忘れらんねえよ、2つの“失敗”とビールと手紙と怒濤のプレイで“デカいステージ”堂々完遂

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10月9日、忘れらんねえよのワンマンライブ「僕とあなたとあんたとお前のデカいステージ」が東京・Zepp DiverCity TOKYOで開催された。

終演後、オーディエンスに挨拶する忘れらんねえよとサポートプレイヤー陣。(撮影:岩佐篤樹)

終演後、オーディエンスに挨拶する忘れらんねえよとサポートプレイヤー陣。(撮影:岩佐篤樹)

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クラウドサーフでステージに向かう柴田隆浩(Vo, G)。(撮影:岩佐篤樹)

クラウドサーフでステージに向かう柴田隆浩(Vo, G)。(撮影:岩佐篤樹)[拡大]

これはタイトルの通り、忘れらんねえよにとって最大キャパシティのライブ。そのチケットは完全ソールドアウトし、当日のZepp DiverCity TOKYOにはあふれかえらんばかりのオーディエンスが駆け付けた。

開演時間を迎え、客電が落ちた刹那に流れてきたのは、なぜか[Alexandros]の「ワタリドリ」。この曲をBGMにフロア最後方、PA卓の前に1人姿を現した柴田隆浩(Vo, G)は遠く前方を指さしながら「“ワタリドリ”のようにあそこまで運んでもらっていいですか?」とZepp DiverCity TOKYOの端から端までクラウドサーフで送られながらステージへとなだれ込む。そして、そこに待つ梅津拓也(B)とサポートドラマー・マシータと共にそれぞれ自身の身体で「S」「E」「X」の人文字を作ってジャンプする“SEXジャンプ”をキメたのち「やっぱ1曲目はこれっしょ」と「バンドワゴン」を投下した。

忘れらんねえよ(撮影:岩佐篤樹)

忘れらんねえよ(撮影:岩佐篤樹)[拡大]

続く「戦う時はひとりだ」「僕らパンクロックで生きていくんだ」で、いきなりフロアを熱狂の渦に包むと、柴田は満面の笑みで「これもう勝ちでしょ」「もうビール飲みたいもん」と、この日のライブに太鼓判を押すも好事魔多し。「友達のバンドがみんな『最初のZeppは絶対失敗しますよ』って言ってたけど、そんなことないじゃん」と豪語した直後、バンドはマシータのカウントと同時に「僕らチェンジザワールド」をスタートしようとするが、柴田は見事に出とちり、梅津から「失敗してるじゃん!」とツッコまれてしまう。しかしこれに苦笑いの柴田は、梅津、マシータ、そしてもう1人のサポートメンバー・ロマンチック☆安田(G, Key / 爆弾ジョニー)と共に「体内ラブ ~大腸と小腸の恋~」でオーディエンスを踊らせまくり、「犬にしてくれ」では「犬になって」の大シンガロングを巻き起こした。

忘れらんねえよ「僕とあなたとあんたとお前のデカいステージ」の様子。(撮影:岩佐篤樹)

忘れらんねえよ「僕とあなたとあんたとお前のデカいステージ」の様子。(撮影:岩佐篤樹)[拡大]

ミディアムナンバー「バレーコードは握れない」の直前「ここからまた速い曲が続きます」とした柴田が、またも梅津から「まだそのパートじゃない!」とツッコまれる“失敗”もあったが、その「バレーコードは握れない」で「ラララ」の大合唱を誘い、「ドストエフスキーを読んだと嘘をついた」ではジェントルな歌声がフロアに響きわたる。また「そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか」などのバラードを聴かせて、ライブ中盤を構成したバンドは、改めて「速いのいきますよ」と「この街には君がいない」「北極星」「CからはじまるABC」と高速パンクチューンを連発する。そして「ウンコの歌を歌ってもいいですか?」と「俺の中のドラゴン」をパフォーマンスしたのちには、今月リリースのミニアルバム「俺よ届け」の一部楽曲のプロデューサー・松岡モトキ(G)と、「俺よ届け」に参加したおおくぼけい(Piano / アーバンギャルド)と合流。「眠れぬ夜は君の名をググるよ」「まだ知らない世界」と、柴田曰く地元・熊本のために書いた曲「うつくしいひと」という新譜収録の3曲をセッションして万雷の拍手を集めてみせた。

オーディエンスの頭上に立ち“手紙”を読み上げる柴田隆浩。(撮影:岩佐篤樹)

