好天に恵まれた「ARABAKI ROCK FEST」、 5万4000人を動員し大盛況に

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宮城・みちのく公園北地区エコキャンプみちのくで4月29日から30日にかけて野外ロックフェス「ARABAKI ROCK FEST.17」が開催された。

「ARABAKI ROCK FEST.17」会場の様子。(写真提供:ARABAKI PROJECT)

「ARABAKI ROCK FEST.17」会場の様子。(写真提供:ARABAKI PROJECT)

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「ARABAKI ROCK FEST.17」会場の様子。(写真提供:ARABAKI PROJECT)

「ARABAKI ROCK FEST.17」会場の様子。(写真提供:ARABAKI PROJECT)[拡大]

今年は2日間で約110組のアーティストが7つのステージでライブを実施。最多動員数を記録した昨年をさらに上回る、延べ5万4000人の来場者で賑わった。29日は心配されていた雨もほとんど降らず、陽射しも強くなかったため日中は非常に快適な天気となったが、日没後は少し冷え込んだ。30日は朝からフェス日和と言える快晴で、日が沈んでからも温かく1日を通して過ごしやすい気候となった。

会場内で最大のステージであるMICHINOKUステージは、初日はACIDMANがトリを務め、バンドの結成20周年を記念したスペシャルライブ「ACIDMAN 20th Anniversary Special」を実施。数々のゲストを迎えてライブを繰り広げた。大木伸夫(Vo, G)に「俺たちの10年来の仲間です」と紹介され、最初のゲストとしてRIZEの3人が登場すると、彼らはツインドラム&ツインベース編成で「to live」を激しくセッション。また大木が「ある小説を題材に作った曲があるんです。この曲を今回で一緒にやってほしいとオファーしたら、たまたまその本を呼んでいたらしいです」という紹介で片平里菜が呼び込まれると、2人はデュエットで「アルケミスト」を披露した。

12年ほど前に高価なリッケンバッカーを格安で譲ってくれたというエピソードとともに斉藤和義を呼び込んだ大木は、「ACIDMANに恋愛ソングが1曲もない理由は、この曲が完成されすぎているから」と語って斉藤の「歌うたいのバラッド」をカバー。その後は四家卯大stringsと小林武史をゲストに迎え、亡くなった祖母への思いを込めた楽曲「愛を両手に」を壮大なアレンジでオーディエンスに届けた。続いて浅野忠信がステージに現れると、2人は敬愛する故・吉村秀樹に捧げるべく、bloodthirsty butchersの「ファウスト」をうれしそうな表情を浮かべながら豪快にカバー。「今のACIDMANがあるのはこの人たちのおかげだと思います」と紹介された東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦(B.Sax)と加藤隆志(G)は「ある証明」でメンバーとセッションを繰り広げる。そして本編最後に64名のゴスペルクワイヤを従えて美しく神々しい歌声で「ALMA」を夜空に放った。アンコールで彼らは、秋田の西馬音内盆踊りグループが舞踏するのに囲まれながら「Your Song」を熱唱。会場の気温は下がっていたがステージ前のオーディエンスは熱気に包まれていた。

MICHINOKUステージの大トリにあたる2日目最後の演目は「COVERS 2017 -MESSAGE FROM MICHINOKU-」と銘打ったスペシャルセッション。これは東芝EMIからのリリースが中止され騒動になったRCサクセションのカバーアルバム「COVERS」の発売から、来年で30年を迎えることを記念して企画されたもの。仲井戸“CHABO”麗市(G)、三宅伸治(G)、湯川トーベン(B)、河村吉宏(Dr)、Dr.kyOn(Key)、Leyona(Cho)がバンドメンバーを務め、さまざまなボーカリストと共に「COVERS」の収録曲を全曲カバーした。

「ARABAKI ROCK FEST.17」会場の様子。(写真提供:ARABAKI PROJECT)

「ARABAKI ROCK FEST.17」会場の様子。(写真提供:ARABAKI PROJECT)[拡大]

一番手のTOSHI-LOW(BRAHMAN、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)は「反戦」と書かれたTシャツを着てステージに現れ、忌野清志郎が2000年に湯川れい子に宛てて書いた「地震の後には戦争がやってくる」「この国の憲法第9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか? 戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるっていってるんだぜ。俺たちはジョン・レノンみたいじゃないか」という内容の手紙を音読。アコースティックギターを掻き鳴らしながら「明日なき世界」を熱唱した。2曲目の「風に吹かれて」では斉藤和義が「どれだけミサイルが飛んだら戦争が終わるの?」と歌唱。「バラバラ」では甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)が手足を振りながら彼らしいカバーを披露した。続く「シークレット・エージェント・マン」はそれまでコーラスを担当していたLeyonaがメインボーカルを担当。「ラブ・ミー・テンダー」では奥田民生が「何言ってんだー ふざけんじゃねぇー 核などいらねぇ」という最初のフレーズを歌うとオーディエンスから歓声が沸いた。「黒くぬれ!」では呪術的な雰囲気のバンド演奏に乗せて吉川晃司がセクシーにパフォーマンス。その後は箭内道彦を迎え、三宅伸治とのツインボーカルで「悪い星の下に」を披露した。

CHABOはMCで「実はRCサクセションとしては、『COVERS』が発売された1988年は最悪の時期でした。だけど不思議だね、そんなムードとは別にクリエイティブな作品は生まれました。忌野くんがいなくなって2017年にこの作品を全曲やるとは思わなかった。こんな素晴らしいシンガーが歌ってくれることで音楽のマジック感じてます」と胸中を吐露。「山口冨士夫くんとジョニー・サンダースに捧げます」と言って、CHABO、湯川、Leyona、三宅伸治、Dr.KyOnでマイクリレーをしながら「マネー」を披露した。「サン・トワ・マミー」ではEGO-WRAPPIN'の中納良恵が力強く伸び伸びした声を響かせつつ「ジュテーム!」とシャウト。次に斉藤和義と、「反核」と書かれたTシャツを着たTOSHI-LOWの2人が再び登場して「サマータイム・ブルース」を歌い、TOSHI-LOWは清志郎の写真を持ってステージを降りて観客の中に飛び込んだ。最後に吉川晃司と奥田民生の2人が「イマジン」を歌唱。曲のラストに全出演者がステージに登壇し、「僕らは薄着で笑っちゃう」というフレーズを合唱して一夜限りのセッションに幕を下ろした。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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