レコード盤を製造する東洋化成、レコード針を開発・製造するナガオカ、ターンテーブルを開発・製造するテクニクスが3社合同で発足した「レコード再発見プロジェクト」のプレス向けイベントが昨日8月31日に神奈川・東洋化成 末広工場で行われ、
「レコード再発見プロジェクト」本部および製造ラインを日本に置き、国内外の音楽ファンに“Made in Japan”の魅力を発信する3社が立ち上げた音楽鑑賞推進プロジェクト。アナログレコードシーンの活況を受けて復活するテクニクスのターンテーブル最新機種「SL-1200G」の発売を目前に行われた今回のイベントでは、「SL-1200G」を製造するパナソニック技術本部ホームエンターテインメント開発センター係長・志波正之氏、当プロジェクトで使用されるレコード針「MP-500H」を開発したナガオカの技術アドバイザー寺村博氏、東洋化成レコード事業部部長の石丸仁氏が登壇した。
志波氏は発売前のSL-1200Gの実機を用意してその特長を解説。SL-1200シリーズはDJ用ターンテーブルのスタンダードとして世界中で愛された銘機だが、このたび復活を遂げた新機種SL-1200Gは、外見や使用感はシリーズを引き継ぎつつ、内部はハイファイオーディオ向けにブラッシュアップされている。土岐をゲストに迎えたイベント後半には、この日のために特別にプレスされた土岐の7inchシングルを使って試聴が行われた。このシングルは彼女の最新アルバム「Bittersweet」から「Beautiful Day」と「ラブソング」の2曲をチョイスしたもの。自らレコードに針を落とし、その音色を確認した土岐は「『Beautiful Day』はサウンド的にレトロなものを表現した音楽なので、アナログで聴くとい意味でよりぴったりマッチしていて『聴きたかった音はこれだ』と思いました」と感想を述べた。
また「アナログで音楽を聴きたくなるのはどんなとき?」という質問に、土岐は「『Beautiful Day』では玉ねぎを切ったり、スペアリブを煮込んだり、区民プールに行ったりする日常を描いてますけど、どれも1人で行っていることなんですね。1人の時間を過ごしている描写の中に、アナログレコードを聴く時間は外せないと思って『針を置く』という歌詞を入れたんです。1人の時間に音楽を聴くとなると、古いレコードを引っ張り出して聴くことが多いですね」とコメント。そして「私の世代にとってレコードを聴くことは、生活の一部でもあるんですけど、永遠の憧れみたいなところがあって。ミュージシャンがアルバムを作ってアナログでリリースできるというこの幸せが長く続くように、がんばっていただきたいと思います」と、プロジェクトを進める3社にエールを送った。
トークイベントのあとは工場見学が実施され、マスター音源をラッカー盤に落とし込むカッティングマシンや、塩化ビニールからレコード盤を生成するプレス機などが公開された。プレス機では9月28日に発売される上坂すみれのシングルなどが次々とプレスされていた。
なお今回のイベントでは、東洋化成の呼びかけにより昨年行われたイベント「レコードの日」が、今年も11月3日に開催されるが伝えられた。「レコードの日」に併せてリリースされるアイテムは後日発表となる。
connie/Runo/セカンドライフP @RunoDaviau
土岐麻子がレコード文化の再興を後押し「この幸せが長く続くように」 - 音楽ナタリー https://t.co/9E1dCBE5cB