オーディエンスの頭上に立ち“手紙”を読み上げる柴田隆浩。(撮影:岩佐篤樹)[拡大]

終盤「ばかばっか」の途中、柴田はまたもフロアへと突撃。「思い切りお前らと盛り上がりたいからビールを買いに行ってもいいですか?」と1000円札片手にダイブをキメて、自身が開演時に登場したフロア最奥の生ビールを手にしたライブスタッフめがけてクラウドサーフで進んでいく。そして見事ビールを手に入れてフロア中央まで引き返すと、そこでオーディエンスの頭上に立ち上がり、突如流れ出した小田和正「言葉にできない」をBGMに「お父さん! お母さん!」とシャウト。「JAPAN JAMのとき『お客さんは宝物』って言いましたけど、あのときはオレたちのあとに出てくるブルエン(BLUE ENCOUNT)のお客さんがけっこういました」「でも今日は違うよ」「この人たちが正真正銘、オレの宝物です!」という“手紙”を読み上げて、オーディエンスと共にライブが成功裏に終わろうとしていることを祝福した。

梅津拓也(B)(撮影:岩佐篤樹)

梅津拓也(B)(撮影:岩佐篤樹)[拡大]

そしてそのオーディエンスと共に「ばか」コールを繰り広げた「ばかばっか」と最新ミニアルバムの表題曲「俺よ届け」をパフォーマンスしたところでライブ本編は最終盤。柴田、梅津、マシータ、安田はフロアいっぱいにハンドクラップが鳴り響く中「この高鳴りをなんと呼ぶ」をドラマチックにプレイして、ステージをあとにした。

オーディエンスと記念撮影する忘れらんねえよとサポートプレイヤー陣。(撮影:岩佐篤樹)

オーディエンスと記念撮影する忘れらんねえよとサポートプレイヤー陣。(撮影:岩佐篤樹)[拡大]

熱烈なアンコールに応えてステージに舞い戻った忘れらんねえよは「これから始まる暮らしの中で 泣きたくなったらこの歌を聴けよ」とリスナーの明日からの生活を応援する「別れの歌」と、彼らのライブのクライマックスを飾る定番の1曲「忘れらんねえよ」をパフォーマンス。ライトを灯したスマートフォンをペンライトのように振るオーディエンスに「キレイだよ」と笑顔を向けて、“僕とあなたとあんたとお前のデカいステージ”を締めくくった。

なお終演後、バンドは全国ツアー「僕とあなたとあんたとお前のごほうびワンマンツアー」を2017年1月から開催することと、その最終公演として4月2日に東京・日比谷野外大音楽堂でワンマンライブ「ワンワン!ワンマン!野音でワオーン!」を開催することを発表。また10月12日には主要配信サイトでミニアルバム「俺よ届け」の配信がスタートしている。

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忘れらんねえよ「僕とあなたとあんたとお前のデカいステージ」
2016年10月9日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト

01. バンドワゴン
02. 戦う時はひとりだ
03. 僕らパンクロックで生きていくんだ
04. 僕らチェンジザワールド
05. 体内ラブ ~大腸と小腸の恋~
06. 中年かまってちゃん
07. 犬にしてくれ
08. バレーコードは握れない
09. 美しいよ
10. ドストエフスキーを読んだと嘘をついた
11. 夜間飛行
12. そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか
13. 世界であんたはいちばん綺麗だ
14. この街には君がいない
15. 北極星
16. CからはじまるABC
17. 俺の中のドラゴン
18. 眠れぬ夜は君の名をググるよ
19. まだ知らない世界
20. うつくしいひと
21. ばかばっか
22. 寝てらんねえよ
23. ばかもののすべて
24. バンドやろうぜ
25. 俺よ届け
26. この高鳴りをなんと呼ぶ
<アンコール>
27. 別れの歌
28. 忘れらんねえよ

忘れらんねえよ「僕とあなたとあんたとお前のごほうびワンマンツアー」

2017年1月14日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2017年1月15日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
2017年1月21日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
2017年2月4日(土)広島県 HIROSHIMA 4.14
2017年2月5日(日)岡山県 PEPPERLAND
2017年2月12日(日)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
2017年2月17日(金)福岡県 DRUM SON
2017年3月3日(金)新潟県 CLUB RIVERST

忘れらんねえよ 日比谷野音ワンマン「ワンワン!ワンマン!野音でワオーン!」

2017年4月2日(日)東京都 日比谷野外大音楽堂

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