「VISUAL JAPAN SUMMIT」初日にX JAPAN、LUNA SEA、GLAYが揃い踏み
2016年10月16日 17:27
32 音楽ナタリー編集部
ヴィジュアル系バンドのフェスティバル「VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten」が、10月14~16日に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催中。この記事では初日14日公演の模様をレポートする。
9:00開演にも関わらず朝から会場には多くの観客が集まり、開演前から場内は熱気で包まれる。そして3日間にわたるフェスのトップバッターを務めたのは、団長(Vo / NoGoD)やミヤ(G / MUCC)らからなるX JAPANのコピーバンド・X SUGINAMI。衣装や髪型だけでなく、演奏まで徹底的にコピーするX JAPANへのリスペクトに満ちた渾身のパフォーマンスに観客は大興奮する。最後にメンバーと観客はXジャンプをしっかり決め、激しい盛り上がりの中で「VISUAL JAPAN SUMMIT」が開幕。その後はVANIRU、SPEED OF LIGHTS、CLOWD、Anli Pollicinoといった若手ヴィジュアル系バンドや、今年4月に復活したBEASTが熱演を披露した。
場内最大規模のステージ、SUMMIT STAGEにこの日最初に登場したのはPsycho le Cemu。5人はRPGゲーム仕立ての寸劇で、力を合わせてスクリーンに現れたモンスターを倒すが、その直後に登場した「超伝説GODヨシキ様」にあっさりと倒される。YOSHIKI本人の写真を使った演出に観客は大爆笑。「BLADE DANCE」「激愛メリーゴーランド」などを披露したあと、DAISHI(Vo)は先程の演出がYOSHIKI公認であることを明かし「しかも写真はYOSHIKIさんが選びました!」と語って会場を沸かせた。
HERO、DaizyStripperのライブのあと、この「VISUAL JAPAN SUMMIT」のために再結集したというかまいたちのステージには、ゲストギターとして屍忌蛇が参加。フロアから上がる悲鳴のような歓声を浴びながら登場したメンバーは、スピーディかつパンキッシュなナンバーを次々と叩きつけていく。KENZI(Dr)はキュートな格好とは相反するように「こんなもんじゃねえよな?」と煽りまくり、SCEANA(Vo)はマイクを手にステージを練り歩き激しくシャウトし続けた。
華やかなパフォーマンスのユナイト、モッシュも起こった激しくアグレッシブなNOCTURNAL BLOODLUSTのライブに続き、5年ぶりの復活を果たしたBY-SEXUALのステージでは、メンバーによるサウンドチェックの時点で待ち切れないファンの大歓声が起こった。大勢のオーディエンスに迎えられた4人は「PSYCHIC DANCE」「CAT'S MOOD」など、強力なナンバーを次々と披露。SHO(Vo)は「これだけで終わるBY-SEXUALじゃないということで、スペシャルゲストを招いて1曲やってみようか!」と話し、HISASHI(G / GLAY)を呼び込んで「BE FREE」を熱唱。貴重なコラボレーションに、フロアは大いに沸き返った。
Gargoyleは骨太な演奏で幅広い層を魅了し、lynch.は攻撃的なナンバーで固めたステージを展開。葉月(Vo)は「めっちゃ楽しいんですけど!」と破顔しつつ、「今日は尊敬する先輩たちの首を取りに来ました。そして皆さんの心をつかみに来ました」と宣言し、その言葉通り気迫のこもった歌声を披露した。そのあとに続いたGLAYは、先輩であるX JAPANへのリスペクトを込めて、「We are X!」のコール&レスポンスでライブを開始。TERU(Vo)の「熱くいくぜ!」というシャウトに続き、バンドは「千ノナイフガ胸ヲ刺ス」「グロリアス」といったヒット曲を惜しみなく届けていく。イントロが鳴るたびにうれしそうな歓声が上がり、広い会場は高揚した空気に包まれた。
中盤ではTERUが、HIDE(X JAPAN)がYOSHIKIにGLAYの音源を渡したことがきっかけでエクスタシーレコードから作品をリリースすることになった経緯を明かす場面も。そんなエピソードに続いたのはHIDEが作詞作曲したX JAPAN「Joker」のカバー。このフェスならではの1曲に場内が沸き立つ中、メンバーは笑顔で音を重ね、TERUは間奏で「HIDEさーん!」と天国にいる恩人に向かって高らかに叫んだ。
