みんな大好き！Shiggy Jr.、ポップもロックも詰め込んだツアーファイナル

Shiggy Jr.が昨日11月27日に東京・EX THEATER ROPPONGIにて、ワンマンツアー「ALL ABOUT POP Release Tour『“ワンマン”スかこれ。～東阪編～』」のファイナル公演を開催した。

このツアーはShiggy Jr.が10月に発表したフルアルバム「ALL ABOUT POP」を携えて行ってきたもの。キャリア最大規模のワンマン会場となるEX THEATER ROPPONGIには、幅広い年齢層のファンが駆け付けフロアは満員となった。

洋楽ヒットチューンをサンプリングしたSEが会場に鳴り響き、ステージを覆っていた幕が左右に開く。マンガ家・イラストレーターの江口寿史が手がけた「ALL ABOUT POP」の巨大ジャケットが中央に鎮座したステージに原田茂幸（G, Cho）、森夏彦（B）、諸石和馬（Dr）、サポートメンバーの植木晴彦（Key）、花井諒（Manipulator, G, Key, Cho / チャトラン）が登場。暗転の後に「ALL ABOUT POP」のジャケットが上へ釣り上げられていくと、そのうしろから池田智子（Vo）が「サマータイムラブ」を歌いながら現れた。

ライブはそのまま「恋したらベイベー」「ホットチリソース」とアルバムの曲順通りに進んでいく。池田はフロアを前方から後方までながめ、「すごい！ これが満員のEX THEATERの景色ですか？ みんな来てくれてありがとう！」ととびきりの笑顔を見せた。その後も彼女たちは80's感あふれるディスコチューン「I like it」や池田の艶っぽいボーカルが光るR&Bナンバー「groove tonight」など、「ALL ABOUT POP」の楽曲を中心に次々と楽曲を披露。森がウッドベースに挑戦したブロックでは「手紙」をはじめとする珠玉のバラードが届けられ、池田は「今日はなかなか言えない気持ちを込めて歌います」と口にしたあと「TOWN」を観客と合唱した。

会場の雰囲気を一変させたのはアッパーなエレクトロチューン「GHOST PARTY」。妖艶に踊る2名のダンサーを従え、メンバーは光るメガネをかけてアグレッシブに演奏を繰り広げる。会場がヒートアップする中、諸石は「俺たちが“ロックでロックなバンド”、Shiggy Jr.だー！」と言い放ち、怒涛のドラミングで観客をさらに沸かせる。ハードなロックチューン「dynamite」では原田と森によるソロバトルが勃発。森が頭のうしろでベースを弾いたかと思えば、原田が歯でギターを弾くなど、池田が「初めての展開です。私も正直戸惑っています……」というほどの熱いバトルが繰り広げられ、オーディエンスも一際熱い声援を送った。

Shiggy Jr.が代表曲「LISTEN TO THE MUSIC」でラストスパートをかけると、いよいよフロアのテンションは最高潮に。息を整えた池田は「こんなに時が止まればいいと思ったことはない」とうれしそうに話し始め、「デビューして1年半、うまくいかないこともつらいこともありました。でもみんながいてくれるから、困難も乗り越えられました」「『みんなのために何ができるんだろう』って考えたときに、1人1人の背中を押せたらと思いました。私はみんなの『智ちゃんは智ちゃんのままでいいんだよ』って声に支えられてきたから、私にとって、みんなはみんなのままでいてくれるだけでパーフェクトな存在なんです。みんなは本当にすばらしい存在だから、それだけは忘れないで帰ってください」と瞳をうるませた。そして「みんなの毎日には小さな出発や挑戦があると思います。そんなみんなの背中を押せるように」と楽曲に込めた思いを語った池田はラストナンバー「スタート」を熱唱。力強いバンドアンサンブルと彼女のまっすぐな歌声が場内を満たし、ライブ本編はフィナーレを迎えた。

アンコールではモータウンビートが印象的な新曲「サンシャインモーニング」とライブ定番の「Saturday night to Sunday morning」の2曲が披露された。4人はおじぎをしたあともフロアに降りて観客とハイタッチするなど、名残惜しそうにしながら退場。最後に池田は「みんな大好き！」と叫び、ステージ袖へと姿を消した。

Shiggy Jr.はこの日、2017年2月に東名阪で自主企画「なんなんスかこれ。vol.4」を開催することを発表。無料ファンクラブ「Shiggy mania.」では12月4日23:59までチケット抽選先行予約を受け付けている。

※記事初出時、公演日時に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。