「Kalafina with Strings」はストリングス隊とピアノのみをバックにKalafinaがパフォーマンスするライブシリーズ。これまでは毎年クリスマスシーズンに東京と大阪で行われていたが、今回はその特別版として、北海道、宮城、東京で3公演を実施した。
その東京公演は2011年の楽曲「Eden」でスタート。3声の美しいハーモニーとポリフォニーが入り乱れるこの曲を歌ったWakana、Keiko、Hikaruの3人は、新曲や懐かしの1曲、ヒットチューンやレア曲と多彩な楽曲をコンサートマスター今野均(Violin)が率いる9人の弦楽隊と櫻田泰啓(Piano)と共に披露する。Keikoが「物語のような香りのする1曲」とする「木苺の茂みに」をまさに語りかけるように優しく歌えば、エモーショナルなストリングス隊のトレモロから始まった「むすんでひらく」では身体でビートを刻みながら、明るく軽快な歌声を響かせる。またHikaruが「ドラムやベースのようなリズム楽器のない今回みたいな編成は歌でグルーヴを作ることになるから、難易度が高い」と苦笑いを浮かべるも、その言葉とは裏腹に3人は「胸の行方」ではフェイクを多用したソウルフルなボーカルを聴かせ、ゆるやかな3拍子のリズムに合わせてクルクルと回るステップと共に「君と銀の庭」をかわいらしく歌い上げた。
ライブ中盤戦は「Kalafinaの始まりの曲」でスタート。3人がマイクをリレーしながら、2声、3声のハーモニーとソロを間断なく聴かせ続ける「Lacrimosa」や、ピアノとチェロをメインに据えたシンプルな編成の「君が光に変えて行く」というデビューシングルからの楽曲をパフォーマンスした3人は、アップテンポな原曲からスローナンバーに大胆なアレンジを施された「sprinter」でまたも複雑なポリフォニーを見せると、後半戦は一転、普段のバンドセットのライブでもおなじみの大ネタを連発する。
イントロで弦楽器隊が全員立ち上がってぶ厚いアンサンブルを聴かせた「五月の魔法」ののちには、Hikaruが客席のクラップを煽り、KeikoがWakana、Hikaruと笑顔でアイコンタクトを交わしながらリズムを作る「未来」で満員のNHKホールを盛り上げる。そして「I have a dream」「ring your bell」という、やはりKalafinaライブの終盤戦の定番2曲をジェントルに歌った3人は客席の拍手に両手を広げて応えてライブ本編を締めくくった。
Wakana、Keiko、Hikaruがチャーミングなダンスと共に「storia」を披露するところから始まったアンコールは、にぎやか、かつうれしい展開に。普段のライブでも行われるHikaruによる物販アイテムの紹介コーナーがスタートするも、彼女が「もう売り切れちゃったらしいんですけど紹介します。だってがんばって作ったから!」と、笑顔の客席を前に、メンバーそれぞれがデザインをプロデュースしたアイテムのこだわりのポイントを解説すれば、それをうしろで見ていたWakanaが「Hikaruちゃんは数を数えるときの指の折り方がカッコいい。私もマネしてみたんだけどできなかった」と混ぜっ返して、またもオーディエンスの笑いを誘っていた。
その後、最新アルバムのリード曲「far on the water」を歌い、客席からスタンディングオベーションが巻き起こったところでストリングスライブは終了と思いきや、喜色満面のKeikoが「もう1曲だけいいですか」と、先ほどステージをあとにした櫻田を呼び戻して「今日だけの『アレルヤ』をお届けします」とひと言。このサプライズに歓声が巻き起こる中、3人は櫻田のピアノをバックに上手、下手へと歩を進め、シンガロングを煽りながら「アレルヤ」を高らかに歌い上げる。そしてHikaruの「終わりたくないけど終わっちゃった。またどこかでお会いしたいです」、Keikoの「みなさんあっての私たちだから、これからも共に歩んで行きたい」との言葉と、Wakanaの投げキッスと共に彼女たちはステージをあとにした。
"Kalafina with Strings" Spring Premium LIVE 2016
2016年4月29日 NHKホール セットリスト
01. Eden
02. 屋根の向こうに
03. 木苺の茂みに
04. 春は黄金の夢の中
05. neverending
06. むすんでひらく
07. 胸の行方
08. 君の銀の庭
09. ひかりふる
10. Lacrimosa
11. 君が光に変えて行く
12. 傷跡
13. sprinter
14. believe
15. 五月の魔法
16. 未来
17. 夢の大地
18. I have a dream
19. ring your bell
<アンコール>
20. storia
21. far on the water
<ダブルアンコール>
22. アレルヤ
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リンク
- Kalafina OFFICIAL WEBSITE
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r i o n @ri_on0044
美しく幸せな時間でした。Kalafinaはバンド形式もいいけど、弦楽器とピアノと歌声のシンプルな編成がとてもとても似合うと思う。いい写真。「Kalafina、歓喜のサプライズ演出で締めくくった春の弦楽ライブ - 音楽ナタリー 」https://t.co/H5twqkW45g