このツアーは彼が最新アルバム「Fauve」のリリースを記念して行ったもの。音響、映像、照明を駆使した総合芸術を表現する今回のライブにはアルバム同様、ギタリストとしてPABLO(Pay money To my Pain)、マニュピレーターおよびシンセサイザー奏者として草間敬が参加した。また東京公演には、“パフォーミングアーツ・カンパニー”として映像と融合させたパフォーマンスを行うユニット・enraが登場し、観客を魅了した。
アルバム1曲目「awakening」で幕を開けたこの日のライブ。草間の繰り出す美しい旋律に乗せて、金子とPABLOが静かに姿を現す。2人が定位置に付くと、3人は「Take me home」を演奏。金子は宙を仰ぐように歌い始め、浮遊感のある歌声を場内に響かせる。最初のパートを終えると大きく振りかぶって力強くドラムを叩き、場内を幻想的なムードに誘った。
その後彼らは疾走感あふれる「The Sun」、PABLOがアコースティックギターに持ち替えて軽やかに届けた「Signals」、ステージ後方のスクリーンを使用して変拍子のポリリズムを視覚的にも表現した「Weather and Seasons」など、精緻な演奏と趣向を凝らした演出で楽曲を届けていく。
MCヘと移り、大入りの客席を見渡した金子は「すっげー人!」と感激。続けてこの日があいにくの雨模様であることについて「雨宿りって思えばいいものでしょ?」と笑顔を見せた。また
enraはプロジェクションマッピング独自の映像美とリズムに呼応する最新の映像技術を取り入れ、まるで映像を操るかのような華麗なパフォーマンスを展開。観客は息を飲んでじっと彼らのステージングを堪能していた。enraのパフォーマンスが終わり、再びステージに登場した金子は「最高の気分だ!」と興奮した様子を見せ拍手で彼らを送り、自身のライブを再開させた。後半は、ストーリー性のある映像が映し出されるなど、それまで以上にスクリーンを大いに活用した演出が展開される。ラストナンバー「Historia」では光に包まれた金子はすべての力を出し切るかのような迫真のドラミングを披露。3人は壮大なナンバーを場内いっぱいに届けてステージをあとにした。
アンコールに応えて再び姿を現した金子は「最高のツアー、最高の締めくくりでした」とツアーを振り返る。そしてPABLOがアコースティックギターを手にした「Girl(Have we met??)」を1曲目に届けて、そのまま2曲を連投。ラストナンバー「オルカ」では3人による厚みのあるコーラスが場内に広がった。金子は最後に力を振り絞るようにドラムを叩きまくったのち、立ち上がってスティックを放り投げる。その姿を見た観客はスタンディングオベーションと大きな拍手で彼らの熱演をたたえ、感動的なムードの中「金子ノブアキ Tour 2016 "Fauve"」は幕を下ろした。
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金子ノブアキ Tour 2016 "Fauve"
2016年6月16日 EX THEATER ROPPONGI セットリスト
金子ノブアキ
01. awakening
02. Take me home
03. The Sun
04. Signals
05. Tremors
06. Garage affair
07. Weather and Seasons
enra
01. Primitive
02. Torquestarter
03. Cloud Cluster
金子ノブアキ
08. Firebird
09. blanca
10. Lobo
11. Sad Horses
12. to crete
13. see you there
14. Historia
<アンコール>
15. Girl(Have we met??)
16. [fin]
17. オルカ
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