くるり、再会誓った雨の「京都音博」矢野顕子やミスチルが10周年祝福

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くるりが主催するライブイベント「京都音楽博覧会 2016 IN 梅小路公園」が9月18日に京都・梅小路公園 芝生広場にて行われた。

くるり with 森信行(撮影:久保憲司)

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今月1日にバンド結成20周年を迎えたくるり。彼らが地元・京都に国内外のさまざまなアーティストを迎え、独自の発信を続けてきた京都音博も、2007年の初開催から10年目を迎えた。節目となった今年のライブにはくるりをはじめTete、矢野顕子Mr.Children、QURULI featuring Flip Philipp and Ambassade Orchesterが出演。当日はあいにくの空模様となったが、それぞれが熱いパフォーマンスでくるりのアニバーサリーを祝福した。

くるり with 森信行(撮影:久保憲司)

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開演時刻の12:00を迎えると、舞台には岸田繁(Vo, G)と佐藤征史(B)が姿を見せる。岸田は「京都音博も10周年ということで、ありがとうございます」と挨拶し、佐藤は「まさか10回も挨拶できるなんて思わなかったですね」と続いた。岸田は「くるりも20周年を迎えたということで……」とステージに森信行(Dr)を呼び込み、オリジナルメンバーによる「東京」で10回目の京都音博の幕を開ける。オーディエンスの歓声が上がる中、柔らかな音色を響かせた3人は続く「虹」で息の合ったハーモニーを聴かせた。また「尼崎の魚」では3人の骨太なセッションに観客がゆったりと体を揺らす。岸田は「最後まで楽しんでいってください」とひと言。彼の鳴らすギターに佐藤と森が優しく音を重ねた「さよならストレンジャー」を最後に届け、トップバッターの役目を終えた。

Tete(撮影:久保憲司)

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2番手のTeteは「初めまして、京都音博!」と日本語で挨拶し、「LA REALITE」でライブをスタートさせた。曲の途中、ギターを弾く手を止めた彼が手拍子を求めると、オーディエンスはこれに反応してクラップの音を鳴らす。Teteは豊かなギターテクニックとストンプボックスを用いたパーカッションで多彩な音色を放ち、オーディエンスを魅了。優しいハミングから始まった「L'ENVIE & LE DEDAIN」では気持ちよいゆらぎのある彼の歌声がうす曇りの空に響いた。「Do you like party? いきましょう、皆さん!」という言葉とともにドロップされたのは「WHEN SHIT HITS THE FAN」。ブルージーなサウンドに乗って盛り上がる観客に、彼は「とってもとってもとってもありがとう!」と叫んだ。ステージを歩き回りながら「MADELAINE BAS DE LAINE」をさわやかに歌い上げると、Teteはくるりに感謝の言葉を送り「雨の中観てくれてありがとう」と自身の左胸を叩く。ラストの「A LA FAVEUR DE L'AUTOMNE」では曲中の歌詞をアレンジして「京都、愛してる」と歌い、最後までサービス精神旺盛なパフォーマンスで観客を楽しませた。

矢野顕子と岸田繁のコラボの様子。(撮影:久保憲司)

矢野顕子と岸田繁のコラボの様子。(撮影:久保憲司)[拡大]

矢野顕子はキーボードの前に座るなり、流れるように「春咲小紅」を奏でだす。彼女は10周年の京都音博に出演できた喜びを口にし「くるりとスタッフの皆さんは、よく10年がんばったものですね」とねぎらいの言葉をかけた。そんな言葉ののちに届けられたのはくるり「ばらの花」のカバー。ドラマチックな旋律に澄んだ歌声を乗せて一気にオーディエンスを引き込んだ矢野は、この後にも「いい日旅立ち」を大胆にアレンジしたカバーを披露した。最後には岸田をステージに呼び込み、2人は2006年に発表された共作のナンバー「PRESTO」をプレイ。矢野は「2人で作った大好きな曲なんです。だから皆さんも好きよね」と言い、会場には2人の優しいハーモニーが響き渡った。

桜井和寿(Mr.Children)(撮影:久保憲司)

桜井和寿(Mr.Children)(撮影:久保憲司)[拡大]