TOKYO YANKEESのエネルギッシュなステージから一転して、LUNA SEAのライブは「月光」の荘厳なSEでスタートした。GLAY同様彼らも「FATE」に始まり、「Dejavu」「TRUE BLUE」「I for You」など時代を彩ってきた楽曲をたっぷり熱演。真矢(Dr)の叩く盤石のリズムを支えに、RYUICHI(Vo)、SUGIZO(G, Violin)、INORAN(G)、J(B)はステージを縦横無尽に動き回り、ときには目を合わせたり、絡みながらプレイを繰り広げる。RYUICHIは「今から24年前……あの『エクスタシー・サミット』が帰ってきました。めちゃくちゃだったよ……出るときはいつもヒリヒリしてた」と懐かしそうに語り、この日がLUNA SEA結成1万日目であることについても言及。そして「LUNA SEAは終幕もあったけど、このあとまだまだ走っていこうと思うんだ」とバンドとしての決意を口にし、ファンを歓喜させた。
圧巻のロックサウンドを幕張に響かせたLADIESROOMのあと、いよいよヘッドライナー・X JAPANのライブが約35分押しでスタート。1曲目「JADE」で、病気療養から復活を果たしたPATA(G)が右手を高々と掲げると、大歓声が沸き起こった。「Rusty Nail」ではレーザー光線が飛び交う中で響いたオーディエンスの大合唱に、Toshl(Vo)が「なかなかいいぞ!」と笑顔を浮かべた。「紅」のイントロではHIDEの映像が流れ、ToshIが声を詰まらせる場面も。一方、その後のMCでは今から24年前に開催された「エクスタシー・サミット」を振り返る。ToshIが「あのときは武道館で、2人で花嫁衣装を着て(笑)」と語ると、YOSHIKIは「そうか、花嫁衣装持ってくればよかったね(笑)。じゃあ明日までに……」とスタッフに指示を出して場内の笑いを誘った。
YOSHIKIはPATAの復活を「心配かけやがって……(笑)」と手荒く歓迎したあと、「長い月日が経って、仲間と1つの空間を分かち合えるのはすごくいいもんだなと。今までがんばってきてよかったな」と、フェス開催を喜んだ。その後は映画「We Are X」のために書いたという新曲「LA VENUS」を「さわりだけ」と言って披露。情感あふれるメロディが印象的なバラードに続き、後半も「X」「ENDLESS RAIN」など名曲を次々と演奏した。最後の曲が終わると、YOSHIKIは力尽きた様子でドラムセット裏に仰向けに倒れ込んでいた。
イベントを締めくくったのは、出演アーティストたちによるセッションバンド・無敵バンド。RYUICHI、TERU、ToshIが最初に登場し、フェス出演までの裏話を語る。TERUが「いろいろな情報が入ってきたのは3日前で、『これがYOSHIKIイズムか!』と思いました(笑)」と話すと、ToshIは「僕は(この日の)朝の5時半。甘いよ、君たち(笑)」と返し、会場にどよめきと爆笑をもたらした。
その後はこの日の出演者が続々とステージに登場。さらにスペシャルゲストとして、この日の昼間に「第9弾出演者」としてアナウンスされたyukihiro(Dr / L'Arc-en-Ciel)が現れた。ギターを下げたYOSHIKIは出演者たちに次々にマイクを向け、yukihiroも「どうもありがとうございます!」と笑顔で出演を喜ぶ。彼らが演奏した曲はSex Pistolsの「ANARCHY IN THE U.K.」。さらにジーン・シモンズ(KISS)がサプライズゲストとして加わり、KISSの「Rock & Roll All Nite」をセッションする。全員が笑顔のうちに演奏が終わると、YOSHIKIは「みんなどうもありがとう! 明日からも気合い入れていくぞ!」と叫び、明日以降への期待を煽った。
なおWOWOWの「VISUAL JAPAN SUMMIT 2016」特設ページではライブの動画を公開しているので、チェックしてみよう。
※「Psycho le Cemu」のCの次のeはアキュートアクセント付き、「CLOWD」のOはストローク符号付きが正式表記。
(写真提供:VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten)
ジロウ @jiro6663
VJSのレポート読んでたけどすごいな。三日間あるのに初日でこのボリュームだったのか。あらためて日本のV系って層が厚かったんだなあと思う。
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