松本明人(Vo,G)のソロプロジェクトである
2006年に始動し、今年活動10周年を迎えた真空ホロウ。ライブはその記念公演として行われたもので、高原未奈(B / eStrial)、Yuumi(Dr /
インディーズ時代の初期曲「ナサム・コニロム」を爆音で鳴らしライブのスタートを切った4人は、松本の「真空ホロウへようこそ」というおなじみの挨拶を挟んで「闇に踊れ」「ホラーガールサーカス」を重厚なアンサンブルで響かせる。「%(パーセンテージ)」などのミディアムバラードを披露したのち、思春期のジレンマや葛藤を歌った「虹」の演奏が終わるとフロアには拍手が広がった。
ここで松本はファンに着席するよう促し、エレキギターをアコースティックギターに持ち替える。「次にやるのはホールでワンマンをやるまでバンド形態ではやらないと決めていた曲です。2011年3月11日、震災が起こったその日、僕はライブで渋谷に来ていました。その頃は今より他人としゃべらないし目も見ないし、すぐ他人を嫌いになっていたんですけど、震災で慌てふためく人たちを見て、僕が嫌いだと思っていた人たちと同じことを僕もやっていたと気付いたんですね。その日の夜、ケータイのボイスメモに向かって歌った曲です」と言って「ミラードール」を厳かに歌い上げた。そのまま松本は「4月某日」「I do?」を伸びやかに歌い、高原がグロッケンシュピールを、Yuumiがシェイカーを鳴らしてクリスマスムードを彩る中で「スノーホワイト」も披露した。
MCで松本はサポートメンバーが10年前に何をしていたか聞きつつ、自身については「THE BACK HORNのファンだったんですね。ちょうど今日、中野サンプラザホールでライブをやってますが、彼らのアルバムを大音量で聴きながら学校に通ってました」と回顧する。そして「ときどき迷うこともあったけど、真空ホロウを10年続けてこれてよかった」と感慨深そうに語り、「今の真空ホロウが一番。最高だと思ってます」と自信をのぞかせた。
ライブ後半、「サクラ・テンダー」では盤石のアンサンブルがオーディエンスを揺らし、「カラクロ・メイロ」では高原がスラップベースで魅せる。4人の演奏はどんどん熱を帯びていき、めまぐるしく展開が変わる「アナフィラキシーショック」、Yuumiの高速ドラミングが光る「バタフライスクールエフェクト」を爆音で浴びながらオーディエンスも拳を突き上げる。そして「MAGIC」では4人と観客のシンガロングが響き渡り、会場は一体感に包まれた。「10年前はライブがこんなに楽しいと思いながらやってなかったな」と笑顔を見せた松本は、本編最後にアコースティックの弾き語りから始まる「回想列車」を届けてステージをあとにした。
アンコールは、西村の奏でるリフが幻想的な雰囲気を醸し出す「満天の星空」からスタート。その後、松本は「来年春にアルバムを発表します。そして春ツアーを行います」と告知してフロアの歓声を誘う。続けて「もしかしたらアルバムに入るかもしれない」という新曲を3曲連続でパフォーマンスした。
ダブルアンコールで再びステージに登場した松本は「10年も真空ホロウを続けさせてくれてありがとう。今日は想像を超えたものを見せるって言ってたんですけど、逆に僕が想像を超えるものをいただいた気がします」と感謝の気持ちを述べる。そして、これからも前進していく決意を表すかのように、マーチングドラムに乗せて新曲「Rabbit hole」を歌い上げる。最後はインディーズ時代の「サイレン」を熱唱し、10年分の歴史が詰まった記念公演を締めくくった。
真空ホロウ「真空パック vol.11 -10th(tenacity)anniversary-」
2016年12月8日 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREセットリスト
01. ナサム・コニロム
02. 闇に踊れ
03. ホラーガールサーカス
04. %(パーセンテージ)
05. 誰も知らない
06. 虹
07. ミラードール
08. 4月某日
09. I do?
10. スノーホワイト
11. サクラ・テンダー
12. カラクロ・メイロ
13. アナフィラキシーショック
14. バタフライスクールエフェクト
15. MAGIC
16. 回想列車
<アンコール>
17. 満天の星空
18. 復讐
19. 太陽
20. 仮装行列
<ダブルアンコール>
21. Rabbit hole
22. サイレン
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