8月21日、東京・タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIOで
このイベントは8月3日に上坂の7thシングル「恋する図形(cubic futurismo)」がリリースされたことを記念したもの。第1部では上坂ファン、通称“同志”の中でも男性のみを対象とした“男幹部の会”、第2部では女性同志のみが対象の“女幹部の会”が行われた。
男幹部の会
9~11号のトリプル台風が日本列島に接近しながらも快晴、猛暑となった東京・渋谷のCUTUP STUDIOに集まった男幹部は超満員の350人。開場SEであるRoxy Music「My Only Love」ののち、上坂のライブイベントではおなじみのインストゥルメンタルナンバー「予感02」が爆音で流れだすと、彼女は改造学生服をモチーフにしたスタンドカラーのロングジャケットにベルボトムにおもちゃの刀という“番長ルック”で幹部諸君の前に登場する。そして「男幹部の皆さん、ごきげんようっス!」「シャーッス!」「オーッス!」と“男らしい”挨拶もそこそこに、ジャケットを脱ぎ捨て、サラシをイメージしたというチューブトップ姿に変身。350人の男たちの歓声を集めてみせた。
その350人のクラップを背にストレンジなテクノポップチューン「恋する図形(cubic futurismo)」を披露した上坂は「ズボンを履いてステージに上がることがほとんどないんですけど、チャック開いてないよね?」と慌てたかと思えば、「男性はすごいですよね。毎日ズボンを履いてて、年間365分の1くらいの割合でしかチャックが開いてる日はないんですよね?」と男幹部に感心しきり。さらに「今日はチャックに気を付けてがんばりたいと思います」と妙な決意を固めるなど、とにかくパンツのファスナーに夢中になったのちにはシングルのカップリング曲「▽をつければかわいかろう」と「文豪でGO!」を連投する。「▽をつければかわいかろう」では、そう言われるのが苦手だと語る「上坂すみれはかわいかろう」のフレーズを浴びせかけられて苦虫をかみつぶしたような顔を浮かべ、「文豪でGO!」では「漱石」「トルストイ」「鴎外」「ドストエフスキー」「チェーホフ」「永井荷風」の大コール&レスポンスを繰り広げた。
続く「Inner Urge」で男幹部たちと「S・O・X」コールを響かせた上坂は、レーベルプロデューサーと共に、この日のサブタイトル通り、“大会議”をスタートさせる。第1部の議題は、来たる12月23日に東京・両国国技館で行われるワンマンライブ「上坂すみれのひとり相撲2016~サイケデリック巡業~」の集客プラン。両国国技館公演開催の報を聞いた瞬間「いや、ムリ」と思ったと語る彼女は「1人の力じゃ(集客は)ムリだから、誰かの力を借りよう」と提案する。そして「国技館だから」タッグマッチ形式の女性声優プロレスを実施するとして、自身のタッグパートナーと対戦相手、レフェリー、実況・解説者の候補を男幹部たちから募集。結果彼女は、仲はよいが最近とある一件で怒られたという内田真礼といわくつきのタッグチーム・UU砲を結成し、同じく親交のある三澤紗千香のレフェリング、洲崎綾と西明日香の実況・解説のもと、三森すずこ&徳井青空チームと対戦することに。さらに三森と徳井のプロダクションの後輩・愛美が乱入してくるという「実現性はまったくないんですが、観てみたい名勝負」プランが完成した。
その後「同志以外のアニメファンを呼ぶためにキャラクターソングを歌おう」「相撲取りやプロレスラーを呼ぼう」などのアイデアがフロアを飛び交い、「有意義な会議ができたと思います」「身近なところに有望な同志候補がいたら、ぜひブレインウォッシュしてオルグしてください」と会議を締めくくろうとした上坂だったが、プロデューサーが大川ぶくぶのマンガ「ポプテピピック」の公式アンチTシャツを着ていることを発見。「私もアンチTシャツを作りましょうか! 『上坂すみれ、マジ殺す』みたいなやつ!」「それならアンチの人も両国に来てくれるかも!」と笑って会議をお開きにした。
女幹部の会
開場SEとして谷山浩子「LADY DAISY」、ヤプーズ「Daddy the Heaven」、こぶしファクトリー「ラーメン大好き小泉さんの唄」、太田裕美「満月の夜 君んちへ行ったよ」、Flying Lotus「Only If You Wanna」、Iron Maiden「Public Enema Number One」などが流れるCUTUP STUDIOに集まった女幹部は、厳正な抽選によってセレクトされた100人。男幹部の会のときとは打って変わって、ガーリーなすみれ色のワンピース姿で登場した上坂は、彼女たちの黄色い「かわいいよ」コールに、目を剥きながら「お前がな!」とキレてみせる。
女幹部の会での上坂はセットリストこそ男幹部の会と同じにしながらも、MCパートではスタイリング同様、まるでテンションの異なるトークを展開する。装甲騎兵ボトムズTシャツ姿の幹部に目を丸くしながらも、ロリータルック、セーラー服、浴衣姿の女幹部を認めては「かわいいなあ」とそのまなじりを下げ、門限があるという若い女幹部には「大変ですねえ。でも私もそうだったけど、門限はいずれなくなります」と気遣いをみせる。またその一方で「文豪でGO!」では「男幹部の会よりも盛り上がってました」「みんな文豪好きなの?」「カッコいいもんね、あの人たち。すぐ自殺するけど」と笑うほどの熱狂を生み出していた。
100人の女性と「S・O・X」と声を合わせた「Inner Urge」パフォーマンス後の“大会議”でも、彼女と女幹部の調子はライブ中のMCと同じ。ロリータルックの話に花を咲かせたのをきっかけに、両国国技館公演の物販ブースに置きたいグッズ案へと話題が広がると、男幹部の会での「女性声優プロレス」「アンチ上坂すみれTシャツ」からは一転。フロアから「担当スタイリスト・佐野夏水がプロデュースするTシャツ」「普段使いできるタオルや文房具」「シュシュや、かわいいヘアアクセ」と、建設的かつまっとうな意見が多数寄せられた。
ところが、これらに「それなー」「我々の団体はパステルカラーに欠けてますもんね」と納得の表情だった上坂は、「ブックカバー」の声が聞こえるや「隠さなきゃいけないような本を読んでるの?」「どんな本を読んでるんだい? 言ってごらん」といやらしい笑顔。また「サンリオのキャラクター・ポムポムプリンとのコラボ」「ロリータファッションブランドとのコラボ」という夢あふれる提案には「どうすれば実現できるんだろう?」「お金?」と、まるで夢のない切り返しをして100人を笑わせる。そして話題がさらに転がり、「お茶会」「チェキ会」「バスツアー」「温泉旅行」「飲み会」と女性同志限定のファンミーティング案でひとしきり盛り上がったところでタイムアップ。彼女は「女幹部の皆さんのおかげで、だいぶんアレだった男幹部の会の毒が中和されました」とフロアに笑顔を向け、自身のスローガン「生産!」「団結!」「反抑圧!」と、ロシア語で“万歳”を意味する「Ура!」を三唱すると、最前列の女幹部とハイタッチを交わしつつステージをあとにした。
※文中▽は白抜きハートマークが正式表記。
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上坂すみれのひとり相撲2016~サイケデリック巡業~
2016年12月23日(金・祝)東京都 両国国技館
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