4月にスタートした「Trans NIPPON Express」で、彼らは全23公演を実施。デビュー5周年を記念したこのツアーは超特急にとって過去最長・最多公演数を記録するものとなった。“8号車(超特急ファン)の日”である8月8日に行われたツアーファイナルはロングツアーを総括するような内容に。7人はツアーで見せてきたパフォーマンスに、6月に行われた東京・日本武道館公演「Super Trans NIPPON Express」でも披露した30分ノンストップメドレーを組み込んだスペシャルセットを用意し、満員の8号車とともに熱狂の空間を作り上げた。
開演時刻を迎えると客電が突如落とされ、おなじみの発車ベルの音が会場に響く。幕が上がると無機質な舞台の奥に壁一面のLEDビジョンが貼られたステージが観客の眼前に広がった。ライブの冒頭を飾ったのは、このLEDビジョンに映し出されるメンバー紹介映像とリンクした7人のソロダンス。1号車のコーイチから号車順に姿を見せたメンバーは、最後を投げキスで締める7者7様のパフォーマンスで初っ端から7色の個性を見せつける。カイがセンターポジションに就くと、1曲目の「We Can Do It!」へ。彼らは妖艶なラインダンスで悲鳴のような歓声を集め、続く「Believe×Believe」では美しい白目をむいたリョウガが「8号車の日、楽しもうぜ!」と呼びかける。コーイチとタカシの遊び心のあるボーカルが冴えた「No.1」ではタカシが「バカ騒ぎしようぜ!」と盛り上がりに拍車をかけ、タクヤとユースケが2人で1つの“Xポーズ”を作って観客を楽しませた「Burn!」では8号車も歌声を響かせて会場は早速大きな一体感に包まれた。
超特急の自己紹介ソング「Superstar」では、タクヤが自身のパートで「今日は8号車の日。朝からお前らのことしか考えてねえ!」とキレ気味に叫んで大きな歓声を集める。衣装替えを経て「DJ Dominator」がドロップされると、7人は客席の中に設置されたサブステージへ歩みを進め、8号車のすぐそばで楽し気に体を揺らした。続いて届けられたのはサマーチューンの「Summer love」。ユーキは弾けるような笑顔でこの曲を表現し、ユースケはコーイチの「乾杯すけちゃん!」という替え歌に「8号車が好きー!」とハートマークを作るアドリブで応えてみせた。
9曲を終えてスタートしたのは「30minutes 超FINALメドレー」と銘打たれた怒涛の30分メドレー。「What's going on?」「Seventh Heaven」といったナンバーで超特急の持ち味であるシンクロ率の高いダンスや表情の豊かさを見せつけると、「Shake body」からはメンバー数や踊る場所を目まぐるしく変えたパフォーマンスが展開されていく。「Turn up」ではユーキがしなやかに躍動。ひさびさの披露となった「SURVIVOR」では「もう、逃げられない」という決めゼリフをクールに言い放ったユースケがソロを取ってパワフルに身体を弾ませた。カイが客席をトロッコで移動しながらセリフパートのみを披露し、武道館公演で大きなざわめきを誘った「LIBIDO」はこの日も同じ形で披露され、彼は曲の世界に没入するように滑らかにセリフを言ってみせる。タクヤは「Beasty Spider」で緩急を付けた色気のあるソロを踊り、8号車の視線を一身に集めていた。
ボーカルの2人はタカシが「refrain」で、コーイチが「STYLE」でそれぞれに伸びやかな歌声を響かせて観客を魅了。そして終盤に差し掛かると、7人はパフォーマンスの中に寸劇も織り交ぜ、カオスなメドレーに一層拍車をかけていった。「ikki!!!!!i!!」では、センターのユースケが悪代官に扮し「お前たちの年貢、全部俺によこせー!」と大暴れしてメンバーに悪さを働く。するとステージ袖からは警官に扮したカイとタクヤ、ユーキが登場。彼らは「POLICEMEN」に乗せて、客席に逃げたユースケの捕獲に乗り出した。先日フジテレビ系「逃走中」に出演し、見事逃走を成功させて賞金108万円を獲得したユースケと警官メンバーによる“リアル逃走中”に8号車も大盛り上がりで声援を送る。ユースケが3人に捕まってステージ上で肩を落とすと、真打とばかりに姿を見せたのはロングヘアのカツラを被り女装した「リョウコ」ことリョウガ。恋人の悪代官ユースケの悪ふざけを責め立てて彼を舞台袖に追いやったのち、ショックのあまり倒れ込んだリョウコだったが、「Beautiful Chaser」のギターリフが轟くと表情が一変。クールな手つきで颯爽とカツラを脱ぎ去ったのち、一心不乱にこの曲を踊りまくり、壮大な寸劇を力業で収めてみせた。