それまで降り続いていた雨が少し弱まった頃、ステージに登場したのはMr.Children。彼らは「名もなき詩」「Tomorrow never knows」と大ヒットナンバーを冒頭から立て続けに披露して観客を沸かせ、桜井和寿(Vo, G)は「京都音博10回の歴史、そうそうたるミュージシャンが参加しています。そこにやっと僕らも参加できました!」と喜びをあらわにした。「あいにく今日は雨ですが、音楽の力で雨も心地よい加湿器のように感じさせたい(笑)、そんな思いを込めて」とプレイされた「Melody」で、桜井は晴れやかな表情を浮かべながら力強い歌声を響かせる。「PIANO MAN」ではサックスのサウンドが華やかにバンドの演奏を彩り、繊細なピアノの音色が印象的な「しるし」では情感たっぷりに歌い上げる桜井の歌声にオーディエンスがじっくりと耳を傾けた。新旧を織り交ぜたセットリストで観客を存分に楽しませたバンドは、最後に「僕らの音」を披露。観客に語りかけるようにこの曲を届けた桜井は「最高! 最後まで楽しんでいって!」とさわやかに呼びかけてステージをあとにした。

くるりと桜井和寿(Mr.Children)のコラボの様子。(撮影:久保憲司)

くるりと桜井和寿(Mr.Children)のコラボの様子。(撮影:久保憲司)[拡大]

Mr.Childrenのステージのあとには、この日ならではの特別なコラボが実現した。くるりの2人に続いて舞台に姿を見せたのは桜井。岸田は「この曲を桜井さんとやりたいと思います。『深海』というMr.Childrenのアルバムに入っている『シーラカンス』を」と曲紹介する。驚きの歓声が上がる中、桜井がアコースティックギターで紡ぐ旋律に岸田のエレキギターと佐藤のベースの音色が重なり、桜井と岸田のハーモニーが会場に響いた。曲が進むにつれ雨足は強まり、雨が地面を叩く音に呼応するように桜井のシャウト交じりのボーカルも力強さを増していく。3人は濃密なセッションでオーディエンスを圧倒し、桜井は最後に「くるり! 岸田くん、佐藤くん、どうもありがとう!」と叫んだ。

最後の出演者であるQURULI featuring Flip Philipp and Ambassade Orchesterの登場を控えた17:00ごろ、会場周辺の天候は不安定さを増し、強い雨とともに雷が鳴る状況に。ここでくるりの2人はイベントの中止を決め、ステージに立ってファンに事情を伝えた。岸田は「残念ですが、ホンマに風邪を引かないように体を温めてください。また帰ってくるんで」と語りかけ、佐藤は「僕たちもやりたいけれど、皆さんを危険にさらすことはできません。速やかに避難してください」と呼びかけた。彼らの判断に会場からは大きな拍手が起きる。思わぬ形でイベントの幕が引かれたが、QURULI featuring Flip Philipp and Ambassade Orchesterはこの日の20:15より急きょLINE LIVEの生配信を実施。ステージで演奏できなかった「JUBILEE」など4曲をシンプルなセットで視聴者へ届けた。ラストナンバーは、例年京都音博の最後を飾る「宿はなし」。岸田と佐藤は弾き語りでこの曲をプレイすると、京都音博での再会を視聴者に約束し、イベントの幕を下ろした。

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京都音楽博覧会 2016 IN 梅小路公園
9月18日 梅小路公園 芝生広場 セットリスト

くるり with 森信行

01. 東京
02. 虹
03. 尼崎の魚
04 .夜行列車と烏瓜
05. さよならストレンジャー

Tete

01. LA REALITE
02. L'AIR DE RIEN
03. L'ENVIE & LE DEDAIN
04. WHEN SHIT HITS THE FAN
05. N'ETRE QUE SOI
06. PERSONA NON GRATA
07. MADELEINE BAS DE LAINE
08. A LA FAVEUR DE L'AUTOMNE

矢野顕子

01. 春咲小紅
02. ばらの花
03. ISETAN-TAN-TAN
04. いい日旅立ち
05. ひとつだけ
06. PRESTO with 岸田繁(くるり

Mr.Children

01. 名もなき詩
02. Tomorrow never knows
03. Melody
04. PIANO MAN
05. ランニングハイ
06. しるし
07. 足音~Be Strong
08. 僕らの音

桜井和寿&くるり

01. シーラカンス

天候悪化のためイベント終了

QURULI featuring Flip Philipp and Ambassade Orchester ※LINE LIVE中継

01. JUBILEE
02. さよなら春の日
03. デルタ
04. ブレーメン
05. 宿はなし(くるり)

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