6月4日にスタートしたkokuaのライブツアー「Progress」が、6月24日の東京・NHKホール公演をもって終幕した。
結成10年目を迎えた今年、1stアルバム「Progress」をリリースしたkokua。彼らにとって初のツアーは全国4都市で行われ、大きな盛り上がりを見せた。この記事では最終公演の模様をレポートする。
ライブは武部聡志(Key)、小倉博和(G)、根岸孝旨(B)、
この日kokuaは、アルバムの全収録曲のほか、スガのヒット曲やカバー曲を披露。スガは「アルバムデビューしたばかりの新人バンドです。フレッシュさを忘れずに、コンセプトである大人なライブを楽しんでいきたいと思います」と冒頭のMCで意気込みを述べ、武部、小倉、根岸、屋敷が鳴らすバンドサウンドに乗せて熱い歌声を披露していく。ライブ前半のハイライトとなったのは「愛について」。イントロが鳴るとどよめきにも近い歓声が上がり、オーディエンスは5人が奏でる力強く優しいアンサンブルに酔いしれた。また5人は曲と曲の合間にレコーディングやツアー中のエピソードをトーク。屋敷が「このメンバーでまたやりたいです」と口にすると、ほかのメンバーもそれに同意するように笑顔を浮かべるなど絆の深さをうかがわせた。
中盤では各メンバーが作曲を手がけたナンバーをプレイ。アーバンな雰囲気が魅力的な屋敷作曲の「1995」、根岸らしい骨太なグルーヴが特徴のロックチューン「黒い靴」、小倉がメインボーカルも務めるラフで陽気な「道程」、作曲した武部曰く箸休め的な「kokua's talk 2」が披露された。そして、それぞれの個性を発揮したコーナーのあとはカバーコーナーへ。武部が弾くきらめくような音色が光ったSimply Redのヒット曲「Stars」、落ち着いたムードを作り出したHall & Oates「Everytime You Go Away」、スガが艶めかしく熱唱した井上陽水「青空、ひとりきり」と続いた。中でもオーディエンスを圧倒したのは、カバーコーナーの最後を飾った「私たちの望むものは」。スガ1人のアカペラに始まり、曲の展開と共に武部、小倉、根岸、屋敷の音が重なっていき、力強いアンサンブルがアウトロまで響いた。
その後「Music Train ~春の魔術師~」からライブは終盤戦へ。根岸のファンキーなベースが光った「Blue」や、スガのライブの定番曲「コノユビトマレ」「午後のパレード」で会場の空気はヒートアップ。そして「Progress」の10年後を描いたという「夢のゴール」で、本編はクライマックスを迎えた。
アンコールを求める声に呼ばれ、5人は再びステージへ。スガは「なるべく早く次やりたいですね」とkokuaの今後の展望や、バンドのテーマが「夢」や「未来」であることを述べる。そして未来への願いを込めたミディアムチューン「砂時計」につなげた。ツアーの最後に届けられたのはこの日2度目の「Progress」。LEDスクリーンにはスガの歌に合わせて歌詞が浮かび、曲に込められたメッセージがオーディエンスに伝えられる。大サビの「あと一歩だけ、前に進もう」では観客が指を高く掲げ、壮観な景色が描き出された。5人が去ったあとも深い余韻が残り続け、終演のアナウンスが流れ終わってからも長い間拍手が響いていた。
kokua「kokua Tour 2016『Progress』」
2016年6月24日 NHKホール セットリスト
01. BEATOPIA
02. Progress
03. 幼虫と抜け殻
04. オバケエントツ
05. 愛について
06. 1995
07. 黒い靴
08. 道程
09. kokua's talk 2
10. 街角
11. Stars
12. Everytime You Go Away
13. 青空、ひとりきり
14. 私たちの望むものは
15. Music Train ~春の魔術師~
16. Blue
17. コノユビトマレ
18. 午後のパレード
19. 夢のゴール
<アンコール>
20. 砂時計
21. Progress
※「kokua」のoはマクロン(長音記号)付きが正式表記
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紅緒 @benio2918
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