メドレーのラストナンバー「走れ!!!! 超特急」からそのままフルサイズの「My Buddy」へと繋げた7人は、疲れを感じさせないさわやかな笑顔でこの曲を歌い踊って22曲と1曲を駆け抜けた。ひと息ついたのちに展開したMCではロングツアーの思い出話に花を咲かせ、カイいわく「ごはんモンスター」の大食漢・ユースケが各地で名物を食べまくった話題などで8号車の笑いを誘う。タクヤの曲振りから「Yell」が届けられ、本編もラストスパートへ。7人がビジュアルポイを巧みに操り、空間に光の絵を描き出した「バッタマン」ではタカシが「弱ぇのは強ぇぞ!」を「超特急は強ぇぞ!」と言い替えて力強く叫ぶ。続く「fanfare」では、各地の公演でタクヤがステージ上から撮影したメンバーの笑顔の写真がLEDビジョンに次々と映し出され、この演出にメンバーも8号車も顔をほころばせた。晴れやかなムードの中、このツアーのテーマソング「gr8est journey」が始まると、リョウガは「今回のツアー、最高の旅になりました。また皆さんと会えること、楽しみにしています!」とオーディエンスへ呼びかける。7人は万感の表情を浮かべながらこの曲を歌い踊り、「今日は本当にありがとう!」と声を合わせてさっそうとステージをあとにした。
アンコールは高速アッパーチューンの「PAPAPAPA JUMPERS」で幕開け。元気いっぱいにステージに戻ってきた7人はこの曲のタイトル通りに何度も何度も飛び跳ね、8号車と一緒に会場を揺らした。この曲を終え、メンバーは1人ずつ8号車に今の思いを伝えていく。「始まる前は『一生終わらないんじゃ』と思っていたけれど、あっという間だった」と振り返ったリーダーのリョウガは「これからも人生と言う名の旅を、8号車のみんなと謳歌できたらなと思っています」とコメント。またユーキは「1公演1公演、その瞬間にしかない幸せを作れていたらうれしいです」とはにかんだのちに「幸せな日を」と言うはずが「幸せな“し”を……」と噛んでしまう。最後にドジっ子担当の本領を発揮した彼は、メンバーから「ちょっと!(笑)」と総ツッコミを受けていた。
MCののちに届けられた「HOPE STEP JUMP」ではトロッコに乗ったリョウガとタクヤが喜びを分かち合うように固く抱き合って笑顔を交わす。コーイチ、ユーキ、ユースケの3人はステージに寝そべってカメラアピールをし、タカシが3人の上から紙吹雪をまき散らすと大笑い。やりたい放題に舞台上と客席を駆け抜けて会場に幸せなムードを充満させた彼らがアンコールを終え退場すると、今度は舞台裏のカメラが7人の姿を映し出す。汗を拭い、水を飲みながらカメラ越しに8号車とやりとりをしたメンバーは、呼吸を整えたのちにダブルアンコールのステージへと飛び出していった。超特急史上最長のツアーを締めくくったナンバーは「超えてアバンチュール」。メンバーは残った力をすべて出し切るような勢いで8号車を煽り、8号車も力の限りのコールを飛ばす。会場の盛り上がりは最高潮に達し、キメのタイミングでユースケは「愛してるー!」と絶叫。力強い歌声を響かせていたタカシは「もうええわ!」と歌を“放棄”し、ダンサーと一緒に思い切りヘッドバンキングをしてみせた。超特急らしいがむしゃらな勢いのまま、ツアーは終幕。充実感に満ちた笑顔を浮かべた7人は、何度も大きく手を振りながら国際フォーラムのステージをあとにした。
超特急「Bullet Train 5th Anniversary Tour 2017『Trans NIPPON Express』」
2017年8月8日 東京国際フォーラム ホールA セットリスト
01. We Can Do It!
02. Believe×Believe
03. No.1
04. Burn!
05. Superstar
06. 超ネバギバDANCE
07. DJ Dominator
08. Summer love
09. One Life
10. 30minutes 超FINALメドレー
・Pretty Girl
・What's going on?
・Seventh Heaven
・Shake body
・panipani
・refrain
・Turn up
・ライオンライフ
・Star Gear
・SURVIVOR
・LIBIDO
・COMP!! COMP!! COMP!!
・STYLE
・Beasty Spider
・Billion Beats
・Drive on week
・ikki!!!!!i!!~POLICEMEN
・Beautiful Chaser
・EBiDAY EBiNAI
・Secret Express
・走れ!!!!
11. My Buddy
12. Yell
13. バッタマン
14. fanfare
15. Kiss Me Baby
16. OVER DRIVE
17. gr8est journey
<アンコール>
18. PAPAPAPA JUMPERS
19. HOPE STEP JUMP
<ダブルアンコール>
20. 超えてアバンチュール
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