佐藤竹善、54年ぶりの雪の日に総勢80名超えるオーケストラと初共演

佐藤竹善（SING LIKE TALKING）が11月24日に東京・Bunkamuraオーチャードホールにて、コンサート「CORNERSTONES Symphonic Concert」を開催した。

佐藤は11月23日にオーケストラにフィーチャーしたカバーアルバム「My Symphonic Visions ～CORNERSTONES 6～ feat. 新日本フィルハーモニー交響楽団」をリリース。彼は総勢80名を超える東京フィルハーモニー交響楽団を迎えたこのコンサートで、ゲストを交えながらアルバム収録曲を中心にパフォーマンスを行った。

アルバムジャケットと同じ衣装でステージに登場した佐藤は、「My Symphonic Visions ～CORNERSTONES 6～ feat. 新日本フィルハーモニー交響楽団」のオープニングを飾るOne Directionの「Story Of My Life」でコンサートをスタート。彼はオーケストラサウンドと大儀見元（Per）らによる民族楽器の軽快な音色に乗せて、甘い歌声で観客を魅了していく。続くMaroon 5の「This Love」はストリングスにフォーカスしたアレンジに。佐藤は低音からファルセットまで自在に声を操り、その歌唱力の高さを見せつけた。

ファンの間で雨男として知られる佐藤は、11月の降雪が54年ぶりであることがニュースになったことを挙げ、「生粋の雨男とは知ってますが、大雪になるとは……初のオーケストラコンサートで54年ぶりの出来事が起こるなんていいコンサートになるということですよね」と微笑む。そして「オーケストラの楽しさと深さ、ポップスの楽しさと深さ、この両方のマッチングを楽しんでもらえたら」とこのコンサートの趣旨を伝えた。

アルバムのリードトラックとなったToto「Africa」にはゲストボーカリストとして、村上佳佑も参加。そのほかこのコンサートでは「My Symphonic Visions ～CORNERSTONES 6～ feat. 新日本フィルハーモニー交響楽団」のアレンジャーのうち岩城直也と宮本貴奈もピアニストとして演奏に加わった。佐藤はその後、平原綾香とモーリス・ホワイト「I Need You」をデュエット。2人はしなやかで力強い歌声で前半戦を締めくくった。

約20分の休憩を挟み、その後も彼は楽曲の持つエピソードなどを語りながら次々と演目を披露していく。クリスマスソングの名曲「O Holy Night」で始まった後半戦では「PATISSIER eS KOYAMA」のオーナーシェフ・小山進氏がショコラに込めた物語を、佐藤が楽曲で表現した約12分にわたる組曲「The Lost Treasure ～The Adventures of Jaime～」も演奏された。さらに彼は今年小山氏が発表した新作ショコラのために書き下ろされた新曲「Human」も披露。そして最後に「明日へ（For Kumamoto Version）」を手拍子を受けながら歌い、ステージを降りた。

2度のカーテンコールを受けた佐藤は「サッと歌って帰ります」と軽口を叩き、アカペラで「Amazing Grace」を歌唱。マイクを通さずとも彼の艶やかな歌声は会場中に響き渡り、客席ではスタンディングオベーションが起こった。

佐藤は12月6日よりツアー「Your Christmas Night TOUR III」を開催。宮本貴奈（Piano）、井上陽介（B）、江藤良人（Dr）からなるThe Jazz Creaturesを従えて7都市を回る。