はステージを去っていく。ワンマンライブにもかかわらずあまりにも早い幕切れに、場内からは「ええっ!?」と驚きの声が上がる。ステージには再び紗幕が下り、「以上をもちましてthe telephonesワンマンライブ『SUPER DISCO Hits 2!!!』は終了しました」というアナウンスまで流れ始めるが、その後「15分の休憩の後、第2部を開演いたします」との案内が。オーディエンスの間からはほっとしたような笑い声が起こった。

フロア上方に設置された大小多数のミラーボールが高度を下げ、第2部の準備が着々と進む。15分後、再び場内が暗くなり「happiness,happiness,happiness」が大音量で鳴り響き、待望の第2部が始まる。先ほどとは異なり、いつもどおりのステージ衣装にアフロのかつらをかぶったメンバーがステージに登場すると、休憩時間に一度落ち着いた室温は再びヒートアップ。「じゃあパート2行きましょうか!」と石毛が叫び、「Urban Disco」で後半がスタートした。

やや走り気味の演奏に乗せられ、フロア前方では多数のクラウドサーファーが飛び出す。その後も「DaDaDa」「fu~shit!!!」「Wooo Hoooo」と、アッパーチューンを次々と披露。「fu~shit!!!」では石毛のギターと長島涼平(B)のベースが印象的なリフを繰り返し、オーディエンスをノンストップで踊らせる。「Wooo Hoooo」イントロでは石毛と岡本がパーカッションを叩き、新たな見せ場を作った。

会場に向けて「最初びっくりしたでしょ?」と石毛が語りかける。「あのね、もう……スーツの限界ってのがあるの、暑くて(笑)。今日恵比寿でやってるTHE BAWDIESなんかずっとスーツで暑そうだなあって思ってたし(笑)」と、同日にLIQUIDROOM ebisuでワンマンライブを行っていた盟友を引き合いに出して笑わせた。その後も彼ららしいゆるすぎるトークが続き、石毛が「まあバンドに合ったワンマンの形っていうのがあるからね。俺らはゆとり教育のパイオニアだから(笑)」と開き直る一幕も。ワンマンならではのなごやかな雰囲気をメンバーもオーディエンスも楽しんでいる様子だった。

中盤では「新曲やります!」と宣言して、2曲の新曲を披露した。1曲目「A.B.C. DISCO」は、美しいメロディラインに疾走感のあるアレンジを施したロックチューン。続く2曲目は、岡本のノスタルジックなシンセサウンドが印象的なナンバーで、曲後半からは展開がどんどん華やかになっていく。2010年の彼らの方向性を感じさせるようなパートとなった。

ステージ後方の電飾柱も点灯し、ますます盛り上がりが加速していくこの日のライブ。後半戦では「HABANERO」「Beautiful Bitch」などおなじみのナンバーをこれでもかと連続で披露し、場内の熱気をピークに持っていく。ラストナンバー「Love & DISCO」の直前、恒例の「I am DISCO!」コールでは石毛が「声がちっちゃいでーす!」とオーディエンスを煽る。「Love & DISCO」が始まると同時にフロア上方からは無数の白い風船が降り注ぎ、続いて巨大バルーンがいくつもオーディエンスの頭上に投げ込まれた。時々ステージぎりぎりまで迫ってくるバルーンを蹴飛ばしつつ、メンバーは笑顔でプレイを続けた。大きな拍手の中でステージを去るとき、岡本はフロアに向かって「大好きだ! 大好きだ!」と叫び、踊り続けた2400人へ感謝の気持ちをアピールした。

アンコールの大きな声と手拍子に応えてステージに戻ってきた4人。うれしそうなオーディエンスの様子を見て「なんか、愛に溢れてますね……って気持ち悪いですね(笑)」と石毛は照れながら話し、「さっきの風船すごかったね。用意してくれたスタッフに感謝してます、本当にありがとう。俺ら高校生がバンド組んでんのと変わらないんで、スタッフいないとなんにもできないんですよ(笑)」とスタッフにも謝辞を述べた。

挨拶の後にはディズニーの名曲カバー「Heigh-Ho」や、「panic disorder」「FREE THROW」などの定番曲でオーディエンスを魅了。最後の「clashed mirror ball」では曲中に銀テープのキャノン砲が発射され、記念すべきワンマンに華を添えた。

6曲ものアンコールが終わってもフロアのファンはまだ踊り足りない表情で、ダブルアンコールを求める手拍子がいつまでも鳴りやまない。その声に導かれるように三たびステージに登場した4人は、感慨深そうな表情でフロアを見渡す。石毛は「本当にうれしいや、ありがとうございます。来年もやりたいですね」と、次のワンマンへの意欲を早くも燃やす。だが「次はMCという名のグダグダを減らしたいと思います」と話すと、フロアからは「えー……」という声が。石毛は「変わった人が多いんですね(笑)」と、深すぎるファンの懐に苦笑していた。

いよいよ終幕が近づき、「最初に作った曲をやります」と紹介して「Used Skin」を披露。そして「最後は新曲で終わります。言葉で伝えられないから曲で伝えたいんだけど、『いろいろあるけど人生がんばろう』っていう、そんな曲です」と語り、新曲「Re:Life」を奏で始めた。石毛の言葉通りにポジティブさを感じさせる力強いバンドサウンドと、伸びやかなシンセの音色に惹きつけられるナンバー。アッパーなダンスチューンではない楽曲で彼らの前向きな姿勢を強くアピールした。

全曲が終了した後もメンバーは名残惜しそうに挨拶を繰り返す。最後にはフロアへダイブし、オーディエンスとハイタッチしてから姿を消していった。ライブを通じて4人とファンが作り上げてきた絆を感じさせる破天荒ながらも感動的なシーンで、2度目のワンマンライブが締めくくられた。

「SUPER DISCO Hits 2!!! the telephones ONE-MAN SHOW!!!」
2009年12月4日 ディファ有明 セットリスト

Part1
01.Yesterday,Today,Tomorrow(My Life is Beautiful)
02.Monkey Discooooooo
03.Dance With You
04.Hopping Shower
05.Jabberwocky
06.Baby.Baby.Baby
07.D.A.N.C.E to the telephones!!!
08.Yesterday,Today,Tomorrow(My Life is Beautiful)

Part2
09.Urban Disco
10.DaDaDa
11.fu~shit!!!
12.Wooo Hoooo
13.A.B.C. DISCO(新曲)
14.タイトル未定(新曲)
15.HABANERO
16.Beautiful Bitch
17.sick rocks
18.RIOT!!!
19.Love & DISCO

EN1-01.Heigh-Ho
EN1-02.panic disorder
EN1-03.electric girl
EN1-04.FREE THROW
EN1-05.Homunculus
EN1-06.clashed mirror ball

EN2-01.Usend Skin
EN2-02.Re:Life(新曲)

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音楽ナタリー @natalie_mu

the telephones、ディファ有明を巨大ディスコに変えた夜 http://natalie.mu/news/show/id/24836

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